観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

かぼちゃワイン(1981)

 80年代に少年誌に連載されていたラブコメ漫画。たまたま無料漫画サイト(広告収入系で作者に掲載許可されているサイト)に掲載されており、一気読みしたので懐かしくて書く。

青葉春助はサンシャイン学園中等部2年に転校してきた。背は低いが気が強くケンカっぱやい。硬派を気取っているが実家はランジェリーショップで、ひそかにコンプレックスになっている。
朝丘夏美は同じクラスでチアガール部に所属。おっとりした気立の良い美人でクラスのアイドル。大柄なことから「L」(エル)と呼ばれているが、転校してきた春助に一目ぼれして、その後は一途に春助へアタックし続ける。
春助は何しろ自称硬派なので、そういった女性からのアプローチははねつけようとするのだが、何しろ相手は健気でやさしくて可愛くてグラマーで自分に惚れている女性なわけなので、いやだいやだと言いながらも惹かれていき、のちにはSLコンビなどと呼ばれる学園の名物カップルになっていく。
本作はこの二人と周りの友人たちが織り成すラブコメとドタバタ劇で構成されている。

当時、本作がアンテナに引っかかったのは、僕自身がかなり身長が低く、コンプレックスに思っていたからというのが大きい。とても春助のように「てやんでぇ!」調では生きられなかったので、頼もしくうらやましい。
そして現実ではなかなかあり得ない、大柄女子からのアプローチ。体が小さい男は、高身長女子から好かれることはほぼほぼなく、レアなシチュエーションなだけに憧れがあるのである。
本作はそういう低身長男子の願望や憧憬を見事に描き表した作品であると言える。

しかしエルほどの素敵女性をこれだけはねつけ続けることができる春助に対して、最初は潔くてかっこいいと思っていたのだが、あまりにもエルがけなげすぎるので途中から「おい、もういいかげんに受け入れてやらんかい!」イライラが募ってくるのもまた事実。
まあ、受け入れた瞬間にこのラブコメのストーリーは終了してしまうのは誰の目にも明らかなので、話を続ける以上は春助がエルを受け入れてはいけないのだが、それにしてもあざとすぎて、まんまと作者の術中にはまってやきもきしてしまうのであった。
それにしてももうこれが40年前か。歳とるわけだ・・・

ちなみに本作はアニメ化もされており、そちらもそこそこ面白かった記憶がある。Wikiを見ると、漫画とは細かい設定が異なっていたようだが、観ている当時はそんな細かいところには気が付かなかった。
主題歌があまりにもラブリーすぎて、親がいるところでは恥ずかしくて一緒に観ていられなかったのを思い出す。あれからウン十年たち、たまたま近くの図書館に置いてあった「懐かしアニメ主題歌全集」のCDに入っていて、久しぶりに聴いたら当時の思いがよみがえってきて頬がほてってしまった。かぁ~っ!