仮面ライダーアマゾンズ(2016)

 子供の頃やっていた仮面ライダーシリーズの一つに「仮面ライダーアマゾン」があった。トカゲがモチーフになっている仮面ライダーで、変身するのはジャングルの奥地で野生児として育った若者。片言で日本語をしゃべる彼が「ア~マ~ゾ~ン!」と叫んで変身するのは当時としてもなかなかキャッチーで刺激的だった。

本作は仮面ライダーのデザインこそ元の作品にかなり寄せていて、そのリメイクと見せかけて、実際はストーリー上全く関係がない、ほぼほぼ新作。
かつ、シナリオは完全に大人向けに寄せており、かなりな残虐シーンが目白押しのえげつない感じに仕上がっている。
大手製薬会社・野座間製薬で極秘裏に進められていた「アマゾンプロジェクト」。それは人工的に作られた生命体を人型にするための研究だったが、その過程で生まれた、動物の遺伝子を持つ人型の人工生命「アマゾン」が流出してしまった。彼らは人肉に異常なほどの嗜好を示し、街で人を襲い始めたのだった。
野座間製薬では駆除班と呼ばれる火器を有した部隊に、街中に潜伏するアマゾンを殺すよう指示、一体ずつ駆除を行っていたが、流出したアマゾンは約四千、殲滅は難しかった。
その中で、アマゾンを狩るアマゾンとして、自らの体内にアマゾン因子を埋め込んだ男、鷹山仁がアマゾンアルファとして動き出す。そしてアマゾンオメガとして覚醒した水澤悠がその力を解き放とうとしていた・・・

平成ライダーの第一期と呼ばれる最初の10年は、ストーリーもデザインもだいぶ大人向きに仕上がっており、おっさんとしては非常に好みだった。しかし、第二期からおもちゃの売り上げが至上命題となっていったようで、よりおもちゃ性が高いデザインやギミックに寄せられていった。その結果、大人視点では物足りなくなっており、残念に思っていたのだが、この仮面ライダーはそういった大人たちの欲求不満を完全に解消する大人向けオンリーのストーリーになっており、「これだよこれ!」と心の中で叫んだものである。。
それでいながらライダーのデザインは昭和アマゾンをだいぶリスペクトして近しい感じなので、懐古的な趣味も満たされるという、一粒で二度おいしい構造になっている。
ただ、変身の仕方は昭和アマゾンと比較するとだいぶおとなしい。ぼそっと「アマゾン・・・」とつぶやいて、申し訳程度にライダーベルトをいじる程度である。まあでも、昭和初期の、例えば藤岡弘デスボイスのような変身コールと比較すると、平成ライダーの変身はだいぶスタイリッシュになったので、その流れを汲んでいるともいえる。

また、Amazon Original のドラマとしてプライムビデオ独占配信だったのも、なんだか冗談からほんとになった感じがしてよい。

それにしても格闘シーンは本当に残虐でえげつない。アマゾンズたちの血液は黒いという設定なので、黒い血しぶきが飛ぶのだが、それが赤い血よりも却って残酷さを増しているというか。
妥協していない感があって、思わず目を覆ってしまいそうになりながらも指の隙間からガン見してしまう良作である。

Episode1「AMAZONZ」

Episode1「AMAZONZ」

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