観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

どこまでもアジアパー伝(2001)鴨志田譲・西原理恵子

 アジアパー伝の続編。

引き続きアジアの各地で、ダラダラと沈没したり、橋田さんにこき使われたりする話がちりばめられている。

序盤ではタイのスラム街にある激安居酒屋で飲んだくれる鴨ちゃんと水商売の女の話。

現地の人からもクズ扱いされており、その立場に納得して甘んじている鴨ちゃんのスタイルがなかなか新鮮。

バンコクで会社を立ち上げた日本人社長が、わかりやすいほどいかがわしい詐欺師で、鴨ちゃんを一所懸命ハメようとするが悲しいほどバレバレな話。

ものすごく柄が悪くて品もないのだけど、妙に憎めない好人物に見えてしまうのは筆致のなせる技か。

居酒屋で知り合ったかなり金持ちっぽいじいさんに貞操を狙われる話。

もともとは中国人だった爺さんが、いくつかの戦争に追われ、流転のタイ人としてそれなりに成功したいきさつは興味深い。

インドのゴアでハッシーシにはまって沈没している時に会った、死んだ息子の旅をたどるおっさんの話。なかなかキツいいきさつだが、だからこそ感情を揺さぶられるものがある。

そして戦場となっているカンボジアシェムリアップのグランドホテルの話。

こんな街でも観光に来る欧米の老人たちがいて、ジャーナリストたちが帰ってくると拍手で迎え入れてくれるとか。あたたかい話であるような、なにかおかしな気がする話であるような。

戦場でジョギングしている日本人の話。キレ者のジャーナリストだとのことだが、なんか妙に日本人ぽいエピソードではある。

少しカメラマンとして慣れてきた鴨ちゃんの話は相変わらずダメさ加減が冴え渡っていて面白い。


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どこまでもアジアパー伝 (講談社文庫)

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