観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

不死身の保安官(1958)

正月のBSで観た西部劇映画の一つ。ネタバレ注意。

19世紀半ば、ロンドンで叔父の銃器店を手伝っていたティブスは、アメリカに販路を広げようと一人大西洋を渡った。
馬車で西部へ向かう途中、先住民に襲われるが、話せばわかると馬車を降りて先住民の一人に背後から話しかける。
肝をつぶした先住民が立て続けにまくしたてるティブスの迫力に圧倒されて勝手に降参し、ティブスは先住民を追い払うことに成功する。
目的地の町についたティブスは、全て偶然ではあるが荒くれ者たちに恐れ入らせることに成功し、町長から請われ保安官となる。また、ホテルの女主人ケイトと恋仲になる。
早速町で銃器を売ろうと町はずれの家に訪問販売へ向かうが相手にされず、たまたま付近にやってきた先住民たちに銃を売りつけようと向かうものの、あっという間に捉えられて彼らの居住地へ連れ去られる。
しかし、彼らの酋長は西部へやってきた際に降参した男であり、彼はティブスに命を救われたと思い込んでいて、ティブスは酋長の義理の息子として試練を受けさせられる。
初めて乗った馬で、とんちを聞かせて先住民たちの喝さいを浴びたティブスは無事認められて酋長の義理の息子と認められ、3人の美女と3人のふくよかな女性を妻に迎えるように言われるがそれを固辞する。
無事戻ったティブスをケイトが迎えるが、彼はSとTという二つの荒くれ者ガンマンのグループの抗争を引き起こしたとして町長になじられ、ティブスは戦いをやめさせるべく彼らの元へ向かうのだった・・・

西部劇と言いつつ、だいぶコミカルで笑える話に仕立てられている。こういうパターンは初めて観たな。
主人公のティブスは口が立つだけで特に銃の腕前がよいわけでもないのだが、世間知らずで能天気なイギリス紳士としてどこにでも首を突っ込みたがり、それがなぜか全部相手に過大評価されて成功するという、今となってはよくある笑いのパターン。
西部劇でそれを最後まで通したのは、当時としてはかなり画期的だったのかもしれない。
ヒロインのケイト役が、あまり詳しくない僕でもちょっと小耳にはさんだことのあるジェーン・マンスフィールド。金髪でグラマーという典型的なハリウッド美女であり、マリリン・モンローと双璧をなしたと言われている。金髪グラマーはちょっと頭が弱いというアイコンとして描かれがちだが、ジェーンはクレバーで5か国語を操り、楽器の演奏も巧みな才人であったとのこと。
実際、この映画でもティブスを演じたケネス・モアを食ってしまっており、圧倒的存在感を放っていたように感じた。
最後までハッピーでオシャレなエンディング。素敵な映画だった。