AmazonOriginalのドキュメンタリー風でありながらちょっとバラエティも入っている感じの人気シリーズ。とうとうシーズン4まで来た。感慨深い。
2024年の幕開けはケイレブ不在で始まる。ケイレブはツアーに出ていて序盤いない。
ケイレブがツアーってどういうことだよ!?と混乱するが、同じアマプラ内で公開されていた。
ツアーとは聴衆の前でケイレブが農業への思いを語るトークショーなのだが、ステージ上のケイレブは大観衆から声援を送られていた。本作の人気のほどがうかがえる。
ケイレブがいない間、ジェレミーが助っ人として呼んだのがハリエット。
若い金髪の美人だが、歯に衣着せぬ物言いと農業への深い造形は女性版ケイレブと言ったところ。確かに助っ人だわ。
彼女のおかげでジェレミー一人で途方に暮れていた作業が次々と片付いていくのは爽快。
しかしそのうちにケイレブがツアーから帰ると、ハリエットのあまりの有能さに「俺、クビになるの?」とジェラシーを感じるほどに。
しばらくの間二人を競わせたら楽しかろうなぁと思ったが、さすがにそこまで残酷なことはできないようで、しばらくしてハリエットは帰っていった。
今シーズンでは通常の農業の他に、パブを立ち上げて開店するという縦軸のテーマがある。
自分の農場で作った作物や、同じ地域の農業仲間の作物を直接消費者に届けたい。
また、地元の農家の憩いの場所を作りたい。
というジェレミーの熱い思いで、まずは古いパブを買うところから始まる。
そもそもパブで採算をとるのは難しく、イギリス内でもその数は減少の一途をたどっている。
そのため、売りに出ているパブは多くあるが、売られているのは必ず理由があり、それをコストとして認めるかどうかがカギとなる。
また、敷地が公園として行政認定されていると扱いが難しいなど、多くの対処が必要となる。
これらを一つ一つクリアしていき、最終的には最高のパブを購入することができた。
しかし、これを開業まで持っていくには、更に気が遠くなるようなチェック項目があり、多くの人手と多額のお金が必要となる。
更にはジェレミーの勘違いにより、開店日が1週間前倒しになり、関係者全員頭がおかしくなるような狂騒状態に突入していくが、畑の収穫も迫ってくる・・・
農家としての一つ一つの小さなエピソードが、より研ぎ澄まされていて見ていてほっこりした。
ハリエットと行く牛の競売や、2台目のランボルギーニのトラクターを買ってしまったとか、ヤギにばかでかい不格好なGPS&電気ショックの装置を付けるとか、小柄な子豚にリチャードと名付ける等々。
共通しているのは登場人物が全員、イギリスの農業に対して真摯に真剣に向き合っているということで、これは最初から一貫したテーマとなっている。
それに比べるとパブの方はだいぶ演出過多と言うか、やり過ぎ感が強い。
フロアが足りないからとグランドツアーで使ったテントを持ってこさせたり、トラクターのシルバーメッキをリチャード・ハモンドに頼んだりと、派手な趣向が多い。
開店前日にフロア責任者が辞職したり、初日から電気やらガスやらが使えなくなったり、仕込みが足りず食べ物が一切出せなくなったりと、アクシデントも立て続けに起こる。
こんな場面に遭遇したらお客さん怒るよなぁと思う。その辺がアマプラのタグにある「コメディ•ドキュメンタリー•リアリティショー」である所以だろう。
パブと言えば英国名物、のような直観的な印象しかなかったのだが、パブを維持するのにどれだけの費用と手間暇がかかるのか、こうして改めて提示されると、関係各位のたゆまざる努力によって維持されていることがよくわかる。
農業の方も、この2024年は記録的な長雨による不作の年であり、その結果が収穫という数字に如実に表れていて痛ましい。
前作にも増してイギリス農業の問題・課題を、わかりやすく提示してくれたことに敬意を表したい。
あと、パブの出禁リストにジェームズ・メイの名前があったのにはクスっとした。
グランドツアーのテントを含め、今シーズンでは敢えてトップギア関連のネタをいくつも放り込んでいる。
視聴者が喜ぶなら何でもやろうという聖域なきエンタメへの覚悟と見た。
そのうちリチャードとジェームズが農業を手伝ってくれないかな~。
