正直、「海の上のピアニスト」と完全に勘違いして観始めて、なんじゃこりゃあ!とびっくりした。
シュピルマンはポーランド人のピアノ演奏家。ラジオで自分のピアノを流したりしてそれなりに生計をたて、家族と穏やかに生活をしていたが、ドイツ軍の侵攻により、かれらユダヤ人は迫害され始める。
はじめは町の一区画がユダヤ人専用地区となり、そこの狭い家に押し込められ、仕事も制限されて食べるにも困るように。
そして彼らは集められ、強制収容所送りになるのであった。
シュピルマンは友人の厚意で一人だけ収容所送りをまぬかれるが、街でも強制労働を強いられ、いずれそこから逃げ出して知り合いを頼る。
しかしその知り合いも当局から目を付けられ、シュピルマンは逃亡に次ぐ逃亡で命をつなぐようになるのだった・・・
逃げ惑うシュピルマンが最後に隠れ住んだ家で、とうとうドイツ人将校に見つかってしまうが、彼に促されてピアノを弾く。
そのピアノの静謐さと気高さがこの映画の語りたいことをすべてであるような、そんな穏やかながら印象深い曲だった。
ナチスのユダヤ迫害については語れるほどの知識を持ち合わせてはいないが、これだけの人の人生や愛や希望を引き裂いたことは伝わってきた。覚えておこう。