前から気にはなっていたがずっと見ていなかった映画。
全日本選手権ロードレースで、ライバルと火花を散らす天才ライダー、北野晶夫。
ハングリーにバイクレースへ情熱を傾け、欲しい女は全力で落とし、それでも一番はバイクだけ、というある意味ストイック(?)な主人公を、今でもちょっと見かけないくらいの完成された美形、若かりし草刈正雄が演じている。
10代のころは大藪春彦が大好きだったので、当然小説も読んでいたのだが、
「銃と車と女」のピカレスクでダーティな作品群の中で、本作はどちらかというとマイルドな印象だった。
映画ではさらマイルドになっているようで、やはり映画にするにはとがった部分はある程度削り取って一般的にせざるを得ないのかもしれない。
そのマイルド要素の一つが草刈正雄なのだろう。
正直ストーリーとしては別物で、エピソードをちょいちょいつまんで作ったオリジナルの話であり、2時間ではこの作品を描き切れない感が強く出ていた。
でもレースシーンはすごくかっこよかった。
角川春樹初監督作品で、監督自身がバイクでコースを走り、転倒して大けがした逸話も残っている。ほんとかよ!