観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

ゼロ・グラビティ(2013)

以前、友人から本作をお勧めされたことをふと思い出して、アマプラで視聴。盛大なネタバレ注意。

NASAの女性宇宙飛行士ライアンが、ハッブル宇宙望遠鏡で船外作業をしている中、大量のスペースデブリが飛来してくるという緊急の警告を受ける。

ロシアが自分たちの人工衛星を爆破・廃棄したところ、その破片が飛び散って拡散するケスラーシンドロームが発生したのであった。
ライアンらは避難しようとするが間に合わず、スペースシャトルエクスプローラー号」も主翼に被害が出る。
同僚のシャリフはデブリ直撃で即死、ライアンと同僚のマットは辛くも生き残り、マットの冷静な判断で二人をロープでつなぐことがに成功。
二人はシャリフの遺体をエクスプローラー号に運び入れるが、ここも直撃を受けて大破しており、乗組員全員が死亡していた。
二人はエクスプローラー号での帰還はできないと判断、燃料が残り少ない姿勢制御ブースターを使いISS国際宇宙ステーション)に向かう。
酸素不足で不安が増すライアンに対し、地元の昔の話などを聞き出すマット。ふさぎ込みメンタルが不安定なライアンを元気づけようとしてのことだったが、幼くして亡くなったライアンの娘の話になり、気まずくなる。
ようやくISSに到着するが、こちらも破損がひどく、帰還に使おうとしていたソユーズ宇宙船のうちの一機は既に離脱しており、もう一機も大気圏降下時のパラシュートが既に開いている。
マットは残ったソユーズで100km先の中国の宇宙ステーション「天宮」へ行こうと提案する。
しかし、ISSへ近づいた二人は減速ができず、ISSから弾き飛ばされそうになる。
ライアンの足がかろうじてパラシュートのロープに絡まっているが、二人分の質量による慣性が強すぎて今にもほどけそうで、そうなると二人とも宇宙を永遠に漂流することになる。
そこでマットは自分のフックを外し、ライアンに生き延びろと言い残して、自分を犠牲にして宇宙空間をただよい去っていく。
酸素が欠乏し意識がもうろうとする中で、なんとかISSにとりついたライアン。しかしすぐISSの中で火災が発生。
ソユーズで脱出しようとするが、パラシュートのロープが絡まって脱出できない。
船外活動で何とか外し、その間にも大量のデブリISSを大破させる。
ソユーズに戻ったライアンは発進しようとするが、姿勢制御で燃料を使い果たし、エンジンが動かない。
無線で救助を求めたところ、地球のイヌーク族の男とつながる。
赤ん坊の泣き声を聞いたライアンは、娘がいる死後の世界に思いを馳せ、酸素濃度を下げて自死をはかろうとしたが、窓の外をノックする音が聞こえた。
そこにはマットがおり、彼は強引に船内に入って、着陸用逆噴射を使えとアドバイスし、忽然と姿を消したが、それはライアンが見た幻であった。
しかしまた生きる活力を見出したライアンは逆噴射を操り天宮へ向かうのであった・・・

もっとヒューストンの管制室がいろいろと指示をしたり検討したりするシーンがメインで展開するのだと勝手に思い込んでいたが、それだと「宇宙兄弟」になってしまう。
本作は無線が切れて管制室とはつながらない中での孤独な奮闘の話だった。
ライアンが陰気で不安定で、感情を優先して仕事をてきぱき進めないので相当イライラする。
アマプラの評価も存外に悪く、ほとんどが「こんなデキナイ人が宇宙飛行士をやっちゃいかん」的なコメントだった。
ただ、いわゆる典型的優等生な宇宙飛行士が、この危機に直面してベストを尽くし、てきぱきと物事を片付けて、やれやれ帰還したぜ、と言われても何にも面白くない。
我々のような陰キャでオドオドしていて対外的に自信のない人間が、不器用なりに自分の中のポテンシャルを極限状態で引き出す、自己開示的な能力の発露がストーリーとして面白い。
その意味では主演のサンドラ・ブロックは、不器用だけど不屈の闘志を内に秘めたライアンを好演していた。
「そこで脱がなくてもいいだろ」と言うところでやたらと宇宙服を脱いで下着姿になり、均整の取れたボディラインを強調するシーンが多かったが、それはサービスカットだろう。
それに引き換え、ジョージ・クルーニー演じるマットの行動がどうにも不可解。
あそこで自分を犠牲にしなくてもやりようはあったはずだし、そんなに簡単に自分をあきらめちゃいかん。
まあ、途中で幻となって表れる役どころとして、途中退場は必然だったのかもしれないが、それにしてもあれはないよな、と言うやるせなさが残る。
それにしても地球の映像がものすごく美しい。どこまで実写でCGなのかはわからなかったが、奥行きのある構図と広大な地球がマッチしていて、これを観るだけでも映画館に行きたかったと思わせる。
最後のクライマックスの映像美も迫力満点。ここでカタルシスを得るために、それまでライアンの失敗続きでストレスフルな展開を我慢して観ていたわけで、いやっほ~!と叫びたくなる爽快さだった。

この映画を薦めてくれた友人に感謝。