観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

銀の匙 Silver Spoon(2014)  

コミックはだいぶ前に読んでいたが、たまたまAmazonで見かけて実写劇場版を観た。

受験に失敗し、それまでの環境から逃れるためだけのために全寮制の農業高校、エゾノー酪農科学科に入学した八軒勇吾。夢を持って入学してきた同級生たちとの温度差に戸惑いと劣等感を感じつつ、牛の直腸検査や子豚が成長し解体されて肉になるまで、日々のニワトリの卵の採取や牛乳の搾乳など、日々の怒涛の実習事業へ懸命に取り組むことになり、次第にその魅力に目覚めていく・・・

コミックの実写化ということで、そのキャラクターと似た俳優が配役されるわけだが、本作のシンクロ率は相当高い。八軒の中島健人を始めとして、アキ=広瀬アリス駒場市川知宏、富士先生=吹石一恵南九条あやめ黒木華、中島先生=中村獅童などなど、もちろんメイクや衣装の力によるところも大きいとは思うが、妥協のない見た目の寄せ方が半端なくて凄みさえ感じる。
コミックの実写化では往々にして、ストーリーを追うことに終始して、そのエッセンスというかソウルというか、作品に内在するパッション的なものが置き去りになることが多いが、本作は演者やスタッフの意気込みというか覚悟というか、壮大な北海道の風景との相乗効果も相まって、強く訴えてくるものがあり好感が持てた。
やはり酪農には命を扱う荘厳な部分があり、そこから目をそらさずに映像化しつつ、ちゃんとキャラ重視のコミック実写を成立させているのはよかった。
きっと大変なことが山ほどあって、実際にここで学生生活を送るのは相当難易度が高そうだが、それでも観た人は多かれ少なかれ「こういうところで高校生活を送るのもありかも」と心をよぎったはずだ。あのベーコンは本当においしそうだった・・・
映画では学園祭で八軒たち馬術部がばんえい競馬を実現するところが山場だが、そのあとの八軒のお兄さんの話や起業のあたりも映画で観てみたいな~。いずれやってくれないだろうか。

キャストの中で特に駒場がよかったな~と思い、役者の市川知宏についていろいろ見ていたら、そうかこの方、仮面ライダーセイバーのユーリだったか。そういえばあなたでしたね。