メキシコの麻薬カルテルを壊滅させようとするCIAと、それにかかわる人たちの壮絶な戦いを描く。
FBIのケイトは仕事ぶりを評価され、メキシコ麻薬カルテルでるソノラ・カルテルの選任捜査官に抜擢される。
しかし、捜査チームのやり方はケイトからすると常軌を逸しており、人はバンバン殺すわ法は逸脱しているわで、まったく理解できない状況が続く。
その中で、国防総省のコンサルタントを称するアレハンドロという男と仕事をすることになり、その荒っぽいやり方に反発を覚え、ケイトは衝突を繰り返すのだが・・・
正直、実際のメキシコの麻薬関係については全く知識がないのだが、現実に基づく話であるように思えるリアリティが満載。実際にはもっとひどいらしいのだが、これよりひどいというのはヌクヌクと日本で9 to 5の仕事しかしていない人間にとっては想像もつかない。
ケイトが主人公としてクレジットされているが、この映画の本当の主役はアレハンドロを演じるベニチオ・デル・トロ。
彼の無造作な非情さが骨身にしみるというか、直接神経を針でツンツンされているような、知覚過敏的なうすら寒い迫力があり、この物語を一層壮絶なものにしている。
ラストの情け容赦のない復讐は、普通の映画であれば溜飲が下がるところなのだが、見ている側が引きまくるレベル。こんな世界で生きている人がいるということを想像だけでもできてしまうことが恐ろしいが、惹かれる人がいるのもわかる。
しかしケイトはいいとこなしだったなぁ。きれいな女優さんなのだが、狂言回しに使われてしまってちょっとかわいそうな気はする。