スキャナーズ(1971)

 デヴィッド・クローネンバーグ監督作品ということで、ご高名だけはかねがね伺っていたものの縁がなかった。たまたまAmazonで見かけて観た。

気の弱そうな青年、キャメロン・ベイルがショッピングセンターの中にあるフードコートで、他の客が残した食べ物を漁っているのを、蔑んでいる老婦人およびその連れ。ベイルが老婦人をじっと見つめると、彼女は突然苦しみだして倒れてしまう。
その後、いきなり追われて麻酔銃で撃たれたベイルはとある地下の部屋へ連れ込まれ、自分がスキャナーと呼ばれる超能力者であることを知らされる。
そして、訓練の後、同じスキャナーで人類の敵として跳梁しているレヴォックを倒すべく、スパイとして送り込まれるのだった。

敵のレヴォック役のマイケル・アイアンサイドがとにかくレビューで持ち上げられており、演技力が素晴らしいと絶賛されまくっていて、なるほど確かにこの映画では主役を食うくらいの存在感を醸しているのだが、僕にとってはこの人は「V(ビジター)」の人、というイメージが強く、あれもまあSFっぽい話なので違和感なく入り込めたのだが、初見ではないのでそこまで言うほどか?というのが素直な印象。

SFが好きな者としてはやはりスキャン能力が気になるところ。いわゆる超能力の一種で、そもそもは人の脳を読み取ろうと走査(スキャン)するところから命名されているとのこと。そこから転じて相手の脳に衝撃や苦痛を与えたり、さらにはその派生形としてコンピュータまでスキャンできてしまう、今どきの表現だとチートな能力ということになる。
この無生物スキャン、1971年という時代なので、いろいろ古い描写なのは当然なのだが、この時代にこれだけの想像力と描写力を映像化しているというのがすごい。逆に今、これだけインターネットやら携帯電話やらが普及している時代では、そういうのはできっこないよねと無意識のバイアスがかかっている分、自由な発想に感心してしまう。僕がよく知らないだけで、他の映画や小説、漫画などでは取り上げられているテーマなのかもしれないが。
ちょっとだけSFを齧った者として、なんでこれまでこの映画を観なかったのかなぁと内心忸怩たるものを感じて観始めたのだが、冒頭のグロいシーンで納得。こういうの昔からダメだからパッケージとか見て回避してたんだな。だからこの映画はホラーのカテゴリーなのかと改めて思い知らされた。
ただ、SF好きからするとゴリゴリの超能力バトルが胸アツで、それだけでも十分楽しめた。
そしてヒロインのジェニファー・オニールが美人すぎて泣けた。まあ、これだけグロい映画なので、なおさら美しさが際立ったのかもしれない。