観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

リトル・フォレスト 冬・春(2015)

 「リトル・フォレスト 夏・秋」の続編。
小森という山間の集落で生まれ育ったいち子。学生の頃に母が突然家を出て、自身も一度は都会に出るが、うまくいかずに一人小森へ帰ってきた。自分の食べる分を賄うため、畑や田んぼを耕し、山で山菜を摘み、薪を割り、料理を作る。

本作の趣旨はストーリーではなく、日本の山村が現代においても大変美しく、四季折々の里と自然の調和が素晴らしいということ。

もちろんそこで暮らすのは大変であり、人々は毎日仕事や作業にいそしまなければ成立しない世界ではあるが、それを楽しんでおり幸せを感じているということ。

そしてそこで取れた農作物で作った、ちょっとおしゃれで素朴なおいしそうな料理の数々。ほんとうまそうなものばかりで、夜中に見るとつらいことになる。

主人公はその中に身を置きながらも、自分自身は決してそれを納得して行っておらず、自分の至らなさに目を背けるように日々の忙しさに自分を埋没させているだけであることを自覚しているのだが、そう思いつつもやる作業はいっぱいあって、作る料理はおいしくて、毎日は過ぎていく。

結局いち子は再び自分と向き合うためにまた小森を出て行ってしまうのだが、別にそれで生活できているならいいじゃないか、とおっさんは思ってしまう。

もちろんそれはある程度これまで生活してきて、やるべきことや諦めるべきことを一通り経験してきたから言える達観でなのかもしれないけれども。

都会暮らしに慣れ切った堕落した自分にはたぶん無理だろうが、それでも山あいの田畑に囲まれた雪深いところに建つ一軒家で、薪ストーブで暖を取ったりして自分が畑で作った作物を食べたりなんかするのはいいなあとうらやましいかぎり。

ラストで小森に戻ったいち子が結婚しているらしいことはわかるが、相手は明らかにされないまま。しかし小森に戻ってきたってことは、旦那さんは農業をやる前提なんだろうか。それともテレワーク? その辺は明らかにされないまま終わるのがちょっともどかしかった。気になる~!

リトル・フォレスト 冬・春

リトル・フォレスト 冬・春

  • 発売日: 2015/06/24
  • メディア: Prime Video