観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

架空OL日記(ドラマ2017年・映画2020年)

バカリズム原作×脚本×主演のドラマ。バカリズムがOLのふりをして連載していたブログの映像化。以前から気になっていたが、Huluで見つけ一気に視聴。

私(バカリズム)は銀行に勤める26歳のOL。仕事はそれなりに厳しく、社会人として日々の業務をこなしているが、日常生活では少々ずぼら。職場で同期の真紀ちゃん(夏帆)や後輩の紗英ちゃん(佐藤玲)、先輩の小峰さん(臼田あさ美)・酒木さん(山田真歩)らと、仕事や上司のの愚痴をこぼし、仕事帰りにご飯を食べに行き、充電コンセントの取り合いをし、メイク用品で盛り上がる。

大きな事件やストーリーは特にない。淡々と日常が綴られるだけ。
銀行の事務や受付の仕事は知識や経験を要求され、みなそれぞれがプロフェッショナルでありつつ、女子更衣室ではOLたちが友情を深めるため、およびストレスを発散するためにおしゃべりし、さりげないなにげない会話の中でもお互いを気遣い、認め合っている。
それぞれのエピソードがいかにも「ありそう」で、スペシャルなことではなく、日本全国津々浦々の女子更衣室ではこれと同様のことが起きているのであろうと思わせる。
おっさん目線で見ると、男性がいかにコミュニケーション下手であるか思い知らされる。女性たちは細やかな気づかいや親愛の情を、こうした日常会話の中に忍ばせて当たり前のようにやりとりしているが、おっさんにはそれがなかなかできない・・・と書くと語弊があり、できる人もいるのだとはと思うが、僕を含め身の回りのおっさんたちは自慢と説教と昔話が大好きで、お互いに微妙に傷つけあって黙り込み、友達をなくしていくのが常である。
これが「おっさん」であるバカリズムによって書かれた脚本というのがすごい。付き合っていたOLや知り合いの話を元に膨らませて、友達にウケるためにブログを書いた、とインタビューで答えているが、とても高度な知的遊戯であり、感心するしかない。
脚本だけでもすごいのに、さらにドラマではOLの一員として、おっさん然としたバカリズムが紛れ込んでいるのが、本人も言っているがクレイジーである。
世のOLはこうしたやりとりをしているんだなぁという異文化体験をすると同時に、まるでおっさんでもOLの一員になれるかのような錯覚を起こさせてくれるという、2つの側面を同時に味わいながらドラマを観る不思議な感覚を味わった。おっさんからするとありがたい話ではあるが、OL側からすればキモいんだろうな。そう思われることを含めクレイジーというわけだ。
そのような感覚は幻想であることをはっきり明言するために、ドラマでも映画でもラストではある趣向が凝らされる。ちゃんと落とし前を付けているのが潔い。
劇場版も続けて観たが、映画だから特別なことが起こるということは全くなく、ドラマの延長にある日常が綴られている。それがいいんだよね。


 

 

聖闘士星矢: Knights of the Zodiac(2019~2024)

言わずと知れた漫画「聖闘士星矢」の3DCGアニメ。
パート1で6話、パート2で6話、シーズン2「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac バトル・サンクチュアリ」で12話で計24話。
ABEMAやHuluなど、ちょっとずついろんな媒体で観ていた。

児童養護施設で暮らしていた少年・星矢は、姉の星華が謎の集団に襲われる。
姉はそこに割って入った黄金の鎧を着た男に連れ去られてしまった。
のちに、「聖闘士(セイント)になれば姉の居場所がわかる」と諭された星矢は、女性聖闘士・魔鈴の元で厳しい修行を積み、千人のライバルとの戦いを勝ち抜き、天馬星座(ペガサス)の聖闘士となった。
星矢と同じように、児童養護施設から世界各地へ飛び、修業を積んで聖闘士となった少年たち。彼らが守るアテナの化身・城戸沙織と、その命を狙う聖闘士の総本山・サンクチュアリの戦いの火ぶたが切って落とされるのだった。

大筋ではいわゆる「黄道十二宮編」が最初から最後までみっちりと描かれている。ただ、製作側の意図なのか何かの事情なのかは知らないが、だいぶ設定やストーリーは変更されており、一番大きいのはアンドロメダ瞬が女性になったことだろう。
これは制作発表当時から大きく批判されていたのでよく覚えている。いわゆるポリコレ配慮であり、原作ファンとしては単純に、他のキャストには何十年ぶりかで再会できたのに、あの時の男の子の瞬にだけは再会できなくなってしまったということが悲しいが、まあこれも時代の流れか。
どうせなら黄金(ゴールド)聖闘士の誰かを女性化すればよかったのに。アルデバランとか。
もっとも、原作のストーリーもだいぶ苦し紛れというかおかしなところはいっぱいあったので、そういうものを改めてスッキリさせたという意図もあるのだろう。
ストーリーのメインを張る青銅(ブロンズ)聖闘士はペガサス星矢・ドラゴン紫龍・キグナス氷河・アンドロメダ瞬・フェニックス一輝の5人だが、そのうらで活躍している(はずだが本編ではあまり描かれない)ユニコーン邪武・ライオネット蛮・ウルフ那智・ベアー檄・ヒドラ市ら、サブキャラ的青銅聖闘士たちが白銀(シルバー)聖闘士たちと必死に戦う様がしっかり描かれていて好感が持てる。シルバー聖闘士たちの聖衣の造形がかなりおおざっぱなのが残念ポイントだが・・・
あと、やたらとカメレオン ジュネが活躍していたのはなんでだ?女性活躍シーンを増やしたかったからだろうか。あんなに尺いらないよね。
なんだかんだ言いつつ、ゴールド聖闘士との死闘は見ごたえがあり大迫力。昔のアニメを今の技術でもっとすごい映像にしたい!という制作側の気持ちが伝わってきて感動した。
戦いで拳を交えているシーンもよいのだが、青銅(ブロンズ)聖闘士たちが一方的にやられて、それでも何度でも立ち上がってくる描写がよい。従前のアニメ版より本作の方がよく描かれているように感じた。こちら観る側が歳とったからというのもあるかもしれないが。
主題歌はなぁ。最初から世界へ向けて制作されているので仕方がないとはいえ、The Struts版はケレン味がありすぎて好みではない。やっぱりMAKE-UP版も聞きたかった。
ナレーションおよびレオ アイオリアの声優・田中秀幸氏はすごいな。現在73歳って。さすがに声には貫禄が出ているが、80年代のアニメと同じアテレコとナレーション。平伏するしかない。
もともと最初のアニメでは星矢が古谷徹だったが、その後「ハーデス冥界編」でキャストが一新され、本作に引き継がれている。もう今となっては星矢は森田成一なのだが、古谷徹版もよかった。というよりドラゴン紫龍の鈴置洋孝がよかった。まあその辺に触れ始めるときりがないやね。

おじさんの懐古趣味と言われてしまえばそれまでだが、こうして過去の名作が発掘され、最新の技術で今この時代に、豪華3DCGで観ることができるなんて、贅沢だなぁ。
叶うことならば、ポセイドン編とハーデス編もお願いします。

 

 

 

 

1日1分で腹が凹む(2019 植森美緒)

中年以降の男性諸氏であれば高確率でポッコリお腹に悩んでいることであろう。
僕もそうである。
それなりに毎日ウォーキングし、食事制限して、筋トレもまあまあ行っており、他の部位はそこそこ絞れてきているのに、お腹だけポッコリしてしまい凹まない。
なんでだろうなぁといろいろとググっている中で出会ったのがこの本。

ポッコリお腹の原因は、端的に言うと「腹横筋」が十分鍛えられていないから。
いわゆる腹筋運動的な筋トレは「腹直筋」や「腹斜筋」を鍛えるものばかりで、「腹横筋」を鍛える筋トレはない。
この筋肉は、お腹を意識的に凹ませる→そのままキープ→戻す、をやることでのみ鍛えられる。

というのが本書の主張。腹横筋を鍛えるためのお腹へこませメニューが手を変え品を変え提示されている。
一番基本的な動作としては、正しい姿勢でお腹を凹ませて30秒キープし休む、これを一日2回やれば十分鍛えられる、ということで「1日1分で腹が凹む」理屈である。
この「腹横筋」を効率的に鍛えるには、背中の可動域や筋肉も配慮する必要があり、一緒に鍛える、などの応用技もある。
寝た姿勢で、歩きながら、壁にもたれて、手を真上に上げて、などなど日常生活に取り入れやすいエクササイズがいろいろ提案されて、その気にさせてくれるのがうまい。

ただ、いろいろな点で断定的な物言いをされているものの、だいぶ主観に基づいている印象も見受けられるので、丸ごと受け入れるにはちょっと構えてしまう。
ある程度割り引いたとしても、「しばらくやってみようか」と思わせる内容には十分なっている。
ポッコリお腹を何とかしたいと切に願っているのであれば、ちょっと読んでみてもいいかもしれない。

 

 

敦煌(1989)

BSのレターボックス版で放映していたのでなんとなく観た。ネタバレ注意。

10世紀、北宋にて、科挙を受験した若者・趙行徳(佐藤浩市)は、試験で「西夏対策を論ぜよ」と問われ、答えられずに落ちてしまう。次の科挙は3年後であり、モチベーションは下がる一方であった。
そんな中、西夏出身という女性(三田佳子)に出会い、西に向かう行商について旅をする。しかし西夏漢人部隊にとらえられ、半ば無理やり兵士の一員とさせられてしまった。
西夏ウイグルと戦争を行った中で、趙行徳はウイグルの王女・ツルピア(中川安奈)と出会い恋に落ちてしまう。しかしそんな二人を引き裂くかのように、漢人部隊の隊長・朱王礼(西田敏行)は趙行徳に対して「西夏の首都へ留学へ行け」と命ずる。1年で戻るとツルピアを朱王礼に託し、趙行徳は旅立つ。
しかし、西夏では領土拡大のための戦略として西夏文字の普及を行っており、趙行徳は容易に帰ることはできなかった。約束の帰還を大幅に超過して趙行徳が戻った時には、ツルピアは西夏の皇太子・李元昊渡瀬恒彦)に、ウイグル攻略の糸口として見染められ、政略結婚させられることになっていた。
ツルピアは結婚すると見せかけ、式の途中で李元昊にナイフで襲い掛かり、失敗すると身投げをして自死してしまう。
趙行徳は愛するツルピアが目の前で死んだことで自暴自棄になり、敵へ突っ込み半死半生となったが、朱王礼は彼を敦煌へ赴かせ、そこで落ち合う約束をする。
それはいずれ行う李元昊への造反のためであった。
趙行徳は敦煌が東西の交易の要所であり、様々な文化の蓄積がなされていることに改めて気づかされるのであった。
そして、文化都市・敦煌を舞台にした戦いが始まろうとしていた・・・

原作は井上靖の同名小説。読んでいないので詳しくはわからないが、映画の筋だけに限って言うと、だいぶ行き当たりばったりというか、趙行徳も朱王礼も、だいぶ曖昧模糊としたなんとなくな感情だけで行動しているように見えてしまうのだが、まあこの話は敦煌で匿われていた文化遺産が日の目を見たことから想起された歴史ロマンなので、一人一人の事情などは些細なことである。
80年代とは思えない雄大・壮大な砂漠の光景が余すことなく映像化されていて、非常に見ごたえがある。
本作は日本アカデミー賞で7つの賞を取っているらしいのだが、最優秀主演男優賞が朱王礼の西田敏行なのはなぜ?主演じゃないよね。助演男優賞ならわかるが。
もしかして触れてはいけない話なのかな?怖いなぁ。

Wikiを見ると、これを映像化した徳間康快たちの長年にわたる製作背景もまたとても面白い。様々な関係者がこの作品の映像化に心を砕き、挫折し、奔走している。
中国当局の許可も難関で、手を尽くした結果、日中合作の形で何とかおさまったようだ。
ただ、製作費は中国当局に中間搾取され、撮影機材は「日中友好」の名の下に、全て接収されたそうな。ひぇ~。

機会があれば原作も読んでみようと思う。

 

 

三体 | Netflix(2024)

やっと観ることが叶ったNetflix版三体。全8話。

科学者たちの不可解な死や自殺が相次いで発生。
これらの関連を調べていた政府の調査員ダーシーは、これらに葉文潔という老齢の元科学者と、オックスフォード出身の仲間たち「オックスフォードファイブ」(オーギー・サラザール、ジャック・ルーニー、ジン・チュン、ソール・デュランド、ウィル・ダウニング)が関連していることを突き止める。
自殺した科学者のヴェラ・葉は葉文潔の娘であり、オックスフォードファイブはヴェラの生徒であった。ソールはヴェラの元で物理学者を続けていたが、行き詰まっており、学者をやめようと考えていた。
一方、葉文潔は若い頃、文化大革命で、大学教師であり物理学の師であった父親を粛清され、自身も山奥の奉仕活動に従事させられていたが、その学才を見込まれ、紅岸基地へ配属される。
そこでは宇宙人との交信を目的とした電波送信が行われており、その解析を任されたのであった。
一方、オーギーは目に映る謎のカウントダウンに悩まされる。謎の若い女性に「カウントダウンを止めたかったら仕事をストップしろ」と言われ、自身が立ち上げているナノ繊維の事業を停止させたところ、カウントダウンは止まった。
ジンは葉文潔から謎のゴーグルを譲り受け、かぶったところログインもなしに考えられないほど高度なVRゲームが始まる。事業が成功して大金持ちのジャックに打ち明け、このゲームを一緒に進めるが、レベルが上がったところでオフラインでの会合の通知が入る。
ウィルは学生のころからジンに片思いを続けているが、その気持ちはいまだに伝えていない。ジンが海軍の士官と付き合っているのを見守るだけであったが、そんな中ウィルはステージの進んだガンであることが判明する・・・

テンセント版では智子(ソフォン)計画が判明するまで30話かかったが、ネトフリ版ではさらにその先の面壁者(ウォールフェイサー)の話までを8話でまとめている。どういう離れ業を使ったのか前から気になっていたが、観てみてわかった。だいぶ改変しているな~。
テンセント版も原作そのままというわけではないが、大筋ではほぼ原作に忠実で、登場人物や主要なストーリーはほぼそのままなぞっている(文化大革命だけは詳細に触れられなかったようだが)。
ネトフリ版では主要なストーリーが全てイギリスに集約されており、登場人物たちは中国ではなくロンドンに在住している設定。
また、原作ではそれぞれのエピソードが多くの異なる登場人物によって綴られるのに対し、ネトフリ版ではほぼ「オックスフォードファイブ」がその役を担うことになる。
原作を知っていると「話を要約するためにこの人たちに役目を集約したんだな」と理解して観られるのだが、何も知らない人がこれを観ると、なんでこの5人にそんな世の中の大異変の関わりが集中しているのか意味が分からないだろう。
初見を最初から切り捨てているということでいいだろうか。思い切ったな~。
また、オーギーは中南米女性、ジンはアジア女性、ソールは黒人男性、ジャックとウィルが白人男性。ダーシーはアジア男性で、ジンの彼氏のラジはインド系男性。ポリコレ振り切ってるな~。今どきだねぇ。
ゲーム「三体」をプレイするためのゴーグルは遺跡から発掘された武具のようなたたずまいで、未来的でありながら同時に懐古的な風味もある。
ログインもいらずコード類もなく、充電や通信が行われる様子がないのにゲームはほぼ現実の超高度VRという潔さ。最初からこのゴーグルにも三体テクノロジーが使われている前提。
レーティングが16+だったが、「審判の日(ジャッジメント・デイ)」攻略は必然的にグロ映像になってしまうので仕方がないところ。テンセント版もえぐかったが、こちらはさらにキツくて、おっさんが観てもめまいがする。
葉文潔の人物像が、原作と比較するとだいぶ単純化されているところがちょっと気になるのだが、まあ仕方ないだろう。

観ていて改めて思ったのは、原作は確かに面白くて盛りだくさんなのだが、冗長な個所もいっぱいあって、読み進めるのが困難になるところもいっぱいある。それはテンセント版ドラマも同じ枷がはまっていて、見続けるのが辛くなるところが確かにあった。
ネトフリ版はそういっためんどくさいところを全て排するために、ストーリーの帳尻がギリギリ合う程度まで省略したり簡略化したりを極限まで追求することで、三体が持つエンターテイメント性を濃厚に凝縮したということだろう。
これはこれで一つの解釈であり、原作者とも綿密なミーティングを行ってこれに行きついたということなので、関係者が了承済みであればあとは面白ければよいのである。
続編制作が決定したようなので、続きがとても楽しみ。

 

www.netflix.com

エキストラ・バージン -世界一のオリーブオイル-(2019)

オリーブオイルに関するドキュメンタリー映画。Huluで見たがAmazonでもプライム公開されている。
そんなに詳しくはないがオリーブオイルは大好きで、パンを食べる時は必ずつけるしアヒージョもよく食べるので、前から興味は持っていた。

スペインのアンダルシア州ハエンは、オリーブオイル生産高世界一を誇っている。
この地域は古代フェニキア人によってオリーブが伝えられ、ローマ帝国へ属領としての税金としてオリーブオイルを収めており、大きな甕に入れて遠くローマまで運搬されていた。
当時は甕は非常に安価で持ち帰る手間賃の方がかさんだため、すべて現地で廃棄されており、その跡は貴重な遺跡になっている。
1000年以上の歴史を持つオリーブオイルの産出地ではあるが、長年の間この地のオリーブオイルで優先されたのは「量」であり、どれだけの量を生産できたかで関係者の懐が潤うかどうかが決まっていた。
現在ではオリーブオイルと言えば便で売られているが、つい20年前まではプラスチックのボトルに入れて売られており、それほど価値の高くないオイルの一種類としての地位しかなかった。
しかし、ハエンの若い生産者を中心として、ピクアル種という種類のオリーブを使い、質にこだわった究極のオリーブオイルを生み出していった。
また、料理界や流通業界もこの試みから食文化の広がりと価値の向上を追いかけるようになっていった。

イメージ的にはやはりオリーブオイルと言えばイタリアだと思うが、スペインのハエンが生産量世界一なのは全く知らなかった。
また、以前読んだピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの12カ月」でも取り上げられていたので、フランスでも作られているんだろうなくらいの知識しかもっていなかった。
ハエンでは6千万本のオリーブの木が植えられているそうな。とてつもない量である。
映像で観ても見渡す限り全部オリーブの木で、山も谷も全部オリーブ。なんというか異世界な風景であった。
生産されるうちほとんどが、最高品質のエクストラ・バージン、およびその次の品質のバージンになる。それ以外はランパンナと呼ばれ、食用には適さず灯り用の油として用いられたとのこと。
ランプ用の油ということでランパンナ。なるほど~。
オリーブの実が緑だったり黒だったりするのが以前から謎だったが、その点も説明されていた。黒は完熟の色で、従来はこの状態になった実を急いで収穫し、絞っていたとのこと。
しかし最近になって、この完熟の前の状態、まだ色は緑だが熟す直前の身を収穫する方が、劣化が遅く、味も十分に良くなっていることが分かったそうな。
劣化が遅いということはそれだけ作業に時間がかけられるということで、より商業ベースに乗せやすくなる。大規模農園に適した収穫方法なのだろう。
本作では生産者や加工工場の人などが、皆真剣かつ楽しそうにオリーブ栽培にかかわっており、観ていて非常にうらやましくなった。これだけ生涯の情熱を注ぎこめる仕事ってなかなかないよなぁ。
そしてその成果として、あのおいしそうな最高品質のオリーブオイルができるなんて素敵すぎる。
このピクアル種のオリーブオイル、一度も食べたことはないが(食べたとしても気づいていないが)、一度手に取って、バゲットにたっぷりつけて食べてみたい。

www.hulu.jp

エキストラ・バージン -世界一のオリーブオイル-(字幕版)

エキストラ・バージン -世界一のオリーブオイル-(字幕版)

  • スペイン・アンダルシアのオリーブ農家たち
Amazon

 

Kodi・iTunesプレイリストコンバータ

Amazon FireStickのアプリとそのアドオン。

FireStickを買ったのはプライムビデオ・Youtube・ABEMA・Huluなどが快適に視聴できる環境を手に入れたかったからだが、それ以外にいろいろできるのを後から知った。
例えば、スマホの画面をテレビに映し出すミラーリングは、昼間スマホで撮った画像や動画を改めて家族で観たい時などによく使う。

それ以上にありがたく使っているのがこのKodi。
これは同一ネットワーク上(自分のパソコンやNASなど)の動画や画像を視聴できるありがたいアプリで、他のアプリでは難しいTS(無劣化テレビ録画データ)ファイル再生時のシークができるので重宝している(VLCなどでもTS再生はできるがシークはできない)。
もっとも、これはFire OSの公式アプリではなく、Google PlayAndroidアプリ。
公式アプリはあまり種類がなく、使えるものも限られているが、Fire OSのベースはAndroidなので、FireタブレットやFireStickに力技で直接Androidアプリをインストールすることで使用する。
これができないアプリもあるが、できるアプリもいっぱいあるので、使えるものはありがたく使っていこうということで、あくまでも自己責任でご利用いただく系である。
スマホiPhoneタブレットiOSAndroid・Fire OS併用、FireStickはFire OSと日常生活の中でiOSAndroidを使い分けている身からすると、Androidのアプリは種類が豊富である反面、設定がうまくいかなかったり思ったように動かなかったりすることが多く、素人には扱いが難しく、玄人好みのイメージ。
ほぼほぼ素人の身としては悩ましいところだが、うまく使えれば便利なので、トライ&エラーを繰り返して使えた場合だけ使っている。

Kodiもその類で、最初インストールした時はローカルネットワーク上の自分のパソコンを認識させることすらできず難儀した。
ネットワーク上のファイルをSMBで共有しようとする際、なぜかKodiでは「Windowsネットワーク(SMB)」という入り口ではエラーとなり共有できず、「ネットワーク上の場所を追加」で利用する端末のIPアドレスを直指定しないと認識されないという罠に近い仕様になっていた。何度も試してネットでも検索しまくって、やっとつながった時は嬉しかったな~。
元々自分のパソコンには地上波&BSチューナーボードを入れてある。サラッと見る番組はテレビに接続したHDDレコーダーで録画して観るのだが、保存したい番組はパソコンでTSファイルとして録画しHDDに保存してある。
これらのファイルをFireStickからシークしながら視聴できるので非常に便利。
それでしばらく満足して使っていたのだが、そういえば以前買ったDVDはかさばるので全部ISOファイルにデータ化して円盤自体は全部捨ててしまっており、それもパソコンに保存してあることを思い出した。
これもKodiで観られるよなと思って再生しようとしたが、「1 つ以上のアイテムの再生に失敗しました。詳細についてはログ ファイルを確認してください」という無慈悲なメッセージが出て再生できない。
あれ?おかしいな。再生できるはずなのに。いろいろいじったがうまくいかない。
いっぱい試行錯誤を繰り返した結果、最新バージョン21(Omega)ではISOが再生できず、そのひとつ前のバージョン20(Nexus)なら再生できる、というところまでたどり着いた。たぶんこれが結論ではないのだが、最新バージョンは新機能を搭載している代わりにベータ版な要素も強く、不具合も多いので、Androidアプリではありがちな対処法。これに気が付くまで膨大な時間を費やしてしまった。
また、ちょっと前にサウンドバーを買って、それで音楽を聴くことが多くなったことから、「パソコン上のiTunesのプレイリストをKodiで再生できれば、サウンドバーで聞ける」という利用方法も思いついた。
サウンドバーはBluetooth接続できるので、スマホから直接再生もできるのだが、手持ちの曲全てを保存できるほどスマホ容量は多くないので、一部しか入れていない。
スマホiPhoneなので、欲しい曲はiTunesでポチっているし、手持ちのCDも全部iTunesで音源化して円盤はほとんど捨てたので、オーディオ関連はすべてパソコン上のiTunesで管理していることになる。
音楽ファイル1曲であればKodiで再生できるのは以前から知っていたのだが、プレイリストごとFireStick→Kodiで再生できたらBGMとして最高じゃないか。
ということで調べたところ、Kodiful Lifeというサイトで「iTunesプレイリストコンバータ」というアドオンが公開されていることを知った。
これなら思った通りのことができるかも、と思いさっそく導入。Kodiful Lifeさんありがとうございます。
iTunesからライブラリをパソコン上に保存し、それをこのアドオンで読み込んで、Kodi用のプレイリストを作成。
読み込んだら曲の一覧が出てきた。よしよし。
と思ったが、何度実行しても曲が再生されない。
あれ?どうして?
いろいろ試したがうまくいかず、よくわからないなりにKodiで生成されたプレイリストをテキストベースで読んでみたところ、曲の保存場所をドライブレター(C://~的なアレ)で指定していた。ネットワーク上のファイルを見に行っているのだから、ローカルなドライブレター指定ではうまく読むはずもない。
ということで、このアドオンの機能である「ファイルパスの変換」を使って、「SMB://ローカルIPアドレス/~」 に書き換えたところ、曲が再生できた。やった~!
ISO再生とオーディオプレイリスト再生を実現するため、今日の午後を全部使ってしまったが、それだけのことはあった。充実した休日の午後になった。

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