観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

旅をする木(星野道夫 1994年)

友人に借りっぱなしのまま四半世紀読まずに本棚の肥やしにしていた。
久しぶりに思い出し、読んでみることにした。

中学生のころから海外への憧れがあった星野は、高校生の頃に一人で海外を旅した。
大自然への思いが強く、大学はアラスカ大学を受験する。
点数が30点届かず合格とはならなかったが、学長に思いの丈を直訴したところ、特別に入学を許された。
以降、地元の人たちと交流しつつ、アラスカへ定住する様子が描かれている。

高校生で英語もおぼつかない状態でアメリヒッチハイクの旅に出かけるとか、点数が足りていないのにアラスカへ渡って校長へ直訴するとか、やっていることが破天荒すぎてすごい。
どう逆立ちしてもその発想は出てこない。生粋の冒険者ということなのだろう。
それだけの覚悟や行動力を経ているので、ただ単にアラスカの大自然を満喫しているのではなく、それに負けないだけの思いや気持ちを持って対象に相対している。
だからこそ幸福感もしくは達成感にあふれた情景描写となるのがよくわかる。
白夜や氷河、狼やカリブーなど、美しい景色や動物たちが息づいている様子が、また作者がそれらに常に尊敬の念を抱いているのが伝わってくる。
また、厳しい環境下であるにもかかわらず、食べ物がおいしそう。カリブーのスープのエピソードは子を想う親のホッコリする話であると同時に、思わず喉がグビリと鳴ってしまいそうな食べ物の話でもある。

Wikiを見たところ、1996年にテレビの撮影でロシアのカムチャッカ半島でテント泊をしていたところ、ヒグマに襲撃されて亡くなったとのこと。最後まで冒険者だった。
ご遺族の意向により、撮影内容はちゃんと放送されたというのがすごい。今ならないだろうな~。