主人公は「小森」というとある田舎のさらに奥まったところでほぼ自給自足に近い生活をしている。
田んぼや畑を耕し、グミの実を拾ってきてジャムにしたり、クルミや栗を拾ってきてご飯に入れたり。
都会もんからすると非常にうらやましい大地の恵みとの付き合い方なのだが、そこはそういうあまっちょろいものではなく、自然にせよ料理にせよ、真剣に何度も向き合ったことなる人間だけがたどり着ける境地やうまさがあるのだ、ということを再三の料理で教えてくれる感じ。
橋本愛が地味っぽい雰囲気を演出しようとしているが、どうしても彼女の美貌は際立ってしまって、でも田んぼの中でも違和感がないのはさすが。
もともとは母子で住んでおり、彼女の「技」はほとんど母から教わったものだが、母はいつのまにか失踪しており、一度は都会に出た主人公が故郷に戻り、一人だけで暮らしているという設定。薄いガラスや木製の窓や扉だけのおうちに住み続ける彼女に、正直「危ないなあ」と思ってしまうのはおっさんが都会に毒されているからか。