観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

トロイ(2004)

古代ギリシアトロイア戦争を描いた大作映画。封切当時やたらとCMが流れていたのを思い出す。

スパルタとトロイの間で和平が結ばれた。
しかし締結当日、トロイの王子パリスは、スパルタ王の妃であるヘレンと電撃的に恋に落ちてしまい、彼女をトロイへ連れ帰ってしまう。
そのことを知ったパリスの兄・ヘクトル王子と、彼らの父であるトロイ王プリアモスは天を仰ぐが、パリスとヘレンを受け入れ、国家として彼らを守ろうとする。
当然スパルタ王メネラオスは激怒し、兄であるミュケナイアガメムノンに助力を乞う。アガメムノンはトロイを征服する好機とみてギリシア連合軍を率い、トロイを滅ぼすための戦争を開始する。
一方、アガメムノンの配下には英雄アキレスがいたが、彼は王に批判的で言うことを聞かない。この戦争も参加するつもりはなかったが、親友オデュッセウスに乞われて参戦を決意、侵攻当日は一騎当千の部下たちと真っ先にトロイへ上陸し、アポロン神殿へ乗り込み、巫女プリセウスを捕虜とする。彼女はアキレスに反抗的であり、逆に彼の興味を引いたが、アガメムノンは言うことを聞かないアキレスに対する制裁としてプリセウスを取り上げ、兵士たちへ慰み物として与えてしまい、アキレスの怒りを買う。
トロイ王子パリスは戦争を終わらせるため、メネラオスと一騎打ちを行うが、終始圧倒され、兄へ助けを乞う。
一騎打ちの助太刀はルール違反だが、弟に甘いヘクトルはメネラオスを殺す。激怒したアガメムノンは侵攻を再開するがトロイ軍に阻まれる。
戦争への参加をやめたことで批判が高まったアキレスの状況を見かね、戦争に同行していた従弟のパトロクルスがアキレスの甲冑を着込んで戦闘に出撃、しかしヘクトルに倒される。それに怒ったアキレスはヘクトルと戦って勝利するが、なお怒りは収まらず、ヘクトルの死体を戦車で引き回して自軍へ持ち帰ってしまう。
その夜、闇夜に紛れてトロイ王プリアモスがアキレスを訪ねてきて、彼の手にキスするのだった。こんな屈辱にも耐えたのだから息子の遺体を返してほしいと・・・
プリアモスの愛情に打たれたアキレスはこれを了承し、プリアモスともどもトロイへ送り届ける。
これは勝てないと感じていたギリシア軍は撤退の準備を開始していたが、兵士が作っていた子供への土産の木彫りを観たオデュッセウスが、ある作戦を思いつく・・・

Wikiで見てなるほどと思ったが、そもそもはホメロス叙事詩イリアス」が原案でありつつ、イリアスは神様が出てきたり超人が出てきたりする神話的なお話として書かれているのに対して、本作はあくまでも普通の人間たちが織り成す戦争群像劇として描かれている。
個人的には神様や超人が闊歩する版も観てみたいと思ったが、ただでさえスケールが大きすぎて大変なお金がかかっているわけで、これ以上膨らませたら実現不可能な規模になってしまうことを考えると妥当なところかもしれない。
イリアスとは筋書きが違うところも多くだいぶ批判されたようだが、よくこの時間にまとめたと素直に感心する。
それはそれとして、パリスがバカすぎて頭にくる。お前が、お前がすべて悪いんじゃ~!
オーランド・ブルームが「イケメンだけど愚かで弱くて情けない王子」を好演していて、彼の演技力のおかげで観客は遠慮なくパリスを罵倒することができる。
そしてパトロクルス、君もだ。それがなければもうちょっと丸く収まっていたのになぁと言わざるを得ない。
ただ、これらの人間臭い振る舞いが、ストーリーをより共感しやすく幅の広い展開へ導いているのは確かでもある。
その最たるものが木馬のエピソードで、「いや、そうはならんだろ」と全員がツッコミを入れたくなる、でもワクワクするお話である。
いやあ、でも普通確かめるよなぁ・・・それは言わないお約束。