観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

牙狼〈GARO〉-GOLDSTORM- 翔(2014)

封切当時、映画館に見に行ったのかレンタルで借りたのか忘れたが、すぐ見た記憶がある。年始にまたテレビでやっていたので、もう10年ぶりに懐かしく視聴。ネタバレ御免。

黄金騎士GARO牙狼>のシリーズはいくつかあるが、メインストリームの冴島綱牙ではなく、あとからできた道外流牙シリーズの方。道外流牙の最初のTVシリーズが終わり、次のTVシリーズに行く前の序章としての劇場版という位置づけ。

壮絶な戦いを経て、牙狼に黄金の輝きを再びもたらした流牙であったが、その代償として牙狼の鎧には、流牙の体調に不調をきたすほどのホラーの邪気がたまっており、その除去が必須となっていた。
彼らがいるところからほど近いタウンに、高名な魔戒法師がおり、その者であれば邪気を払ってもらえるだろうという推測の元、流牙とそれをサポートする魔戒法師・莉杏は、伝説の魔戒法師・リュメの元を訪れ、鎧の浄化を依頼し、リュメは快く了承するが、浄化には丸一日かかるという。
その間鎧が召喚できないことに一抹の不安を覚える流牙だったが、このまちはリュメが地脈からその方力を流し込むことで、ホラーが活動できない街となっており、流牙と莉杏はつかの間の休息を楽しみ、Dリンゴと名乗る怪しい還暦近そうなジジイのケバブ屋で、思いのほかおいしかったケバブを満喫するのだった。

しかし、町はずれの遺跡では、魔戒法師たちが守っていたホラーの腕が何者かに奪われた。それを追いかける流牙たちは奪っていったものが、過去の伝説の魔戒法師によって作られた阿号という人間型道具であることを知る。
阿号は流牙たちと激闘を繰り広げた後、奪ったホラーの腕と共にリュメの元へ訪れそれを撃退し、リュメを拘束した上で、毎月リュメが法力を流している地脈へホラーの邪気を流そうとしていた。
それを阻止しようとする流牙・莉杏・Dリンゴたち。戦いの火ぶたは切って落とされた・・・

最初の「冴島綱牙」シリーズが森の奥の自然の中のシリーズだとすると、この「道外流牙」のシリーズは大規模なタウンの中のうらぶれた闇が戦場なので、都会派牙狼として対称的である。
流牙の第一TVシリーズでは同格の魔戒騎士があと二人いて、かっこいい魔戒騎士が3人一気に変身するのが醍醐味だったのだが、流牙以外はどちらも中の人が問題を起こしてしまったので、今後使ってもらえることはないだろう。本当は魔戒騎士トリオでいろんなシリーズを出し事件を解決してほしかったのだが・・・ファンとしては非常に残念。
ただ、本作は、このあとのTVシリーズである、闇落ちした魔戒騎士・神牙(ジンガ)のシリーズの直前の閑話休題的ストーリーとなっており、前作の容赦ない激闘と苛烈な流牙の過去を観てきた身からすると、これくらいホッとする場面が多くてもいいよね、という気になる。
あと、阿号の活動原理がちょっと弱いので、あまり同情できないというか、「まあ、機械の戯言だあね」とみんなに言われて終わってしまう理屈だったのが少し残念。もう少し「それなら阿号がそう言うのもしょうがないよ~(泣)」くらいな泣きポイントを入れてくれてもよかったかも。あと、阿号の背中からびゃーっと出てくる巻物の長い腕みたいなやつ、あれはスパイダーマン2だか3だかに出てきた敵の武器と似ていて、ちょっと二番煎じ感があったのは残念。

まだこの時点での流牙と莉杏は若くて生意気な男女同士な感じで、お互いケンカしながらも意識し合っていててキャッキャウフフしている。もうカップルになる直前の秒読み状態に見える二人としては一番いい時期を過ごしている。これが神牙シリーズでいろいろ厳しい状況を突き付けられることになるのだが、今はまだイチャイチャを楽しんでおいてくれと思ってしまう、流牙と莉杏のためのインターミッション的なストーリーだった。
柄本明演じる伝説の魔戒法師が作った人型魔道具・阿号が朽ち果てた姿に、少女のころからお花のお供えを続けたのが角替和枝柄本明の実の妻)というのもイカス。わかってますね~。

最後のスタッフロールに出てくるいくつかの映像部分は、映画ではなくこれから始まるテレビシリーズがちょっとずつお目見えしていたんだな。そういえばそうだったな~。
こうやって劇場版の中にTVシリーズを盛り上げるネタを仕込んでおくというのはなかなか珍しい趣向だった。

garo-project.jp