南仏プロヴァンスの12か月(1993)

 ロンドンのやりて広告マンだった筆者が、奥さんと二人ですべてを引き払い、南仏のプロヴァンスへ移住。

そこでの生活を12のエッセイでつづったもので、当時は爆発的なベストセラーとなり、プロヴァンスブームを巻き起こした。

もう何度も読み返しているが、定期的に読みたくなってしまう一冊。

まずは食べ物。

野菜や肉、パンやワインやオリーブオイルなど、その道の熟練者・達人たちがこだわり抜いた品々があふれており、それをまたおいしくする料理人を探して歩くのがまた楽しい。

そして自然。

冬になるとミストラルと呼ばれる大寒風が吹き荒れ、容赦なく吹き付ける風で偏頭痛になる人もいるほどだが、それが過ぎれば太陽も山も森もその移ろいを色濃く見せてくれる。

そして人々。

ちょっととっつきにくいが、付き合っていけば徐々に打ち解けてくれる、人はいいが抜け目もなく、それぞれがいろいろなことに一過言を持っている魅力的な隣人たち。

これを読むたびに、ああ自分もいつかはプロヴァンスへ移住してみたいものだと夢想するのが楽しい。

もちろん、フランス語さえできないのにこの地方特有の方言もかなりきついらしくて理解するのはほぼ無理だろうし、この本が売れたおかげでこの地域の地価はうなぎのぼりに上がっているらしいので、大金持ちでもなければこんなところに別荘は変えないが、夢想するのはタダだから。