ウエスト・サイド物語(1961)

これも年末のNHK-BSプレミアムで録画したものを観た。ブロードウェイ・ミュージカルの映画化。
以下ネタバレなので、未見の方はご注意を。

ポーランド系の白人で構成される非行少年グループ・ジェット団は、自分たちの縄張りを侵犯してくるプエルトリコ系のグループ・シャーク団と反目しあっていた。
ジェット団リーダー・リフは、抗争に決着をつけるため決闘を思い立ち、兄貴分で元ジェット団のトニーに参加を呼びかける。トニーはすでにドクの店で働く社会人であり乗り気ではなかったが、弟分からのたっての願いにしぶしぶ了承し、彼らと話をつけるためのダンスパーティーへ出席した。
そこで彼が目にしたのは、シャーク団の関係者と思われる、しかしこれまで見たこともないような美しい少女だった。一瞬で恋に落ちるトニー。
その少女・シャーク団リーダーであるベルナルドの妹マリアもまた、トニーに一目ぼれし、二人は愛し合う仲になったのだった。
しかし、ジェット団とシャーク団は高速道路高架下で決闘をすることに。マリアの願いで止めに入ったトニーだったが、最初は素手で行われていた決闘が、いつの間にかリフとベルナルドの間でナイフの戦いとなり、リフを刺されたトニーが逆上しベルナルドを刺し殺してしまう。
マリアの部屋に逃げ込んだトニーは兄を殺したことを謝り、二人で逃げようとマリアを誘い、ベルナルドの恋人だったアニタが部屋に入ってきたので逃げ、ドクの店で落ち合うことにしたのだった。
マリアの頼みでドクの店へ来たアニタは、ジェット団のメンバーから乱暴されて逆上し、マリアはシャーク団ナンバー2のチノに復讐のため殺されたと嘘をつく。それをドクから聞いたトニーは絶望し、自分を殺してくれと街中でチノに叫びかけるのだった。
バスケットボールコートで再会したトニーとマリア。しかしそこにはチノも駆けつけており、彼の銃が火を噴いたのだった・・・
あ~、ほぼあらすじをすべて書いてしまった。でもこれ書いておかないと思い出せそうもないのだもの。

ロミオとジュリエット」をモチーフにしたミュージカルということで、話の大筋はほぼほぼシェイクスピアのそれと同じ。ただ、当時の社会情勢である移民問題や貧富格差、ジェンダー問題などが盛り込まれており興味深い。
また、古今の映画やドラマやバラエティが真似をしているシチュエーションの大元がここにあるということを改めて知って感慨深い。ジェット団やシャーク団、指パッチンでリズムを取りながら歩いてくる、地下駐車場でヘッドライトでスポットライト的に使う、ナイフを両手で交互に持ち替えながら決闘するなどなど。どれもこれも見たことがあるが、こっちが元祖なんだなぁ。
また、あまり普段ミュージカルを観ることがなく、たまに見ると「なんでこの人たち歌いながら会話してるの」と違和感をものすごく感じて入り込めないのだが、本作はするっと入り込むことができた。歌声が地声の延長線で発声されているので、歌うように会話していると脳が理解できる感じ。
日本のミュージカルだと、オペラのように朗々と歌い上げることがほとんどで、この歌い方だと大げさすぎて入り込めないんだよね。本作はその辺の還元が絶妙で違和感を感じずに楽しむことができた。やっぱり本家本元は強い。
また、話自体は殺伐とした救いようのない不良の縄張り抗争なのだが、ダンスと歌が間に入ることで、ああこれはフィクションであって深刻にとらえる必要がないのだと安心することができるのは地味に大きかった。これがないとかなりストレスフル。逆にミュージカルにするにはこれくらいのシリアスさがないとバランスが取れないのかもしれない。

ストーリーがちょっと雑なのは致し方ないとして、ナイフちっちゃすぎないか? 今どきソロキャンパーでももっと大きなナイフ使ってるぞ。そんなので腹刺されても死なないだろ。まあでもその辺のリアリティは求めてないのでよいのであろう。
「ドク」という初老の男がやっているお店がトニーの職場であり、かつジェット団のたまり場なのだが、あんなのが溜まってたらほかの客がやってこなくて商売あがったりだ。最後の最後でやっとドクが「出ていけ!」とキレるのだが、もっと早くキレてよいです。
あと、ベルナルド役のジョージ・チャキリスのことを、この50年間ずっとジョン・トラボルタだと勘違いしていたことが分かった。もちろんそれはサタデー・ナイト・フィーバーとの混同から来ているのだが、どちらも顎が割れているという理由だけで同一人物だと思い込んでいた。「ジョン・トラボルタって、若いころ美青年だったんだな~」と物語の中盤までのんきに見ていたのだが、あまりにも違うのでちゃんと調べたら別人でした。お恥ずかしい限り。それもこれもサタデー・ナイト・フィーバーを観たことがないからなので、いずれ観てみよう。

ウエスト・サイド物語 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2014/08/02
  • メディア: Blu-ray