観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

愛と青春の旅だち(1982)

 最近初めて観た。以下ネタバレ注意。

父に失望して自殺した母、自分を引き取ったが水兵で自堕落な父。そんな環境で屈折した少年時代を送ったザックは、パイロットを目指し士官学校へ入隊する。
そこではフォーリー軍曹が人格を否定するかのごとく強烈なシゴキを与える過酷な訓練の日々だった。協調性のないザックは特に軍曹から目を付けられ、激しいシゴキに会う。
4週間後、地域の住民との交流パーティーへの参加を認められたザックたちは、そこで製紙工場で働く若い女工たちと知り合う。同部屋のシドはリネットと、ザックはポーラとカップルになり、デートを繰り返すようになる。
女工たちは士官との結婚を夢見ており、士官たちはひと時の遊び相手として女工たちと付き合う、そんな関係だったはずだが、ザックとポーラ、シドとリネットは次第に深く愛し合うようになっていく。
そんな中、リネットが妊娠した時かされたシドはDOR(任意除隊)を申請し、リネットを迎えに行くが、リネットは「士官以外との結婚は考えられない」と拒絶、シドは自殺してしまう。
シドのDORを受け付けたフォーリー軍曹にザックが挑戦し、二人は壮絶な殴り合いを繰り広げる。
そして訓練が終了し、少尉に任命されたザックたち。卒業式の後、ザックは製紙工場へ赴き、ポーラを抱き上げるのだった。

前から映画の存在は知っていたのだが、ご覧の通りのクサいタイトルに引いており、観る気がしなかった。たまたまAMAZONで無料だったので観たのだが、これは恋愛映画というよりは一人の少年が男になるまでの成長話としての意味合いが強く、骨太で見ごたえのある作品だった。
リチャード・ギアがとにかく若い。当たり前だけど。こういうヤングアダルトな役者だったんだなぁ。プリティ・ウーマンの印象しかないもんだから、彼にも若いころがあったということがなかなか頭に入ってこないのだが。

特にリチャード・ギアのザックと、教官であるフォーリー軍曹との関係、そして遊び相手だったはずが真剣な愛に変わっていくポーラとの関係が変化していく様がとてもよく描かれていた。
あれだけ罵倒の限りをしつくしていたフォーリーが最後上官となったザックたちに敬語で話すアレ、まあ有名なシーンだけれども、映画を一本観た最後にあれが来るとグッとくる。フォーリーのシゴキもすべて仕事として全うしただけであり、彼なりの敬意とプロ意識がなせるシゴキだったということが感じ取れる。
ただ士官をひっかけたい女性と思われたポーラが、いろいろな家庭の背景があり、ポーラなりの真剣な恋の相手がザックであったわけだし、若くて未熟なザックがそれを受け止めきれずにすれ違っていくあたりはよくある話だけれども、最後しっかりとザックがそれを回収して終わったのは気持ちよかった。

しかし訓練の時のジョギング中に歌うやつ、他の映画でも見たような気がするが、アメリカの軍隊では定番なのだろうか。息が切れてハアハア言っている時にさらに歌わされるのは相当きつそう。まあ、それも含めて訓練なのだろうけど。