国井律子のハーレー日本一周 20代最後のひとり旅(2006)國井律子

 エッセイスト・國井律子のフォトエッセイ。

会社を辞めた國井律子がハーレーを駆り、日本のあちこちへ旅して、そこでしばらく沈没して、現地の人々や同じ旅人と親交を深めつつ、人の生き方や自分の生き方に思いを馳せる。だがおいしいものはやっぱりおいしいので、深いことを考えずに現地のおいしいものをいっぱい食べて写真にとる。そんなフォトエッセイ。
國井律子を初めて知ったのは、NHK-BSプレミアムでやっていた、清水國明とのペアで、日本のあちこちを二人でツーリングするという番組。
二人とも大型バイクに乗り、もちろん現地の人たちとのふれあいやおいしいものも食べるのだが、旅の主目的がツーリングであり、二人でバイクを走らせながらいろんな話をしているその光景が新鮮だった。
自分自身でも当時中型バイクの免許を取ったばかりで、250ccのバイクをおっかなびっくり乗り始めていた時期だったのでちょうどシンクロして、共感して観ていた記憶がある。
國井律子はまだ30代前半、清水國明は60前くらい。最初はぎこちなかった二人の関係が少しずつ縮まり、でも國井律子はおっさんをそんなに受け入れる気がなくて、清水が何とかもう少し距離を縮めようとするのをあっさりと振っているシーンが何度も見られて、ああやっぱりおっさんってこういう扱いを受けるよなぁ、と将来の自分を見ているようで少々悲しく、でもそれにめげずにセクハラまがいのことをぽろっと言ってしまう清水國明に同族嫌悪をもったりした、いろいろと感情を想起された番組だった。

本書はその旅のもうちょっと前、まだ國井律子が20代で、考えるより先に行動してしまっても体力と気力が十分に持つ頃に行われた旅であるようだ。
バイクで旅をすると、なんでこんなに人のやさしさに触れるのだろう。
僕自身はバイク旅に出たことはたったの1度しかないのだが、それでもおおいに感じた。
バイク自身が大きくて取り回しが大変で、剥き出しで雨風を受けながら高速走行する危険でストイックな乗り物なので、余計にやさしさが染みるのかもしれないが、バイクの旅では人の善意が染み入ることが多々ある。
それが楽しみでやっている人もいるのだが、本当にそれを当たり前と思ってしまってよいのか、という疑問も持つこともあり、國井律子もある時は甘受して、ある時は自問しているところがあって、親近感がわいた。

もっとも彼女の美貌であれば、僕などよりはよっぽど親切にしてもらっていたはずで、ちょっとレベルが違うかもしれない。
しかしハーレーいいなあ。うちの駐輪場だと大型バイクが置けないんだよな・・・
大型バイクの免許だけは、いつか機会が来ることを信じて今年取ってしまったけど。ものすごく大変だったなぁ・・・

国井律子のハーレー日本一周 20代最後のひとり旅

国井律子のハーレー日本一周 20代最後のひとり旅

  • 作者:国井 律子
  • 発売日: 2006/12/12
  • メディア: 単行本