シュワちゃんの方ではなく、2012年のリメイクの方。
もともとはSF界の鬼才であるフィリップ・K・ディックの短編「追憶売ります」が元ネタになっている。
本作では近未来ディストピア(ユートピアの反義語で、あまり望ましくない未来)が描かれている。
地球は貧困側と金持ち側に分断されており、貧困側は地球の真ん中を通っている重力エレベーターで反対側に出稼ぎに行くという過酷な労働を強いられている。
労働者たちは憂さ晴らしで楽しい記憶を買って気分を紛れさせる。
主人公もそうしたつもりだったのだが、ある記憶を買ってから突然命を狙われるようになり、社会全体を巻き込む戦いへ巻き込まれていくことになる・・・
労働者の主人公が記憶を買う、というシーンは最初の映画もこちらも一緒(ついでに言うと漫画「コブラ」も一緒)。
そのあとの展開からはそれぞれのオリジナリティが花を咲かせる感じだが、本作の方がより小説の原作に近いイメージだそうだ。
昔読んだはずなのだが見事に記憶に残ってないので、検証できないが。
最初のトータルリコールはやはりシュワルツェネッガーのキャラが濃いのと、監督のバーホーベン色が強く、趣味が悪くて気色悪いけどそれが癖になる感じだったのだが、本作はより洗練され、SF色が強くなり、特に重力エレベーターなどはメカメカしさが今風でかっこよい。
その代わり主人公の色はかなり薄まってしまっており、一般の人がだいぶ頑張りました、というテイストになっているのがちょっと物足りない。
ただ、SF映画としての見ごたえはリメイク版の方が強かった。単純にSFXが進化したから、というだけかもしれないが、絵が綺麗で見てて飽きなかったな。