仮面ライダー剣(ブレイド)(2004)

平成ライダー第5作。今ちょうどYoutubeで無料公開中なので記念に書いておく。

約1万年前、各生命の種の源であるアンデッドたちがバトルファイトを繰り広げ、ヒューマンアンデッドが勝利した。そのおかげで人類は地上の覇者として知能を獲得し、栄華を極めたのだった。

しかし3年前より、封印されたアンデッド全52体が解放され、人間を襲い始めた。再びアンデッドたちを封印するために、人類基盤史研究所(BOARD)はライダーシステムを開発する。

BOARDの研究員であり、かつライダーシステム一番目の装着者である橘朔也は仮面ライダーギャレンに、そして適性を見込まれてBOARDからスカウトされた剣崎一真が新人ながら仮面ライダー剣ブレイド)に変身し、アンデッドと戦っていた。

しかし、ほどなくしてBOARDは何者かの襲撃を受け、橘は不可解な失踪を遂げる。

剣崎は生き残った研究員、広瀬栞とともに逃げ延びて、仮面ライダーを取材しようとしていたジャーナリスト志望・白井虎太郎の家に居候して、手持ちの機材でアンデッドを探し、封印しようとするが・・・

 

平成ライダーでは第一期と呼ばれる最初の10作品が好きだが、1番好きな作品を問われたとしたら、第1作のクウガは不動として、2番目をあげるのは難しい。ただ、本作は間違いなく2番群に位置する。

放映当初は、トランプがモチーフの4人のライダーの話と聞いて、「リアルな大人向けの話が観たいのに、最初からおもちゃ寄りかぁ・・・」とがっかりしたのを覚えている。

放映当初はなかなかストーリーが進まず、ダレた部分があったのも否めず、入り込みにくかったが、話が動き始めるとぐいぐい引き込まれた。

アンデッドは倒されるとカードに封印され、それがトランプを模しているため、必然的に52体のアンデッドが存在することになるが、ライダーはその封印したカードの力を借りて、肉体強化や必殺技を繰り出すため、最初は弱く、カードを集めるに従って徐々に強くなっていく。

確かにおもちゃ前提の話と言えばそれまでなのだが、その強くなる過程とストーリーが密接に絡み合い、臨場感を増す一助になっている。

もう一つ、仮面ライダーカリスの存在も大きい。ほかの3人のライダーは人間が変身しているが、このカリスだけは、ほかのアンデッドに変身できる能力を持ったアンデッド(ややこしい)。そのため、ライダーシステムではなく自身の能力で変身しており、カリス自体もハートのエース(カテゴリーエース)に封印されたカマキリの始祖であるマンティスアンデッドそのものであり、本人は別のアンデッドである。

このアンデッドは、普段は人間の始祖であるヒューマンアンデッドの力を借りて、人間態・相川始として生活しているが、あるきっかけで喫茶店を営む母子家庭に転がり込むことになり、そこで人間の心に触れ、アンデッドである自分を疎ましく感じるようになり、人間として生きている、という設定。

こいつがまた大変な愁いを帯びたハンサムボーイなので、見る側はキュンキュンしてしまうという寸法で、彼がアンデッドの本能と人間の理性のはざまで葛藤するさまが見せ場の一つと言ってよい。

そして、主人公・剣崎一真がめちゃくちゃいいヤツ。基本バカで一本気で単純なのだが、愚直に仲間を信頼し、苦しみながらもアンデッドを封印し続ける。

彼が苦悩しながらも前を向いて進み、経験を積んで頼もしくなっていく姿と、徐々にカードが集まってライダーが強化され、強大なフォームチェンジを行うようになる過程が非常にうまくシンクロされており、彼の戦いを見るたびに胸が熱くなる。

剣崎の滑舌が最初相当悪く、放映当初、橘に対して剣崎が「本当に裏切ったんですか!?」と叫ぶシーンが、どう聞いても「オンドゥルルラギッタンディスカー!」にしか聞こえないと話題になった。また、橘の「俺の身体は、ボロボロだ!!」というセリフも「オデノカラダハボドボドダ!!」と聞こえてしまうなど、どうやらこの人たち、主役だけじゃなくて回りの演者も滑舌が悪いらしいということが周知され始め、これらの言葉が「オンドゥル語」としてファンの間では大流行した。

当時オンタイムでこれらの情報に接していたので、ネットを見ては大笑いしながら、作品は真剣に見続けたのを思い出す。

あと、アンデッドは絵柄札(カテゴリージャックからカテゴリーキングまで)が上級に当たり、それぞれ上級アンデッドは知能が高く人間態になることができ、言葉も話す。

彼らは彼らのそれぞれの思惑があり、今回強制的に始められたバトルファイトに臨んでおり、ストーリーに奥行きを与えている。

当初ピーコックアンデッド・伊坂の策略によって、結果的には4番目のライダー・レンゲルが誕生したり、自信を失っていた橘はその計略にはまり恋人を失って目が覚め、逆に伊坂を圧倒したりする。

特にタイガーアンデッドの城光は眼付きの鋭いこわもての美人なお姉さんで、まだ高校生で背伸びしたがりなレンゲルのライダーシステム着用者である上城睦月をいさめ見守る役どころ。この人はのちの世でも「トラ姉さん」の愛称で親しまれている。凛として厳しそうなところがまた美しいんだよな~。

残念ながらこの作品出身の俳優で大成した人がほとんどいない。橘役の天野浩成が、雛形あきこの2番目の旦那としてボケっぷりをテレビで披露していたりする程度か。

広瀬栞役の江川有未は、昔ダウンタウンの浜ちゃんがプロデュースしていたアイドルのメンバーにいたので覚えていたが、こんなところに出てきたとは、ちょっと胸熱。その後、お笑い芸人のアメリカザリガニ平井善之と結婚したと聞いた時はうらやましかったが、その後離婚して、以降は芸能活動を行っていない模様。

白井虎太郎役・竹財輝之助は比較的観るかな。最近ローカル局でやっていた本仮屋ユイカ主演のドラマ「マイラブ・マイベイカー」に重要な役で出ていた(単に本仮屋ユイカが綺麗だからというだけの理由で見ていた)。最近「年が離れすぎな夫婦ってどうなの?」と早くも物議を醸している話題作「年の差婚」で主演で出ているとのこと。

本作のライダーは本当にデザインが秀逸で、どのライダーもめちゃくちゃかっこいい。特にカリス(マンティスアンデッド)は、最初「ハートでカマキリのライダーってどういうことだよ。可愛くなっちゃったら承知しないぞ!」と思っていたのだが、こんなにかっこよくなるとは夢にも思わず、プロの本気を垣間見た。

他の3人のライダーも昆虫を模しており(カリスがそのアンデッドになり切っているのとは違い、昆虫のカテゴリーエースのカードの力を借りて、あくまでもライダーシステムで変身しているという設定)、ブレイドがカブトムシ、ギャレンがクワガタ、レンゲルが蜘蛛がモチーフになっているのだが、なんでそれがこんなにかっこよくなるの?プロってすごいなぁ。

このうちレンゲル以外の3人は集めたカードでフォームチェンジを行い、特にブレイドは最終形態・キングフォームになるのだが、最初に見たときはあまりのカッコよさに心が打ち震えた。こりゃおもちゃ売れますわ・・・

他のライダーのはそんなに欲しくないのだけど、このブレイドのライダーベルト(ブレイバックル)だけは、大人向けに発売されていた数万円の本気度の高い奴を買おうとちょっと思った。限定品なのであっという間に売り切れてしまったけど・・・

というのも、ライダーのカッコよさ真骨頂と言えば変身シーンだが、ブレイドの変身がまた非常によく、ブレイバックルを引っ張りながらポーズを決めて「変身!」と叫ぶと、バックルがくるりと回り「ターンアップ」とベルトがしゃべって、前方からオリハルコンエレメントという四角い枠が現れ、それをくぐるとブレイドに変身するという凝りよう。ああやってみたい。

そして主題歌。本作では前期と後期でオープニングの曲が変わるのだが、後期のOP主題歌「ELEMENTS」は神曲。映像も素晴らしくて、落ち込んでいる時に見ると立ち直る力が少しだけ湧いてくるレベルには勇気をもらえる系だし、歌の歌唱自身がカッコよさの権化なので脳内モルヒネがドバドバ分泌されるレベル。

もしグデングデンによっぱらって(最高に下戸なので、そうなる前に気持ち悪くなってトイレに駆け込むだけであり、ありえない仮定だが)、なんか歌歌えと言われたら無意識にこれ歌っちゃうだろうな。

そしてストーリーのラストは本当に泣ける。こんな切なくて素敵で残酷で、でも大人っぽい幕引きってあるかよ~!当時は海に叫んだもんだ(嘘)。

でもそれだけ感動した大傑作であることは間違いなく、また観ちゃうだろうなぁ。


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