観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

次元大介(2023)

Amazon Originalで観た。

長年使い慣れたコンバットマグナムに違和感を感じ、修理しようとするが、古い銃でメンテナンスできる職人がいない。
次元は噂に聞いたガンスミス(銃職人)に会うため、日本の泥魚街へやってきた。
銃職人・千春は時計屋に身をやつし余生を過ごしている老婦人で、もう引退していると最初はすげなく銃の修理を断られる。
何度か訪れているうち、この店に銃を求めてやってくる少女・オトに出会った。
次第にこの少女の不幸な生い立ちを知ることになり、行きがかり上ではあるが彼女と行動を共にする次元。
そしてオトは泥魚街を仕切る組織に連れ去られ・・・

正直なところ、ストーリーは地味で淡々としており、血沸き肉躍る感じでは全くないが、マフィアの仕切るうらぶれた街、そこで生きる町の人たちの地道な生活、それと対比される悪人たちの悪だくみという形で進む。
玉山鉄二の次元は若からず年老い過ぎずのちょうどいい中年の塩梅で、脂の乗った苦み走ったガンマンを好演している。
たしかにアニメでは、バンバン銃をぶっ放して敵と戦う次元やルパンの様子を当たり前のように観ていたが、同じように実写化するとこうも残酷でいたたまれなくなるのが不思議。ちゃんと撃たれると傷つき死ぬのだということに重みをもたせた演出が濃ゆすぎて胸焼けがするくらいだが、それも込み込みで迫力があった。
ただ、銃の打ち合いだけでクライマックスを持たせるのはどうやってもつらい。いろいろ仕掛けがないとなぁ。ルパン三世はそういう意味ではよくできていると思った。やはり次元は主役の人ではないのかもしれないが、そういうものを求めるものでもないわな。
渋めのコーヒーをチビチビすすりながら味わうタイプの映像作品ということだろう。