さよならジュピター(1984)(総監督・脚本・ノベライズ:小松左京)

 いつもここで取り上げる際は本か映画か区別しているが、本作は両者が密接に絡み合っているので一緒に取り上げる。実際には映画の企画が先にあり、ノベライズしたのが小説版となる。

西暦2125年、エネルギー問題の解決のため、木星太陽化計画が進められていた。これは木星を恒星化することで、二つ目の太陽としてエネルギーを享受しようとする試みである。
ある時、その前線の基地であるミネルヴァ基地にいる、本計画の計画主任である本田英二のところに、二人の来客があった。彼らは、「火星の極冠の氷を溶かしたところナスカの地上絵とそっくりなものが見つかったので、調査に協力してほしい」と申し出、英二は彼らに協力して数万年前に太陽系を訪れたとされる外宇宙人の宇宙船探査を行う。
その頃、彗星探査の宇宙船が謎の遭難を遂げ、原因が太陽系へ進路を取っているマイクロブラックホールによるものと判明。このままでは太陽と衝突し太陽系が壊滅する。
月の対策本部に人類の代表たちが集まり、出した結論は、「木星の太陽化プロセスを応用して木星を爆破し、マイクロブラックホールの進路を変える」というもの。本田に与えられた時間はわずか2年。
しかし、木星爆破を快く思わない過激派宗教集団「ジュピター教団」の破壊工作員がミネルヴァ基地に潜入する。その中には、英二のかつての恋人、マリアの姿もあった・・・

映画の封切当時は当時まだ中学生だったが、テレビのCMや雑誌の広告でやたらめったら流れていたのを思い出す。主題歌のユーミンの曲が結構好きだったが、CMでいっぱい聴いたからかもしれない。

本映画は「日本人の手でSF映画を」という強い情熱によって、当時の若手SF作家たちが集結し行われたブレーンストーミングによって、日本SF界最高の頭脳である小松左京が音頭を取り制作された。
小松左京の小説版を先に読んだのでその印象が強いが、映画も当時にしては相当頑張っている。主人公の三浦友和もかっこよかった。
ただ、やはり「スターウォーズ」や「2001年宇宙の旅」と比べてしまうと、かなり地味というかストーリーの盛り上がりに欠けるきらいがあり、大ヒットはしなかった記憶がある。
キャラが立ってなくて、クライマックスが「木星が太陽に・・・」なので無常感が先に立ってしまい、カタルシスがあまりないのが残念だった。
ただ、SFのガジェットやネタとしては相当盛り込んであったし、その一つ一つはよく練られた素晴らしいものだった。
特に、無重力でエッチするシーンがあり、中学生としては相当モンモンしたのをよく覚えているが、今から考えると当然描かれるべきSFシーンであり、どのハリウッド映画も取り上げていない先駆的なネタだった。
あと、「木製太陽化計画」のロゴというかマークがやたらカッコよくて、教科書とかノートとかに真似して描いていた。厨二っぽいなぁ。

さよならジュピター

さよならジュピター

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

さよならジュピター (徳間文庫)

さよならジュピター (徳間文庫)