観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

勇気爆発バーンブレイバーン(2024)

2024年冬アニメとして大きな話題を呼んだ。毎回楽しく観ていたがとうとう終わってしまった。終盤以外のネタバレあり。

軍隊で日常的に人型のロボット兵器、ティタノストライドが運用されている時代、ハワイ・オワフ島で軍事演習が行われていたが、その最中に正体不明の侵略者・デスドライヴズが飛来し、周囲を無差別に攻撃し始めた。
人類は必死に応戦するが、バリアに阻まれ攻撃が全く届かず、壊滅状態となる。
陸上自衛隊自衛隊ティタノストライドパイロット、イサミ・アオも必死に戦うが、応戦むなしく危機に陥る。その時、人型の巨大ロボが目の前に現れ、自分に乗れと言う。
イサミが搭乗したロボットはブレイバーンと名乗り、デスドライブを圧倒し撃退することに成功する。
しかし、ブレイバーンは初めて会ったイサミの名前を最初から知っており、イサミに対し気味が悪いほどの愛情を隠そうともしない。そんなブレイバーンへの恐怖心と猜疑心で心を閉ざすイサミだったが、スミスを始めとする同僚たちの説得や感謝により、ブレイバーンと共に戦うことを決意する。
デスドライヴズはオワフ以外にも世界中に侵攻しており、自衛隊アメリカ軍を中心とした軍事作戦が開始され、まず東京を開放すべく戦いを開始する。
その中で、ブレイバーンはデスドライヴズの幹部・クピリダスを倒した他、もう一人の幹部・スペルビアを捕獲する。
スペルビアとの会話により、デスドライヴズたちがそれぞれのもっとも最上とする死を迎えるために戦っていること、そしてルルと呼ばれる少女型の生体ユニットを体内に取り込むことでエネルギーを抽出し活動源としていることが明らかになった。スペルビアは一度ハワイでブレイバーンと戦った際に敗れ、ルルを排出しており、それをアメリカ軍のルイス・スミスが救出し、保護していた。本来ルルには自我はないが、ルイスの助けにより育てられたルルは人間らしい心や言葉を得ていた。
東京解放後の戦いで現れたデスドライヴズ、クーヌス・ヴァニタス・ペシミズム。ブレイバーンはヴァニタスとペシミズムの2体と対峙するが苦戦を余儀なくされる。一方、クーヌスと戦っていたルイス・スミスの命が尽きようとしていた・・・

最初の方では「アルドノア・ゼロ」のような地味なリアルロボット系の話だと思って観ていたのだが、よくしゃべり口も動く巨大ロボが出てきて大いに戸惑った。この口や顔の表情が動く系のロボットはおそらく「勇者シリーズ」と呼ばれていた1990年代初頭から始まった一連のシリーズがモチーフになっていると思うが、その頃はもういい大人だったのでほとんど見ておらず、知っていたらいろいろなお約束が理解できていたろうになぁとちょっと悔やまれる。
ブレイバーンはあまりにも流暢にしゃべり、イサミに対してものすごく強い友情というか愛情というか執着というか、バグった距離感の近さを見せるのが正直キモい。こいつは将来裏切りそうだなぁと思わせる緊張感があってよかった。
また、ブレイバーンが戦う時には「ババーンと推参!バーンブレイバーン」という主題歌が流れるのだが、これは演出上だけではなく実際にブレイバーンの周囲に聞こえている設定であり、コックピットにいるイサミにも聞こえているというのがうんざり感があってよい。
愛の押し売りにおおいに辟易するアオ・イサミだが、同僚のアメリカ軍兵士であるルイス・スミスはヒーローに憧れて軍隊に入ったこともあり、イサミの立場をうらやんでいて、ブレイバーンに「自分を乗せてくれ」と懇願するが、「生理的に無理」と断られている。
仮面ライダー555のベルトよろしく、ロボットに搭乗するための何らかの条件があるのではと思わせるくだりである。
戦いを重ねていく中で、ブレイバーンはただキモいだけではなく、信頼や友情、正義について真面目に熱くイサミに問いかけてくれており、それはイサミの成長につながっていく。二人の信頼関係は徐々に、だが確実に強くなっていくのだが、それが当初の「こいつ大丈夫?」という緊張感と相まって先を早く観たくなってしまう。
終盤の怒涛の伏線回収はすさまじいものがあり、あれはこういうことだったか、それはここを指していたのか、という謎がドンドン解き明かされていく。ものすごく気持ちいい~!久々に巨大なカタルシスが得られるアニメを観ることができて感無量である。
本当によくできた話だったし、それ以上に強いパッションが感じられる魂のこもった作品だった。
そして観終わった直後「ババーンと推参!バーンブレイバーン」をポチってしまった。何度も聞いてカラオケで歌うぞ!