スカイラーク3号(1930 エドワード・エルマー・スミス)

 

E・E・スミスの「宇宙のスカイラーク」シリーズ第2弾。

前作でスカイラーク2号を駆り、オスノーム国と友好な交流を行うことができたシートン一行。
地球に帰ってからしばらくすると、オスノームのデュナーク皇太子とシタール皇太妃が宇宙船でやってきた。
隣国と戦争状態になっており、金属Xを分けてもらいに来たのだった。
前回の旅で、Xが大量に存在する惑星を発見していたシートンはその依頼を快諾しつつ、オスノームとその敵国コンダールの和平へ向けて動き出す。
また、全ての力場を遮断する代わりに、光や電波も遮断してしまうため外界と接触が一切不可能になってしまう防御力である「力帯域」を開発するが、これをさらに駆使するべく、銀河の中で高度な知性を持った文明を探し、ノルラミンへたどり着く。
そして、銀河を征服しようとたくらむフェナクローンとの戦いに備えるのであった。
一方、シートンの仇敵デュケーヌも、その技術をシートンから奪うべく活動を開始していた・・・

本作もストーリー展開が目まぐるしく、またシートンやノルラミンによる技術開発が次から次へ行われるため、新しい道具や武器がてんこ盛りで出てくる。
本作の中で一番目立つのは巨大宇宙船・スカイラーク3号の建設だが、ここに至るまで、ダゾールのイルカ人間に会ってその都市での生活を見物し、非常に古い文明を持つノルラミンを発見し、ここで脳みそごと知識を伝授してもらい、ついには第五次光線を操るための高圧縮レンズを恒星の中で作って力帯域を自由に使いこなし、星間を隔てた距離での音声や立体映像の送信もやってのけるなど、今見てもすごいなあと思う技術が目白押し。
これを今から90年前に思いついて小説にしているのだから、脱帽するしかない。
また、単にシートンたちがどんどん新しいことを発見して開発して強くなっていって、というだけだと話が単調になるのだが、そこにいろんな姑息な手段を惜しげもなく使って新技術を吸収し、シートンの前に立ちはだかろうとするデュケーヌの存在が、話に彩を与えてくれる。
といっても古き良きアメリカのストーリーなので、主人公が大活躍し正義は勝ち、その反対勢力はなかなかそれに打ち勝つことはできないので、デュケーヌはもう少しうまくやれるだけの頭脳や行動力を持っている男なはずなのだが、いつもシートンに一手先を取られ続けているのがちょっとかわいそう。

また、もともとE・E・スミスはラブロマンスの描写の類はとても苦手で、そういうパートは友人の奥さんに任せていたようなのだが、前作に引き続き、リチャード・シートンとドロシー、レイノルズ・クレインとマーガレットの間のイチャイチャっぷりといったらない。これをその奥さんが書いていたのか・・・やるなぁ。
まだまだマッチョな世界観が主流だったころの話なので、ひたすら男が話を進めて活躍し、女性は男に寄り添ってその美しさで花を添えるだけ、という感じなのは仕方がないとして、危険な宇宙船の旅行にすべてついていくあたりは、当時としては十分に先進的なのであろう。