ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019)

 テレビ放映していたのを観た。

モナークは怪獣の研究・保護を行う秘密組織。中国で巨大生物の繭を保護・監視していたモナーク支部は、環境テロリストに襲われる。そこには巨大生物を操る音波装置、オルカの開発者であるエマ・ラッセル博士と娘のマディが装置と一緒に攫われた。
モナークの幹部・芹沢は、エマと一緒にオルカを開発した、エマの夫でありマディの父親であるマークに助けを求める。マークは怪獣たちの抹殺を主張したが、共存を模索する芹沢たちと意見は合わない。
そんな中、キングギドラが目覚めたことで世界各地の怪獣たちが目覚め、世界は大混乱に陥るのだった・・・

正直に言うとストーリーはほんとにひどい。登場人物がちょっと抜けてる人だらけで、キーマンとなるラッセル夫妻、特にエマは支離滅裂もいいところで、まったく共感できない人物設定と話の展開だらけ。
モナークや軍の動き方なども説得力に欠けるし、渡辺謙扮する芹沢は本当にあそこで死ななきゃならなかったのかはなはだ疑問。っていうかアメリカ映画ってほんとに特攻とか自己犠牲とか好きだよなぁ。日本人は逆にトラウマっぽく感じて取り扱い禁止のようになっているけど。
ただ、ゴジラキングギドラモスラなどの怪獣たちの映像やアクションは非常に素晴らしくて、ああこの映画を作った人はこれを映像化したくてこの作品を作ったのだなぁと納得してしまった。
そういう視点からすると、ストーリーにこだわるのはやめて、映像美として本作を楽しむことができ、そこからは満足して観ることができた。スケールの大きな迫力と繊細な詳細描写が共存しており、モスラ降臨の際はちょっと感動して泣きそうになったほど。

ただなぁ。これで脚本が練られていたら本当に傑作になるのになぁ。庵野秀明の「シン・ゴジラ」が良作なのは、こういういい大人たちがいっぱい集まった時に何が起きてどんな行動をとるか、という点において一切の妥協がなく、実際にこういう怪獣災害が起こったら国はこう対応するだろうと思わせてくれるリアリティを極限まで突き詰めているからに他ならない。
日本のアニメや特撮が大人の視聴に耐えうるのはそういったリアリティのあくなき追及が一要因としてあるのは間違いなく、日本の作品をハリウッド化する際、どうしてもその点をはき違えたまま、ド迫力映像さえ見せればみんなハッピーだろ、といまだに決めつけているのがどうにも納得できない。というよりハリウッド側が、自分たちの持ち味や長所をそういうものだと決めつけているなあと常々思うのであった。