観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2023)

アマプラでトップページに出ていたので観た。テレビ版は一切見ていない。

東京都直轄の、大型車で救命室を丸ごと移動して救命活動を行う組織TOKYO MER。
チーフドクター・喜多見の熱血過ぎる方針によって、関係各所から批判と波紋を呼びつつ、今日も精力的に活動を続けている。
横浜ランドマークタワーで火災が発生。TOKYO MERにも出動指示が下る。
しかし、そこには厚労省直轄のエリート集団、YOKOHAMA MERのメンバーも駆けつけており、協同活動を申し出る喜多見に対し、YOKOHAMA MERのリーダー鴨居チーフはそれを拒否する。
救命活動の方針にも意見の食い違いがあり、現場へ急行するべきと主張する喜多見に対し、医師が危険を冒してはならないとする鴨居。
そんな中、爆発は連鎖的に上層階へ向かい、最上階の避難者の中に重傷者が出始める。更には喜多見の妻・千晶が身重の体で最上階に取り残されていることが判明。TOKYO MERは東京消防庁のレスキュー隊と共に徒歩で階段を上がり、途中の火災を乗り越えて、最上階にたどり着く。
救護活動を行った後、重傷者をタンカで抱え、避難者と共に階段を降り避難を開始するが、途中で火災・爆発が発生し、喜多見と千晶が取り残される・・・

とにかく映像がすごい。横浜出身なのでランドマークタワーにはなじみがあり、ここはこうなっていたのか的な裏側がいっぱい見られてありがたく、それ以上にCGやセットを駆使した火災現場の迫力が満点。
そしてトレーラー型の救命室がとにかくスケールが大きくて、オープニングでいきなり走行しながらオペをやってしまうシーンから始まるので、グッと心を掴まれてしまった。これはすごそうだ~!
そしてその期待は裏切られることなく、怒涛のストーリー展開が続いて飽きさせず、最後まで疾走感が途切れないのは見ごたえがあった。
ただ、テレビシリーズを観ていないというハンデがいかんともしがたい。もちろん見ていなかった僕が悪いのだが。
映画だけだと喜多見さんがいつも「ですよね!」とニコニコしつつどうにも身勝手な行動で周りに迷惑をかけているように見えてしまう。
時々佐藤栞ちゃんの「亡くなった妹」シーンが入り、おそらくそのエピソードが喜多見さんの行動原理なのだと推測はされるが、短いシーンなので他人事感が否めない。テレビ見ていたら共感度が高いのだろうなぁ。
また、鴨居さんが非協力的過ぎて辛かった。もうちょっと大人の連携してほしかったな~。
ただ、やはり杏さんは美人できりっとしていて、リーダー然としていてとてもよかった。
喜多見さんの再婚相手である千晶こと仲里依紗がまた気が強くて、喜多見さんを尻に敷きまくっているのだが、医師同士の結婚となると「仕事が大変なんだよ」という言い訳も通用しないわけで、仕事に耽溺しがちな喜多見さんとしてはやりづらそうであり、またそれが見どころでもある。ググったらこの二人、離婚して再婚しているのか。味わい深いですなぁ。
クライマックスで千晶が喜多見へ行う提案はエグすぎると思った。魅せるな~。
並列して政治的な駆け引きが盛り込まれているのも興味深い。クールで熱い音羽賀来賢人や、裏でコソコソと糸を引く久我山=鶴見慎吾がいい味を出している。石田ゆり子都知事はちゃんとかわいさも盛り込んでおりよかった。