スター・トレック(2009)

 「宇宙大作戦」として知られるアメリカの一大コンテンツのリメイク映画。
宇宙船の乗組員で、800人の命を救った英雄を父に持つジム・カーク。
地球・アメリカの農村で気ままな生活を送っていたが、父の同僚だったパイク大佐に見初められ、宇宙艦隊アカデミーへ志願する。
士官候補生となったカークは演習でインチキをした咎で聴聞会にかけられるが、突如襲ってきたロミュランに対抗するため、謹慎のカークを除いた候補生が全員動員される。
友人の軍医ボーンズの計らいでエンタープライズ号に乗り込んだカークは、副長として乗船しており、聴聞会でカークのインチキを暴いて見せたスポック中佐と対立する。
ロミュラン船に乗り込んだパイクの代わりに撰長代理を務めているスポックは、カークに手を焼き彼を追放する。
カークは送り込まれた惑星で、129歳年を取ったスポックに出会う。彼はブラックホールによるタイムトラベルで過去にたどり着いており、ロミュランの惑星が超新星爆発に飲み込まれるのを阻止できず、そのためロミュランのネロから恨まれ、連邦へ復讐しようとしていることを精神融合でカークに伝える。
左遷されていた技術官スコットと出会い、転送装置によってエンタープライズ号に戻ったカークはスポックを激昂させ、船長代理の座を変わって指揮をとる。カークと協力することを選択したスポックと共に、ロミュラン船へ潜入するのだった・・・
とにかく映像がド派手でカッコいい。どちらかというとスターウォーズ寄りだなぁと思っていたのだが、WIKIで見たら監督のエイブラムズスターウォーズ好きとのこと。まあ寄るわなぁ。
今回の新カークは粗暴でわがまま、行き当たりばったりで思いつくまま行動して、後で言い訳ばかりしているのだが、アメリカンなストーリーのヒーローに非常に多いタイプとも言える。
なんでこういう男を周りの人たちは許しておくのか、日本人的にはいささか理解しがたいところがあるのだが、アメリカのステロタイプ的には「でも金髪でイケメンなので憎めない男」的な扱いなのだろうか。
旧カークはどっしり構えた既にベテランの有能船長、感情の起伏も穏やかで精神的に安定していたが、それではストーリーが進まないから破天荒にしてしまおう、という制作側の意図も読み取れる。ただ、そうなると純粋な宇宙冒険を楽しむというより、主人公が引き起こしたドタバタ問題をかろうじて丸く収める方にストーリーが主軸を移してしまうので、ちょっと残念な気もする。
今回のスポックは、旧スポックのように四角四面で融通の利かない、あまり物事がわかっていなさそうだが謙虚な性質とは真逆で、まっとうで正しいことばかり言っているものの頑固で譲らず上から目線。当然主人公と対立するが、のちに和解するのが信じられない。この性格同士じゃ無理だろ~。
そういうスポックが実は情熱家であったという本作オリジナルな設定は今風な感じだが、正直ロジカルだけで攻めていた旧スポックの方が好きだな~。異文化な感じがして。
いわゆるポリコレの先駆なイメージがあり、アジア人、黒人、女性を意識して配役しているが、最近のスターウォーズのような違和感がなく、本作でもしっくり来ているのは先人の努力が実っているからなのだろう。やっぱりカトー(本作ではスールー)はアジア人じゃないと。
よくも悪くもアメリカ映画が凝縮されている気がする。
また、タイムパラドックスについてあまり深く考察されずに安易にタイムトラベルを使っているのがもどかしい。
ハリウッドに多いんだよなこれ。ターミネーターとかバックトゥザフューチャーとか。
もうちょっと真剣にタイムパラドックスについて考察してもらいたいのだが、そうすると冒険活劇にはならずにひたすら論理を突き詰めるようなストーリーになってしまうので、エンタメには向かないのだろう。
ストーリーは正直大味なのだが、まあこういう映画にはそういうのを求めたらダメだよね。映像がド迫力で、息をつかせぬアクションの連続なのが楽しいのである。そういう意味では楽しい映画だった。

 

スター・トレック (字幕版)

スター・トレック (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video