観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

ウルトラマンZ(2020)

 昨日最終回を観終わったが、近年に観たウルトラマンの中では一番よかったので感想を書く。

設定としてはよくあるパターンで、地球防衛軍に所属している若手の主人公ハルキが、ウルトラマンと怪獣の戦いに巻き込まれ犠牲になるが、ウルトラマンから一体化することを申し入れられ受諾し、命をもらうとともにウルトラマンの変身者となる、というもの。
本作が面白いと思ったのは、まず過去のウルトラマンに出てきたロボットたちが、地球防衛軍のロボット部隊「ストレイジ」で運用されているということ。最初はセブンガーというポンコツとウインダム(ウルトラセブンカプセル怪獣として使用していた)。
ここに異星人が地球に持ち込んだキングジョーをカスタムして追加することで戦力が大幅アップした。
キングジョーは対ウルトラマン戦でも相当強かったからなぁ。
ただそう一筋縄ではいかず、暴走してしまったり未知のテクノロジーをおっかなびっくり使っていたりというあたりの描写を細かく行っているのがよい。
また、ストレイジの隊長・ヘビクラは、実はウルトラマンオーブに出てきていた異星人・ジャグラスジャグラー。オーブとの関係もライバルであり敵であり、やっぱりライバルみたいな微妙な関係だったため、本作での立ち位置がわからなかったが、これは敢えての演出だったようだ。ウルトラマンと戦ってみたり助けてみたりと行動も一貫していなかったし。
しかし最初出てきた時は単に同じ俳優さんが別役として出ているのだとばっかり思っており、ジャグラーに変身した時は何だか嬉しかったなぁ。オーブでも個性の強いいい役だったし、また見られるのはよかった。
そして、カメラワークがすごい。今まで見たことのないような構図とカットが目白押しで、毎回アイデアを駆使して迫力のある映像を見せてくれるため、ワクワクして観ていた。
そして地球防衛軍の中でも様々な軋轢があり、ストレイジは上層部の言うことを聞かないので解散させられ、メンバーも散り散りバラバラにされるが、再結集するなどのエピソードがストーリーとして奥行きが出てよかった。
本作は防衛軍側のストーリーがメインなので、ウルトラマンの存在感がともすると薄くなりがちなのが唯一かわいそうポイントだったが、むしろウルトラマンはこれくらいがいいんだよ。
そして最後の胸アツ展開。最終話の怒涛の展開は泣ける。
まだこれから円盤化(Blu-Ray化)される作品なので、大っぴらにネタバレを書くのは自重。自分への覚書のために以下白フォントで書いておこう。

ヨウコ先輩が本作の黒幕である宇宙寄生体セレブロに乗っ取られ、デストルドスで世界を滅ぼそうとした際、正体がばれてしまったジャグラー=ヘビクラに迷わずついていったストレイジの面々が、地球防衛軍に両手を上げて無抵抗を表しながらも「俺たちを中に入れてくれ!」と請願する場面。
銃で撃たれてジャグラーの姿に変化してしまったヘビクラだが、ストレイジのメンバーたちの信頼は揺るがない。あ~かっこいい。
そしてそのあとのハルキとヘビクラの会話。「次変身したら体がもたないってゼットさんが言ってたんすよね」「じゃあこいつら(ウインダムとキングジョー)でなんとかするしかないな」(正確ではないがこんな感じ)。
ああこれは身を犠牲にして最後変身するフラグだなぁ。淡々とこういう会話をするところがイカす。
そしてセレブロに乗っ取られていたヨウコの心象風景の中で、ヨウコに自分を取り戻してもらうために腕相撲を挑み、見事勝利して、「あ、でも、腕相撲に勝ったら、俺ヨウコ先輩と結婚しなきゃいけないんですよね」と以前のエピソードを引き合いに出して照れるハルキ。ここで自分を取り戻すヨウコ。素晴らしい演出でございます。
そして最後の変身、ハルキがZであることがストレイジメンバーにばれる。特にヨウコはZ様推しだったので、気になる後輩とZ様が同一人物であったというあたりのカタルシスが一気に昇華される名シーン。
最後、ハルキがストレイジには残らず、ウルトラマンとして宇宙へ旅立つシーン。ヨウコ先輩との結婚はどうなったんだ~!!!おっさんは気になって仕方がないが誰も触れてくれないのがちょっともどかしかった。
そしてセレブロを追い詰めるジャグラー、それを横から網でかっさらうユカ。どっちもかっこいいぜあんたら。特にジャグラーはまた別シリーズへの参加を示唆する終わり方でよかった。
最終回でこんなにしびれたのは久しぶり。ええもん見たなぁ。

 

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