幼年期の終わり(1952 アーサー・C・クラーク)

 SF御三家の一人、アーサー・C・クラークの代表作のうちのひとつ。

地球にやってきた異星人の宇宙船が世界中の主要都市の上に停泊して、何十年もの間、巧みな地球管理を行っていく。それは人類にとってプラスと思えることばかりだったが、そのため人類はますます異星人に依存していく。
もう異星人なしでは人類の存続は立ち行かない、というところまで依存しきってしまってから、その異星人はようやく人類の前にその姿を現した。そして人類は異星人=カレルレンによって、大いなる変革を余儀なくされるのだった・・・

SF小説の中でも古典中の古典だが、評価は真っ二つに分かれる。傑作だという人もいれば、強い嫌悪感を感じる人もいる。それは人類が選択の余地なく宇宙人=カレルレンに操作され、避けようのない運命を強制されているからに他ならない。
ただ、人というのは何かに依存したがるものであり、人類という総体もどこかでこうなる危険性は十分にあるわけで、警鐘を鳴らすという意味では極端ではあるが有効だと考える人がいるのももっともである。
個人的には、やはり何の選択権もなく人類が変革させられてしまうという強制力に嫌悪感を感じた。ただ、そういう未来だって十分あり得るわけで、その嫌悪感込みでダイナミックな人類変容を壮大なスケールで描かれると、すげえこれ!と思わざるを得ない迫力があったので、全体としてはでっかい話を読ませてくれた、アッパレ!であった。

本作は大変有名な古典の名作なので、まだ読む人がいるかもしれないと思い、極力ストーリーは伏せつつ感想を書いてみたが、知らない人が観ても何が何だかわからないよなあこれじゃ。ごめんなさい。読んでみて!

幼年期の終り

幼年期の終り