平成一期ライダーの劇場版。
ストーリーはテレビ版の最後(と思われるところ。実際には違う)から始まる。ジョーカーを含むすべてのアンデッドを封印し、ライダーの役目は完了して、3人のライダーたちは日常へと散っていった。
しかし、その後封印したはずのアンデッドが街中で暴れているところに遭遇する主人公・剣崎。手元には当然ライダーシステムも存在しない。
そんなところへ、見たこともないライダー3人がやってきて、圧倒的な強さでアンデッドを葬るのだった・・・
テレビシリーズの途中で劇場版が制作されるという恒例の手法。そのため、まだテレビのストーリーが佳境の中で、その時に想定されるエンディングっぽいストーリーを持ってくるというのもいくつかのライダーで使用されており、本作もそのうちの一つ。
このライダーの根本をなす設定として、遠い過去にアンデッドという種族の代表53体がバトルファイトを行い、ヒューマンアンデッドが勝利したため、人類が地球上で覇権を握ったが、なんらかの事件が起こって封印されていたアンデッドたちが現代で解き放されてしまった、ということになっている。
その他のアンデッドたちがいわゆるライダーで言うところの怪人となっており、それぞれトランプの柄と数字があてがわれている。絵札(J/Q/K)のアンデッドは強かったり、会話ができるほど知性が高かったり、人間に化けることができたりする。そしてアンデッドは倒されるとカードとして封印される。
さらにアンデッドの一人としてジョーカーという存在があり、相手を倒して得たカードを使用して、そのアンデッドに変身する能力を持っている。ライダーシステムはこのジョーカーの能力を参考にして作られており、カードの持つ能力をライダーの戦闘力として使用するのだが、各絵柄ごとにライダーが決まっているため、必然的にライダーは4人であり、それぞれ自分の絵柄のカードを集めることで強化されていく。
このうちハートのライダーである仮面ライダーカリスは、同時にジョーカーでもあり、ヒューマンアンデッド(ハートの4)のカードの力で青年の姿(当然イケメン)ももっており、主人公と織りなす人間模様が心憎い。
これらの設定だけでもワクワクが止まらないのだが、第一期のライダーだけあってストーリーは骨太かつ重厚。初回から重苦しい展開のオンパレードで、大きなおともだち(=おっさん)は夢中になってみたものだ。
本劇場版ではジョーカーの存在がカギを握っており、それはテレビ版でもそうなのだが、それぞれ異なる趣向で楽しませてくれる。封切り時にはテレビ版ではまだ公開されていなかった主役ライダーの最強形態「キングフォーム」が初めてお目見えした。これは集めた13枚すべてのスペードのカードで強化した状態なのだが、何度見てもキングフォームへの変形シーンがカッコよすぎて鳥肌が立つ。ケンジャキ~!