観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

カムイ外伝(2009)

年始のTV映画で視聴。漫画は読んだことがないので、ストーリー含め初見。ネタバレ注意。

貧乏底辺の生まれで忍びの者になるしか道のなかったカムイ。その宿命に嫌気が差し、抜け忍となって逃亡するが、追い忍による執拗な追手は途絶えることがなく、彼らと戦い続けるカムイに安息の時はない。
ある日カムイは、領主の馬の脚を斧で叩き切って盗み逃げた漁師・半兵衛を行き掛かりで助け、鄙びた漁村で彼の家族と暮らすことになった。半兵衛の妻・お鹿は抜け忍であり、幼いころのカムイが一戦交えたスガルであった。彼女は最初カムイに心を開こうとせず、自らの守る家族のためカムイを殺害しようとするが、カムイが同じ抜け忍であることを知り、彼の命を狙うのをやめる。
一方、領主は自らの愛馬の脚を切って盗んだ者の人相書きを街に広め、犯人を割り出そうとしていた。半兵衛の娘に横恋慕していた若者によって告げ口され、半兵衛一家は漁村を出奔し、離島を目指す。離島の人々に温かく迎えられた一家はそこで暮らし始める。

一家が離党の村に定着してしばらくたったある頃、鮫狩りの一派「渡り衆」がやってきて・・・

最初の方ではいわゆる抜け忍カムイと追い忍たちの戦いが次々に描かれ、息つく暇もないアクションシーンの連続で見ごたえがある。ワイヤーアクションとCGが上手く使われていて、松山ケンイチの藪にらみ演技も演出に華を添える。
そのまま逃げていくカムイが描かれるのかと思いきや、漁村で日常的な生活を送るカムイが描かれており、ちょっと意外だった。だいぶ原作に忠実なようなのだが、ずっと逃げたり戦ったりの連続を無意識に期待してしまったらしい。まあ、そういう貧困なイメージしかもってなかったもんなぁ。
実際は、一般的な市井の人々の生活を知ったカムイの成長や挫折を描くために必要な描写、ということなのだろう。
それにしても餌木を作りたいからと言って、殿様の馬の脚をわざわざ狙うかね。イノシシか鹿を狩った方がどう考えても合理的なのだが、自分から問題を大きくしにいっているようにしか見えず、「はて?」となってしまった。
「渡り衆」は物語後半の重要なキーになるが、いろいろと心地よい感じを醸しておいてからの「やっぱりそうですよね~」感があってよかった。やっぱりこうでないとなぁ。

あとから調べて「カムイ伝」と「カムイ外伝」が別物であることを知り、びっくりした。カムイは「カムイ伝」に出てくる登場人物の一人であり、「カムイ外伝」はスピンオフだったのか。「カムイ伝」も「カムイ外伝」も漫画を読んでみたくなった。
あと、松山ケンイチ小雪はこの映画で出会って交際、結婚したとのことでなれそめ作品でもある。この映画の中でも小雪はあまりにも美しすぎて漁民らしくなく浮いて見えるもんなぁ。そりゃ惚れるわ。