グレー・レンズマン(1939)(レンズマンシリーズ)

 レンズマンシリーズ第二作。「銀河パトロール隊」の続編。

前作でボスコーンのトップであるヘルマスを倒したレンズマン・キムボール=キニスン。倒れる寸前のヘルマスが指令室にある謎の球体に意識を向けたのを察知したキニスン。、そこから発せられた通信ビームは、第二銀河系であるランドマーク星雲へ向かっていた。

ヘルマスがトップだと思っていた銀河パトロール隊は後退を余儀なくされ、一からボスコーンを攻略することに。キニスンはボスコーンの活動の中でも麻薬ルートから上位の組織を探ることにしたが・・・

この第二作で一番ワクワクするのは、キニスンが日雇工夫に変装し、麻薬窟に潜入するところ。

この世界ではアステロイドベルトの岩石の中から価値のある鉱石を探し出し、採掘して買取所にもっていって金を得て、その金で酒や女や薬にパーっと使ってしまうのが工夫の醍醐味である。

キニスンは銀河パトロール隊のエンジニアの力を結集させて、見た目は普通の採掘船、中身は最新のテクノロジーが詰まったチート宇宙船を建造。

そして自身も髭をぼうぼうに生やし、自分の体で、自分がどのくらい麻薬に耐えられるかをストイックに実験して、常習性の少ない麻薬を選んでその常習者に化け、麻薬が欲しくて採掘を頑張る底辺工夫を演じる。

そして大変な金額を一時に派手に使い切って、周りには豪勢に奢りまくり、自身は大量の麻薬で昏倒していると見せかけて、彼のレンズの力の一つである精神投射で内部を探るところなんか、ワクワクしすぎて鳥肌が立ってくる。

麻薬でヘロヘロになっている方が精神を遊離させやすくて却って任務が捗るところとか、頑張って採掘していたらものすごい価値の巨大鉱石を発掘してしまい、司令官から「それ、君の財布に入れていいから」と言われて「これで俺も生涯金の心配をしなくてよくなったぞ」みたいなシーンとか、いちいち一つ一つがかっこいいんだよな~。

あと、恒例の艦隊戦では、銀河文明の科学者を結集して作り上げた負の球体(ネガスフィア)が活躍。これは負の物質でできており、通常の物質と触れると大量の放射能を発しながら対消滅していくという簡易ブラックホールのような武器で、これで敵の艦隊も惑星もぶっ潰してしまうというスケールの大きさ。すごすぎる。

本作のボスコーンのトップはアイヒ族で構成されているボスコーン評議会だが、ヘルマスもやらかした恒例の「アリシアへ自分で行ってみてボコられる」が容赦なくて笑える。

時代が時代だけに、容赦のない勧善懲悪。わかりやすいっていいなぁ。