新訳版出てたの知らなかった。中学生の頃に矢野徹訳版を読んだだけだわ・・・そのあと何度も読み返してるけど。
SF御三家の一人、ロバート・A・ハインラインの代表作であり、いろいろな創作物に影響を与えた大元とも言える、SFの古典的名作。
人類が宇宙に進出し、あちこちの惑星に植民を始めた時代、裕福な家に生まれ、何の不自由なく高校を卒業したジョニーは軽い気持ちで宇宙軍への入隊を志願する。
しかし、どの科にも適性がなく、唯一入れたのが機動歩兵科だった。
機動歩兵とは、人型の機械の中に手足を入れて乗り込み、操ることで敵と戦う、今で言うところのパワードスーツを指す。
鬼軍曹の猛烈なシゴキにも耐え、徐々に機動歩兵として成長していくジョニー。
そんな中、とある星系で蜘蛛型の宇宙生物と戦争になった人類は、そこに機動歩兵部隊を投入し、ジョニーも初陣を飾るのだった・・・
この1950年代という半世紀以上も昔に、パワードスーツの概念を作り上げたのは驚嘆に値する。ガンダムもここから生まれたのだと考えると感慨深い。
当時ハヤカワ文庫SFで本作が出版された際、挿絵を「スタジオぬえ」が描いたが、そこに書かれたパワードスーツがもうやたらめったらカッコよく、たぶん日本のアニメのロボットものに携わった人の中で、このスタジオぬえのパワードスーツに影響されなかった人はいないんじゃなかろうか、というくらいの影響力であったはず。
正直このハインラインという人は、時代もあってかかなりイケイケドンドンなタイプの作家だったので、本作も戦争礼賛であるとか右翼小説であるとか、いろいろな批判を浴びた。
ただ、個人的には、「こんなかっこいいもん考えたぜ、どやぁ!」ということであって、戦争を賛美するとかそういうことではなかったんじゃないかと思うのだが、まあ見解はひとそれぞれ。
後年本作は「スターシップ・トゥルーパーズ」という映画になるが、もう全然違うんだよなぁ。パワードスーツ着てないし。映画館で見て非常にがっかりしたのを覚えている。
どうもWIKIを見るとスターシップ・トゥルーパーズ3でパワードスーツが登場するらしいが、そういうのじゃなくて、丸ごと小説を再現した感じでパワードスーツを実写映画で見たいもんだなぁ。