観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

怪獣ヤロウ!(2025)

今年公開された映画。バキ童ファンなので公開時から気になっていたが、映画館に行きそびれ、いつのまにかアマプラに来ていたので観た。

岐阜県関市の市役所観光課職員山田・武藤・古川は、最低限の仕事を坦々とこなす日々を送っていた。
取材対象の地域の職人からも発破をかけられるが、心に響かない。
そんな中、市長から「地域振興のために映画を撮れ」という厳命が下った。
ワンマン市長は言いたい放題で、「久しぶりに地元に帰った若者が故郷の良さを再認識する」というベタな脚本まで書き上げて押し付けてくる始末。
山田は子供の頃、怪獣映画に憧れて自分で撮影を行ったことがあり、当時は学校で上映して散々な評価だったものの、一人の先生だけ褒めてくれたことを思い出し、映画監督に立候補する。
市長の命により、プロデューサーとして秘書課の吉田も加わる。
あっという間に市民の耳に入り、好意的な応援の中、吉田のてきぱきとした有能な采配もあって撮影は順調に進んでいくが、山田はこれでよかったのかと自問自答し、地元で隠遁している往年の名特撮監督・本多のもとを訪ねる。
本多は撮影の協力は固辞したものの、倉庫の機材はすべて使っていいと言ってくれた。
倉庫の中を見た山田は「宝の山だ!」と驚喜する。
しかし、吉田のうっかりミスで、撮影データの入ったPCが壊れ、これまでの労力が全て水の泡と化す。
それをリカバーしようとした山田は本多の機材を活用し、路線を勝手に変更して特撮映画を撮り始めるが、これが市長にバレて大目玉を食らい、更には市民からのバッシングを受ける。
いったんは中止となった撮影だが、実は市民の中にも特撮に肯定的な層が一定数おり、特撮を忌避する市長がそれを隠していたことが判明。
山田たちは再び特撮映画を撮り始めるが・・・

本作は「関市映像作品撮影事業補助金」を活用した、岐阜県関市のご当地映画、と言う位置づけ。監督もこの市の出身で、演者にも岐阜出身者が多いとのこと。
製作総指揮にタイタン社長であり、爆笑問題・太田の妻でもある太田光代が入っているので、タイタン所属芸人のぐんぴぃが主演なのもうなずける。
相方の土岡さんも一瞬だけ出演していた。
途中のぐんぴぃのインタビューのシーンはそのままバキ童をパロっており、しっかりファンサービスしているのがよかった。
1時間20分弱という短い尺なので、ストーリーはかなり端折っている感じが強く、主人公の山田が上司の言うことを聞かずに暴走してやりたい放題なのになぜか周りが応援してくれる、という理解しがたい構図になってしまっている。
そういう細かいことは抜きにして楽しんで、ということだろう。
キャストのオーディションで抜擢され、「久しぶりに故郷へ帰った若者」を演じていたハンサムなお兄さん、どこかで見たことがあるなぁと思ったら、「ウルトラマンZ」の主役の人だった。もう少し観たかったな~。
映画づくり、ということで言えばもっと緻密で魅せる映画や映像作品はいっぱいあるだろうし、表現が足りないと思われる個所は多いのだが、勢い・疾走感はとても強く、最後まで一気に見ることができた。
イエスマン課長の武藤もいざとなったら強い意志があり、無気力な古川もてきぱきと動く時は動き、怒りんぼだった刀鍛冶職人の高羽も実は優しい。主人公以外の登場人物にもそれぞれ少しずつ見せ場があって、きちんと描写されているのは温かみがあってよかった。
最後、不覚にも感動してほろっと泣きそうになってしまった。
粗削りではあったが、感情を揺さぶられるいい映画だった。

怪獣ヤロウ!