観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

平和という名の廃墟(2021 アーカディ・マーティーン)

アーカディ・マーティーンの「帝国という名の記憶」の続編。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞。盛大なネタバレ注意。

テイクスカラアンで、ルスエルの技術「イマゴマシン」と引き換えにルスエルの平和を勝ち取ったマヒート。
この騒動でテイクスカラアンは皇帝が変わり、マヒートは休暇のためルスエルに帰還していた。
しかし、ルスエルではマヒートのイマゴマシンに起こったイレギュラーが疑われており、それはマヒートからイマゴマシンが奪われることを意味していた。
この危機を乗り越えようと、あらゆるコネを使って対抗しようとするマヒート。
しかし、この世界ではイマゴマシンの安定がすべてに優先される。捕まって脳内のイマゴマシンを没収され、テイクスカラアン大使の地位を剥奪されることが目前に迫った時、テイクスカラアンでともに窮地を潜り抜けた盟友であるスリー・シーグラスが現れた。
現在テイクスカラアンは意思疎通ができない人間以外の知的生命体と戦闘状態に陥っており、そのコミュニケーション方法の確立及び交渉のため、情報省の役人としてスリー・シーグラスが抜擢された。
しかしスリー・シーグラスは、エイリアンとの会話を行う上で、異国のテイクスカラアンにおける困難を見事に乗り切ったマヒートの力が不可欠と判断し、密航を繰り返してルスエルへやってきたのだった。
結果的に危ない状況から救い出されたマヒートと、エイリアンとの交渉に対して何の確証も得られていないスリー・シーグラスは、艦隊司令官ナイン・ハイビスカスのもとへ出頭し、エイリアンとの邂逅を果たす・・・

前作が宮廷活劇であったのに比べ、本作の主題はファーストコンタクト。圧倒的な戦力と強力な酸を使ってテイクスカラアン軍を恐怖に陥れたエイリアンは、見た目からして人間とは全く異なる生命体で、聞くだけで吐き気を催す絶叫系のノイズで会話し、更には人間にうつると死に至る謎の真菌を有している。
手がかりがない中、どうにかしてエイリアンと惑星ベロア2で相まみえることになったマヒートとスリー・シーグラスは、そのノイズを手掛かりに理解できる単語を増やし、会話を試みる。
それとは別に、軍ではエイリアンの居住惑星を一つ見つけ出したことで、ここに惑星規模の爆弾を落とす計画が進行していく。
後継ぎとして生み出された、前皇帝の90%クローンであるエイト・アンチドートは、好奇心から軍事省に出入りするうちにこの事実に気が付き、エイリアンとは言え生命体であることに変わりはないと、その大量虐殺を防ぐために大胆な方法で挑んでいく。
この11歳の男の子に、皇帝に次ぐアクセス権がいろいろ与えられているのが非常に危険極まりないなぁ、と普段セキュリティにうるさい生活を送っている身からすると思うのだが、その危うさも相乗効果として機能しており、マヒートたちと対をなすストーリーの主軸として語られていくのが本作の面白さの一つ。
マヒートとスリー・シーグラスがエイリアンと会話を試みようとしている時点ですでに下巻の4分の1くらいを消化してしまっているので、どう決着をつけるのか注目していたのだが、結論から言うとこの二人の涙ぐましい努力はほぼ報われず、最後の最後でどんでん返しがあってあっさりと意思疎通に成功する。
本作で一番不満だったのがこの点。少しずつ理解できる単語を増やしていく系の言語SFを期待していたのだが、肩透かしを食らってしまった。意外性という意味では十分足りていたが、そっちか~。
最後畳みかけるように、このエイリアンとの意思疎通と、エイト・アンチドートの冒険と、マヒートのルスエルとの確執について、伏線が回収されていくのは爽快だったので、致し方なし。
作中でマヒートとスリー・シーグラスは女性同士のカップルが成立したはずなのだが、ラストは「その後、二人は仲良く暮らしました」とはならなそうな会話で締められている。
確かにマヒートはさんざんスリー・シーグラスを含むテイクスカラアン人たちから野蛮人扱いされていて、一緒になって終わったのではただの都合のいい女となってしまうため、自主独立に重きを置いたラストとなったのであろう。

一作目はスペースオペラと宮廷策謀とミステリが複雑に絡まり合いながらもうまく融合しており、状況を描写している文章を読むだけで読解力が試されるところが楽しかったが、本作ではそのベースが読者に理解された前提でのファーストコンタクトのストーリー展開であるため、前作とは違った脳の筋肉が試された感じがして、これはこれでよかった。


 

シークレットNGハウス(シーズン2 2026)

アマプラのオリジナルバラエティ。シーズン2を視聴。

シークレットNGハウスは、プレイヤーに何かやらせて、裏でMCがほくそ笑みながらお題を出していく形式。
「ドキュメンタル」「賞金1億円の人脈&人望バトル トモダチ100人よべるかな?」などがこの形式で、Amazonプライムでは定番のスタイルと言える。
他と異なるのは、そのお題が「それを言ったら・やったら減点」というNG行為である点。NGはひとつのステージで数個設定され、ステージが変わるとリセットされる。
「カタカナの言葉を使う」「さん付けで呼ぶ」「100以上の数字を言う」「店員に文句を言う」など。
ステージ中、NGは公表されず、誰が減点されたかも伝えられず、ただただ今この瞬間にNGが何人発生した、と言うことだけがアナウンスされる。
プレイヤーたちはどの行動がNGで、誰が何点減点されているかを推理する。
他のゲストが勝手に自滅していくから自分は黙っていようと考えがちだが、そこはうまくできており、会話やゲームに参加しないだけで警告が与えられ、それが累積すると減点になるため、プレイヤーは積極的に場に関わりつつNGを予想して回避し、他者にNGを踏ませるように知恵と工夫を凝らす。
最初8人のプレイヤーがいるが、ステージ毎に減点数が公表され、そのステージで一番マイナスが多い1人ないし2人が退場させられ、最後の一人が勝者となる。

セットや映像などでお金もかかっていないし、非常にシンプルなルールのゲームなのだが、その知恵比べ、だまし合いが非常に面白い。
頭のいい人が考えたのだなと思わせる秀逸な構造になっており、優秀なスタッフを結集させることにAmazonマネーが費やされたのだなと強く実感する。
シーズン1も相当面白かったのだが、シーズン2はNGの設定が更に巧妙・絶妙になり、面白さが倍増した。
また、佐藤健の出演が非常にサプライズだった。出てくれただけで「バラエティに出てくれるんだ」という純粋な感動があるのに、彼のNG予想は神がかっており、その卓越した推理力でNGを回避しながら、愚痴や冷やかしなどは一切言わず、ゲームをいち早く理解して盛り上げてくれる。
バラエティなので、ある程度演出が入っているとは思うが、彼の素が何割かでもここに出ているのだとしたら、神は一体彼にいくつの物(ブツ)を与えたのだと思うくらいクレバーであり紳士でありもちろんイケメン。
そうかと思うと本田翼はNG予想がさっぱり当たらず打たれっぱなしなのに、ギャンブルに出ると神がかった引きの強さを見せたりする。
ルールによる面白さだけではなく、プレイヤーそれぞれが持つ個性が引き出されるところも本作の魅力の一つ。
終盤、人数が絞られていくと必然的にNGの殴り合い的な様相を呈していく。それが大迫力で見ごたえがある。
是非シーズン3が観たい。


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ブラッシュアップライフ(2023)

バカリズム脚本のドラマ。ネトフリで観た。ほぼネタバレなので、これから観る予定のある方は観た後にお読みください。

麻美(安藤サクラ)は地元の市役所で働くOL。お昼休みは同僚たちと上司の悪口を言って盛り上がり、休みの日は地元の同級生と会って旧交を温める、ごく平凡な人間だった。
しかし、33歳で車にはねられて死亡する。
気が付くと、真っ白で何もない空間。カウンターのようなところに地味な男(バカリズム)が座っていた。
「33年間、お疲れさまでした」
と言った男は、麻美に次の人生を案内するが、それは人間ではなく動物だった。
生前に積んだ徳の高さで、次の生まれ変わる生物が決まるとのこと。
ただ、もう一度自分の人生をやり直せば、徳を積み直せるという男の話を聞き、麻美は自分の人生をやり直す決意を固める。
そして麻美は、再び0歳として誕生する。それまでの記憶を持ったまま・・・

生前の記憶を持っていけるというのが唯一にして最大の武器となる。
結局麻美は5回同じ人生を生きることになるが、記憶だけは増えていくため、市役所職員→薬剤師→テレビ局AP→研究医→パイロットと、後半は知識がものをいう専門職になり、危機を乗り越えようとする。
最初の4回は徳を積むことが主目的だったが、最後は友人たちの命を救うための職業であり、行動に出る。
時間をさかのぼって同じ時を繰り返すという題材は昔からポピュラーで、古くはSF小説の定番の設定で、ハインラインの「時の門」が有名。映像作品でもいろいろあり、ぱっと思いつくだけでも「ドラえもん」「ターミネーター」「テネット」「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」「リバー、流れないでよ」「Re:ゼロから始める異世界生活」などなど。
しかし、本作が画期的なのは、誕生からやり直さなければならないということで、考えただけでめんどくさすぎて、その大変さで話に迫力が生まれるという稀有な構造になっている。
更に、毎回徳を積むためのミッションが発生するので、繰り返すほど規定のミッションが増えていき、その時その時の状況が複雑に絡み合い、それらを駆使してクリアしていくのが本作の醍醐味となっている。
また、生まれ変わっているのが自分だけではないというところもポイント。
4周目で仲良くなった真里(水川あさみ)や、市役所の後輩だった美奈子(三浦透子)、ちょっとだけ出てくる高城(浅野忠信)など、複数の人間が生まれ変わっていて、より話に深みを与えている。
細かいことを言うと、それぞれがそれぞれのタイミングで生まれ変わっているので、生まれ変わった時間線を、それぞれが1回ずつ生まれ変わり回数を積み上げて共有しているのは、あれ?と思った。麻美にとっての5回目が真里にとっての1回目になっていてもおかしくないのだが、どちらも一緒に回数を積み上げている。まあその辺はストーリー重視なので仕方ない。
新生児期にすでに大人の知識と意識があるというのはどんな気持ちなのだろうか。お話はのほほんと進んでいくが、相当ストレス度が高そう。ずっと話をしなかったり考えなかったりしたらドンドン忘れてしまいそうな気もする。思考訓練と言うか、考え続けることをやめないたゆまぬ努力によってキープされていると思われる。
あれだけ記憶が増えていって脳みそがパンクしないのだろうか。ちょっと怖い。
終盤では百数十年を生きていることになる。悟りでも開いてしまいそうな悠久の時間であり、スケールの大きな話である。
終盤、麻美たちが年老いて、真っ白な建物の中でフリーザが乗ってそうな宙に浮く椅子のようなものでフワフワ移動しているあたりが、昔のSFへのリスペクトが感じられてよかった。
大ラスのオチは、麻美が98歳で生涯を閉じて、別の生き物に生まれ変わった時点で、妹の遥が老人とは言えまだ元気そうな歳に見えたのが、ちょっと年齢が合っていないかなと思ったが、その生まれ変わりも時間を遡っていれば理屈は通る。そういう考察も楽しいドラマであった。
大作であり名作。バカリズムはやっぱりすごい。
AIに聞いたら「バカリズム脚本のドラマには、同じ俳優や「バカリズム組」とも呼ばれる常連キャストが多数起用されるのが特徴です」とのこと。今まで時系列はばらばらだが「住住」「架空OL日記」「ホットスポット」「ブラッシュアップライフ」と観てきて、確かにその通りだと思うし、仲がよさそうでほっこりする。
別のドラマで見た役者さんが出ると「いよっ!」と声をかけたくなる。その点でもバカリズム脚本ドラマは観ていて楽しい。

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地獄に堕ちるわよ(2026)

大変話題になっているネトフリのドラマ。ネタバレ注意。

テレビや出版した本が大変話題になり、一躍時の人となった占い師・細木数子。
彼女の本を書くべく、シングルマザーの若手作家・魚澄が編集と取材に赴き、細木の半生を追っていく。
幼少期、戦後の焼け跡でいつもお腹を空かせていた数子は、母親が騙されて買わされた偽のビールを、別の人間にビールとして売りつけようとしてバレてしまい、だましだまされることの容赦のなさを身をもって体験する。
したたかな女性として成長した数子は、年齢を偽って高校生ながら夜の蝶としてホステスデビューする。
あっという間にナンバーワンにのし上がるが、他の嬢からの嫌がらせ、ボーイとの恋路と裏切りを経て、苦い経験を積みながら出資者に恵まれ、自分の店を持ち、それを増やしていく。
会社の上司から連れられてきて、あっという間に数子のとりこになってしまった地方の土地持ちのボンボンを見事射止めた数子は嫁入りを果たすが、旧家の風習にはなじめず、1週間で夜の世界へ戻ってくる。
女性に鼻の下を伸ばす男性たちから金を巻き上げながら、もう二度と男には騙されないと油断なく振舞うものの、そこにはさらに巧妙な罠がしかけられ、数子を陥れていく・・・

事実を元にしたフィクションとのこと。
しかし、観る人は皆細木数子の伝記と思って観るだろう。正直どこが事実でどこがフィクションなのか判然としないが、大変ワクワクしながら観ることができたのでよし。
以下、フィクションかもしれない前提。
細木数子がそもそもは夜の世界から始まっていたということを全く知らず、へえ~の連発。
ググってみたが確かに若い頃はとても美しい。テレビに出ていた頃の迫力のある形相からは想像もできないほど。
更にヤクザとだいぶ密接な関係にあり、時には騙され利用されて、時には愛し合い共に歩むやりとりがあったようだ。地上波ではできないなこの話。
やっぱり美人は得だよなぁと思うが、美人であるメリットを活用する以上に金や権力を求めてしまい落とし穴に落ちる、を繰り返している。この物語でもたびたび触れられている細木数子の欲深さが、彼女をより振れ幅の大きい方へ連れて行ってしまう。
そこそこで満足しておけばいいのにと思うが、美しく頭のよい人間はそこそこでは満足できないのだろう。
その後、ひょんなことで島倉千代子のマネジメントを行うことになる。これは史実であり有名な話らしいのだが、初めて知った。
占い師より先にそっちで世に出たのか。それをあらかじめ知っていたらなお趣深かったろうなぁ。
そのエピソードのあたりから、細木数子が魚澄に語った話と、細木の弟やヤクザの子分が語った話に食い違いが起きる。
その食い違いが整理されないまま話が進んでいくので、じゃあ今までの話これからの話も全部嘘?という余韻が残る。演出の想定通り?
歌手のマネジメントもうまくいかず最終的には占い師としてのし上がっていくが、その手法もえげつなくて見事と言うほかない。潔い悪者だなぁ。
こういう欲の深い人はたいてい最後の最後にお天道様からの罰を受けて終わるのが世の常だが、彼女はそうはならず、最後のナレーションによると「全てを手に入れた」で終わる。
これだけ山あり谷ありの人生、普通の感覚であればメンタルが持たないのだが、強靭で不屈の精神が備わっている場合は話は別。美貌と頭脳と胆力を全部兼ね備えた人間だけが全てを手に入れられる。細木数子はとてもわかりやすい教訓を示してくれた。

また、あまりにもいっぱい言われているので今さらもいいところなのだが、戸田恵梨香の演技がものすごい。
どうしてもテレビに出ていたころの鬼瓦のような大きな顔をした細木数子と比べてしまうので、似ていないと思ってしまうのだが、若くて美人だったころの基準に考えるとこれくらい美人の女優さんでないと説得力がない。
そのまま年を経てしまうとただ似ていないだけで終わるところ、戸田恵梨香の演技力でちゃんと迫力のあるヴィランの顔になっているのが素晴らしかった。
あと、島倉千代子役の三浦透子もしっかりすごい。演技もそうだが歌も本当にうまくて、ちょっとしか出ないのが非常にもったいない。島倉千代子物語を彼女でやってほしいほど。島倉千代子自体にはあまり興味がないので、観るかどうかわからないけど。
伊藤沙莉演じる魚澄は、貧乏なシングルマザーとして、文章で一発当てようとこの取材に意気込むものの、細木の生き方に反発を覚えていることを隠そうともしないが、それを細木に面白がられて気に入られる。
まあまあ魚澄のシーンは多く出てくるのだが、彼女が最後どうなったのか詳細は描かれず終わっている。そこももうちょっと知りたかった。本筋ではないので仕方がないが。
こうしてみると、本作は女性たちが社会の中でもがきつつも活躍する物語であった。

 

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真アギト展

仮面ライダーアギト25周年で行われた展示イベント。
劇場版を見る前、ゴールデンウィーク中に行った。
少し間が空いてしまったが、覚書を残す。

仮面ライダーアギトについては、5年前だが以下に書いたのでご参照のほど。

giccho.hateblo.jp最近行ってきた劇場版については下記。

giccho.hateblo.jp

前回の超クウガ展は東京ドームシティだったが、今回は池袋サンシャインシティ。
うちから行きやすいのでありがたい。
クウガ展の時は自分が何時ごろ行けるかわからなかったのでフリータイムに行って大変過酷な混雑に見舞われた。
今回はその教訓を生かして日時指定チケットを取り、ゴールデンウィークの休みの日に行った。
ただ、まったく並ばないというわけにはいかず、日時指定チケットを持った人たちが入場前の整列のために30分以上並ぶという状態。でもこれは致し方ない。
午前10時開始直後のチケットで入ったのだが、あっという間に会場内は大混雑。
ただ、クウガ展の時のようにモニターが一つしかなくてそこから人が動かなくなり、通路が封鎖されて先に進めなくなる、のような混乱はなく、複数の大小モニターが用意されていてあちこちから見やすくなっていたり、そもそもモニターを超大画面にしてあちこちから見やすくしたりという改善がされていて、ストレスなく見進めることができた。
お目当てはやはり等身大の像。人形がだいぶ細身だった。実際に使われていたスーツを着せているというわけではなく、材質が本物と同等の等身大フィギュアであるように見えたが、詳しくないので本物にしか見えない。
目の前でアギトが、ギルスが、G3-Xがたたずんでいるのを見ると胸が熱くなってくる。何度この作品を見てもワクワクが止まらないのに、ほぼ実物が目の前にいたら顔が真っ赤にほてってしまうというものである。
撮影不可のものはマークが付けられていて、それ以外は静止画であれば撮影可となっている。きっちり確認して撮影しつつ、一つ一つじっくり見ていく。
別料金で付けられるオプションの音声案内は2パターン、賀集利樹版と要潤版があり、賀集さんを選択。当時のお話を含めて、あの癒しボイスで案内してもらい満足度が高かった。
クウガ展の時、いろいろな用事をこなした後に訪れたことでスマホの電池がなくなってしまい、後半の写真が撮れず、音声案内も聞けなくなったという痛恨のミスを犯したため、その教訓を生かしてスマホは満充電、入場は朝一、モバイルバッテリ持参、ヘッドホン2種類用意という万全の態勢で挑んだため、心置きなく写真を撮って音声を聞くことができた。
今回は設定資料集や台本的なものはだいぶ整理されていて、小道具的なものの展示の割合が多いように感じた。クウガの時は書き物があるとそこで皆じっくり読み入ってしまって列が進まなくなってしまっていたので、改善されたようだ。
今回唯一残念だったのは、北条透が超能力で巻かれていた建設工事現場の黄色と黒の薄い鉄板や、G3ユニットのトレーラーが用意されていたものの、どちらもぼっちだとセットに入って写真が撮れないという点。仕方ないけど。
友達同士やカップルできている人が多くてすごくうらやましかった。誰かに声をかけて撮ってもらえばよかったのだが、ただでさえ手のひら多汗症で、更に興奮してスマホもベトベトになっているので、とても他の人に触らせることができなくて断念した。まあでも、自撮りしたので雰囲気は残せるだろう。
最後の方にあった劇場版のG6とG7は質感がピカピカしていて、顔がちょっとスリムだった。映画を観てから行けばよかったなぁ。
一番最後に感動の動画が流れており、皆心の中で(たぶん)感涙にむせびながら観覧していた。いやあ、よかったなぁ。
退場口のすぐ外がグッズ売り場。日時指定ということもあり、待ち時間ゼロで入れた。クウガの時はグッズを買うだけで40分並んだので、ひたすらありがたい。
たっぷり時間をかけて吟味を重ね、
・アギト・ギルス・G3-Xのキーホルダー一つずつ
・マーク入り野球帽
・アギトマーク入りキーストラップ
・アギト・ギルス・G3-Xのクリアファイル一つずつ
・公式図録
を購入。計約1万8千円。
クウガ展の時に財布の紐を縛り過ぎて、あれも買えばよかったこれも買えばよかったと後からとても後悔した。その反省を踏まえて買ったが、まだまだだいぶ我慢した方。
キーホルダーをPCラックにぶら下げて、我ながらご満悦である。

agito25th.com

シティーハンター(2024)

ネトフリの実写映画。
冴羽獠は新宿・歌舞伎町をホームとする裏社会のスイーパー(掃除屋)。
相棒の槇村と共に、掲示板に「XYZ」の書き込みがあればどんな依頼もこなす。
ある女性から妹を探してほしいとの依頼を受け、反社に拉致されている妹・くるみを助けようとしたところ、驚異的な運動能力でくるみに逃げられてしまう。
その夜、槇村は久しぶりに妹の香と食事を楽しんでいたが、突如襲撃を受け、冴羽の助けも空しく殺されてしまう。
香は兄の敵を討つべく、冴羽に真相を教えてほしいと頼み込むが、槇村から今際の際に「香を頼む」と告げられ、彼女を危険にさらしたくない冴羽はそれを固持。
しかし熱心な香に根負けし、身体能力を劇的に向上させる薬を巡る陰謀を解明していく。

言わずと知れたジャンプ黄金期の名作。当時はオンタイムで週刊少年ジャンプで愛読していた。
北条司はキャッツアイから入ったが、当時小中学生だったので女性が主人公のマンガはとっつきにくくて、男性主人公のシティハンターがすっと馴染んできたのを思い出す。
アニメももちろん見ていて、オープニングの小比類巻かほるもエンディングのTM NETWORKもかっこよ~と観ていた。
原作とアニメではギャグの比率が変わっており、アニメの方がギャグ成分多めだったのが当時少し鼻についていたのだが、本作はそのバランスがちょうどいい絶妙なところで抑えられているので、当時同じ葛藤を持っていた人が作っているなと感じた。
鈴木亮平は変態仮面しかり、俺物語しかり、原作物をやるとものすごい勢いで寄せていくのでいつも感心して観ているのだが、この冴羽獠も大変な寄せ方で見ていてほれぼれする。もう40歳を超えているというのに、格闘シーンも撃ち合いのシーンも華麗にこなしつつ、見た目まだ若そうな冴羽のイメージをキープしていてすごい。
香や冴子がイメージより華奢なのだが、北条司の女性キャラは全員グラマラスなので仕方のないところ。むしろ北条キャラの同系統の美人を持ってきていてキャスティングも頑張っているなぁと思った。
実写化はこれよりだいぶ前にフランスのニッキー・ラーソンを観ており、物凄い原作愛に圧倒された覚えがあるので、あれを越えるのは大変だろうと思いつつ鑑賞したのだが、さすが本国、軽々と上回ってきた。
そもそも槇村をしっかりストーリーに絡ませているところが通好み。香と冴羽の出会いをメインストーリーにしているところも好感が持てる。
Wikiを読んで思い出したが、そう言えばエンジェルダストという麻薬の話があったな~。あれがベースになっているから原作感が強いのか。
コミックの冴羽は気軽に銃をバンバン撃っているイメージしかなかったのだが、本作で地下の射撃場を細かく描写してくれたのはよかった。あれくらいの設備がないと、たとえ裏稼業とは言え、日本では非合法な銃を気軽に扱えるはずもない。
来年には続編も公開されるとのことだし、香役の森田望智は2027年前半のNHK朝の連続テレビ小説で、バカリズム脚本で主演とのことで、いずれも興味深い。
ここまで書いて思ったが「獠」じゃなくて「冴羽」なんだよな~。冴羽!

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翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜(2023)

アマプラで観た。

未開の地・埼玉では、東京へ南下して向かう路線がいくつもあるのに、東西を結ぶ路線が存在せず、路線間の仲は険悪であった。
埼玉解放戦線で日本埼玉化計画を堅実に進めていたリーダーの麻美麗と壇ノ浦百美は、埼玉の団結力を高めるために、越谷に和歌山の白浜から砂を運んで海を作る計画を打ち立てる。
麻美麗一行は千葉から船で和歌山に向かうも、嵐に遭い難破。海岸に打ち上げられた麻美麗が出会ったのは、滋賀解放戦線のリーダーである桔梗魁であった。
しかし、その海岸は大阪が率いる関西連合によって管理されており、麻美麗と桔梗魁は滋賀へ落ちのびる。
関西は大阪府知事・嘉祥寺晃とその妻である神戸市長、および京都市長によって支配されており、滋賀・和歌山・奈良は被支配民として虐げられていた。
麻美麗と桔梗魁は、滋賀・和歌山・奈良連合軍を結成し、捕らえられていた埼玉県人たちを含め、嘉祥寺晃と対決する・・・

大人たちが盛大なバカをやっており、その潔さが楽しい。
ベタで定番で悪趣味なものは、みんな避けてはいるけど実際は鉄板で面白くて、本作もそんなネタが詰め込まれている。
そもそも悪役の親玉として片岡愛之助と藤原紀香がいる時点ですごく面白い。よくキャスティングできたな~。
第一作で一番笑ったのがTHE ALFEE・高見沢俊彦の幟(のぼり)が上がったところだったのだが、今作の同じシーンは菅田将暉。使い方がうまい。
桔梗魁役の杏がキレッキレですごく面白い。男装の麗人と言っていたような気もするのだが、設定上は男のようでもあり、だいぶカオス。
昔の少女漫画や宝塚的な、くるっと回って抱きしめ抱きしめられナナメ目線でお互い見つめ合う、みたいなシーンがまったりとしつこくてよい。
関西の都道府県別ディスり度合いはよく知らなかったのだが、やはり大阪や京都、兵庫が強くて、奈良や和歌山、滋賀などは田舎扱いされているっぽいことが改めて知れてよかった。どこにでもあるのだなぁそういうやつ。
この物語をラジオで聞いている現代の埼玉の人たち、というメタ設定は今作でも引き続き採用されており、大宮と浦和の仲の悪さをうまいこと取り上げていた。
恐らく原作の漫画が出たころは、「埼玉をディスるなんてひどい。でも面白い」という視点だったと思うが、今どきは「擦られれば擦られるだけありがたい」なので、いくらでもやりたい放題した方が皆ハッピーになれる、お手本のような映画であった。