観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

るろうに剣心 最終章 The Beginning(2021)

いつの間にかPRIME VIDEOで安くなっていたので観た。

幕末、聴衆の尊王攘夷派リーダーである桂小五郎の元に、緋村剣心は暗殺者として参加していた。その手練れぶりと容赦のなさから「人斬り抜刀斎」と呼ばれ、幕府側から恐れられていたほどであった。
ある夜、襲ってきた敵の刺客を買えりうちにするところを一人の女性、雪代巴に見られ、口封じのためにそばに置くことに。桂小五郎配下の同志たちからからかわれる中、緋村自身もその状況に困惑しながら、次第に巴へ惹かれていく。
その後、形勢が不利となった桂たちはいったん散り身を隠すことに。剣心と巴は町はずれの農村にある古い農家へ夫婦を装い暮らし始めた。
その質素ながら充実した生活の中で、剣心はそれまで気づいていなかった人の幸せについて考え、巴を愛するようになっていくが・・・

まあ「るろうに剣心」が好きな人なら知らぬ者はいないエピソードなので、最後が切ないストーリーであることは変えようがないとして、それを抑え気味の演出で淡々と進めていくのが心地よい。
それでいてキャストや美術には惜しげもなくコストや才能がつぎ込まれており、見ごたえのある作品となっている。
もちろん、その前の「The Final」ありきなので、それとセットで見る前提でなければ盛り上がりに欠ける地味な映画になってしまうのだが、ここは併せて評価すべきだろう。

しかしよくわからないまま見てしまったので、封切り時の順序(最終章 The Final→最終章 The Beginning)と逆に見てしまった~!痛恨のミス!
ストーリー的にはその方がわかりやすかったのだけど、Finalの方で一瞬だけ出てきたエピソードがBeginningで掘り下げられていて胸アツ、みたいな個所がいくつもあり、それを味わってもらうことこそがこの順序の真の意味だと思うので、やっぱり惜しいことをした。

 

オブリビオン(2013)

オール・ユー・ニード・イズ・キル」をアマプラで見ていたら関連映画としてあがってきたのでついでに観た。しかしトム・クルーズはなにげにSF映画の出演が多いな~。

西暦2070年代。異星人スカヴからの侵略を食い止めたものの、核の使用によって荒廃してしまった地球。人類は土星の衛星であるタイタンへ移住していたが、ただ二人、ジャックとヴィクトリアのカップルは、スカヴ残党を退治するため、地球に残っていた。
ある時、ジャックは地球へ墜落してきた宇宙船を捕捉。中からいくつかのコールドスリープカプセルが射出されていたが、なぜか地球を守るはずのドローンがカプセルを攻撃。やっとの思いでドローンを止め、一人だけ救出に成功する。
生き残った女性、ジュリアはジャックを知っているような口ぶりであり、ジャックも記憶の断片の中にジュリアの面影を見るが、詳しくは思い出せない。
そんな中、ジャックとジュリアはスカヴに捉えられるが、実は彼らももまた人類であり、実はタイタンに移住した人類などおらず、ジャックやヴィクトリアが従っていた、宇宙ステーションにいる上司「テット」という物体こそが人類の敵であることを知らされる。
マルコムに真偽を確かめるよう送り出されたジャックとジュリアは、ジャックとうり二つのもう一人のジャックを発見する。ジャックとヴィクトリアは大量に生産されたクローンであり、地球に残るスカヴ=残存する人類を抹殺するためにテットの手先として利用されていることを知るのだった。
そしてジャック・ジュリアとスカヴは協力し、テットへ戦いを挑む・・・

ストーリーはだいぶ違うが、はるか昔幼少のみぎりにテレ東で見た「2300年未来への旅」を思い出した。あれも若いカップルが外世界で旧人類と遭遇し、世界の真実を知る話だったなぁ。
しかし敵が異世界生命とはいえ、洗脳や記憶操作がアリになってしまうと話として何でもありになってしまうのが無常感ありすぎて哀愁が漂う。主人公のジャックはまだ真実に気付けたからよいが、そうではない他のジャック及びヴィクトリアの皆さんが不憫でならない。
また、「実はあなたの妻よ」というセリフは今まで映画や小説で何度見たり聞いたりしたことか。萌えシチュエーションなんだろうな。
そしてドローン。こいつ本当に強くて怖いわ。この無人殺人機械という概念はずっと昔からあるわけだが、ためらいや情けがないのに人の命を奪う力を持つ存在というのは本当に恐ろしい。もういつでも現実の世界で実践投入されそうなイメージだが、実際には厳しい「ロボット三原則」的な禁足事項が設けられない限りは、味方が殺されそうで危なくて使い物にならないだろう。と思いたい。
しかし最後のオチなぁ。みんなこれで納得するのかなぁ?
正直釈然としなかったのだが・・・ハリウッドこういうの好きだねぇ。

 

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)

トム・クルーズ主演のSF映画。原作が日本のライトノベルということで、映画封切時にバンバンCMが流れており、ちょっと話題になっていた。

「ギタイ」と呼ばれる謎のエイリアンに地球が侵略されている近未来。防衛軍の報道官であるウイリアム・ケイジ少佐は、欧州地域のエイリアンの殲滅作戦を指揮する将軍から現地取材の任務を命令されるが、危険であることからそれを拒否し、将軍の逆鱗に触れ一兵卒の二等兵へ降格されてしまう。
配属されたJ分隊には粗野で非協力的なメンバーしかおらず、何のレクチャーも受けないままパワードスーツを装着させられ、激戦地へ放り出されてしまい、敵との相打ちによりあっけなく死亡する。
しかし次の瞬間、彼の意識だけが出撃前日にまでさかのぼっていた。
同じ日を幾度となく繰り返すうち、戦女神として知られる英雄・リタと会話し、また戻ったら自分に話しかけるようにと言われる。
出撃前に彼女を探し秘密を打ち明けたところ、実は彼女も少し前まで同じタイムリープ能力を持っており、今はその力が失われてしまっていた。
死ぬ間際に「アルファ・ギタイ」と呼ばれる特殊なエイリアンの返り血を浴びた場合、そのアルファが持つ過去へ干渉する能力から派生してタイムリープしているが、輸血を受けるとその力が失われてしまうのだった。
イリアムはリタ及び協力者のカーター博士と協力し、敵のボスである「オメガ」を探し出して倒すため、幾度となくタイムリープを繰り返したが、その結果オメガは目標の場所にはおらず、自分たちも陽動を受けたに過ぎなかったことが判明した。
さらなる探索の中で、オメガがパリのルーブル美術館地下にいることを突き止め戦いを挑むが大怪我を追ってしまい、輸血を受けたことで二度とタイムリープできない体になってしまう。
それでもウイリアムは、リタやJ分隊のメンバーと協力し、オメガへ最後の戦いを挑むのだった・・・

ハリウッドのタイムリープものではあるあるなのだが、タイムパラドックスに無頓着なのでいろいろな矛盾が発生してしまう。
本作も最後のオチのところで重大なタイムパラドックスが発生しており、「そのオチだったらそもそもこんなことになってないよね!?」的な矛盾があり、正直ちょっといただけない。
ただ、もちろんハリウッド映画はそういう重箱の隅をつつくのではなく鷹揚に構えて映像美を楽しむものであることは周知のとおり。
本作も大迫力の映像は文句なしに楽しめるので安心して観ていられた。
もっとも、原作ラノベの方はリタやカーターが美少女設定なのに対して、こちらの映画はリタがイカツい強そうな女性、カーターはナードなおっさん。まあ仕方ないか。
それにしてもものすごい回数をタイムリープしていることになるな。ひょっとしたらハルヒの「エンドレスエイト」に匹敵するかも。頭おかしくなりそ~!

 

Amazon でデフォルトのクレジットカードを変更する方法

本当の意味での備忘録。

Amazonで複数枚のクレジットカードを登録していて、通常使いたいデフォルト(初期値)のカードを変更したい場合。

1.ログイン

2.アカウントサービス

3.1-Click設定

4.支払方法→変更を選択

5.「支払いの種類」にこれまで登録したクレジットカードが選択肢として

  現れるので、今後デフォルトにしたいカードを選択。

 

ずっとやり方がわからず、注文の度に選択し直していた。よかったよかった。

iPhone12mini

元々は2016年2月頃、当時の一括0円に釣られてMNPソフトバンクからauへ移り、iPhone6S 64GBをゲットしたのだが、それからはや6年。auの2年シバリ期間を終えてBIGLOBEモバイルに乗り換え、その間も壊したりせずずっと使い続けてこれたが、さすがに古くなってきた。
最もそれを実感したのが、最近行った親族との旅行。親戚が撮った写真とこちらのをお互いにLINEで交換した時である。向こう(最近のAndroid)からもらった写真のあまりの鮮明さと、こちらが送った写真のあまりのボケボケぶりに頭がクラクラした。
今どきの新しいスマホって、こんなことになってんの? iPhone6Sって、もうこんなにダメなのか。
うちはまだ子供が小さいので、これからスマホで山ほど写真を撮ると思われるが、いい写真の画質を見てしまうと途端に物足りなくなってしまい、新しいスマホが欲しくなった。
また、最近ではスマホに内蔵されたチップによって自治体の手続きができたり、マイナポイントを受け取ったり、わざわざカードを持ち歩かなくてもApplePayに登録して使えたりするのだが、iPhone6Sではことごとくそれらに手が出せないこともあって、もうそろそろ買い替え時かなと感じたわけである。
Androidタブレットを1枚持っているし、まったく一緒ではないがFireタブレットも使っているので、Androidの使い勝手はなんとなくわかっているが、スマホで使うにはちょっとなぁとという印象。そもそもiPhone3GからずっとiPhoneを使い続けているので、その伝統も無駄に守りたい。なのでiOS一択。
といっても、最新のiPhone13は高く、そこまで出す気にはなれない。そして最近のデカいスマホは個人的には合わない。ジーンズのお尻のポケットにすっぽり入る大きさじゃないと座りが悪いし、そもそも情報量が多い場合はiPad miniで見るので、いわゆる「mini」でよい。
iPhoneに求めるのは、
・いい画質の写真と動画が撮影できること。またそれを貯め込めるくらいの一定の容量。
・FACE ID
・電話。
・iTune。今までの音楽資産が引き継げること。
電子マネーやApplePay、自治体の手続き。
・ツムツム
キャプテン翼~戦えドリームチーム~
くらい。
最初はiPhoneSE2でいいかな、とも思ったのだが、カメラの性能を考えると、そしてFACE IDが欲しいので、やはりiPhone12くらいは欲しい、そしてminiがいい。
12はそこそこ最近のバージョンである割りには全体的に割安な価格で販売されている。というのもこの機種はバッテリーの持ちが相当悪くて不評となっており、その弱点が克服されたのがiPhone13ということで、皆さん待ち望んでいた新機種が出たばかりであることもあって、お安い状態となっているようだ。
バッテリーの持ちは気にはなるが、通勤がほとんどない身の上からするとバッテリーはそんなに持たなくても何とかなるし、iPhone6Sもあまりもたなくて、途中一回Appleのショップでバッテリー交換した上で、携帯バッテリーとセットで持ち歩いていた。
まあ一緒だろう、ということでiPhone12miniに決定。容量は今の倍にして128GBとした。

 

そして回線だが、単にAppleからSIMフリーで買うと少し高くつくので、格安SIMMNPする際の恩恵を被る形でiPhoneを少しでも安く買いたい。
もともとBIGLOBEモバイルを使っていたのは「エンタメフリー」でYoutubeを見放題にしたかったことと、バイクのナビとしていた使っていたタブレットに刺すため、同じ回線料金をシェアする形でサブSIMを払い出すことができたためだったのだが、コロナ禍ということもあり、どちらも使わなくなってしまった。
そのため、変え時だなあと思っていたということもある。
端末価格が他の格安SIMに比べても一番安かったのと、もともとうちはj:comの電話とネットを使っており、系列企業の特典「自宅セット割」で、月々の支払いに割引をかけてくれて、ランニングコストもだいぶ安くなるということでUQモバイルに決定。

よし決めたと思ったとたん、世の中は年度末の回線実績を稼ぎたい回線業者及びそこからのバックマージンを得ている販売業者によるえげつない割引合戦がスタートし、iPhone12・miniやSE2は果てしない値引き合戦の標的になってしまった。
昔は販売店が自由に値付けできたので、のちに総務省から1回線ごとに供出されるマージン(本来は回線の整備や多くの人が安定して通話・通信できるための投資用として)でさえペイできればよいということでド派手な値下げ合戦が行われていた。
しかし、激しい値引き合戦のコストは長期利用者にしわ寄せがいってしまうことから、今は御上のお達しにより最大値引きが2万2千円までと決められている。
しかし、どのキャリアもあの手この手の理屈をつけてさらに値引きを行っており、2年後に端末を返却する代わりに安くする、などの手法が用いられている。
この割引方法は個人的には使う気になれない。2年後にスマホが無事である保証は何もないのだ。画面が割れているかもしれないし、水没しているかもしれないし、なくしているかもしれない。それで返却できなかったら、本来安くなって支払い不要だった月賦分を払わなければならないというリスクが復活してしまうので怖い。
こればっかりだとお客さんが来なくなってしまうので、「でも言ってくれたら、2年後の返却なしでも安くしますよ」と言い始める販売店さんが現れた。
この辺の、高い回線とセットで売りたい販売業者と安く買いたい顧客の激烈攻防戦がこの年度末あちこちで大発生しており、これに乗っかるには、あっちのショップで12miniが実質9800円、こちらではなんとSE2が一括0円で返却なし!?・・・てな感じで、常にTwitterなどから情報をリアルタイムに入手し、動きがあったらすぐ電車や車を乗り継いで店に向かう地道な努力が必要である。
もう少し若かったら参戦していたかもしれない。事実、前回はそれでiPhone6Sを夫婦2台分手に入れたのだから。今にして思えばそのあとの高い回線代2年分で十分端末代を支払っているのだが・・・
しかしもうこの歳になると、こういう大騒ぎに付き合っていくだけの体力がない。
そもそも前回は通勤の帰りにあちこち寄れるというアドバンテージがあった。今はテレワークなので、定期券もなく、あちこち行くほど交通費もかかり、まったくペイしない。
ということで、まっとうな端末購入方法の中で、自然体で端末が一番安かったのもUQモバイルだったので、今の僕にはこれくらいがあっているだろう、と決めた。

 

肝心のUQの契約。今回はオンラインではなく、近くのショップへ行って手続を直接行う方式にしたのだが、どうせ手続きなんてスムーズに円滑にいくわけではなく、そのたびにネット越しに「アレを調べて」「これを提出して」と言われるので、それだったらもう行っちゃった方が早いでしょ、という先読みである。
ただ、読みをいい形で裏切ってくれた。窓口の予約をして訪れると、最初に指定された証跡と今のスマホを持っていけばすべてスムーズに手続きしてくれた。
この辺はさすが格安SIMの中でもキャリア側に近くサービスが充実しているUQモバイルならではである。
しかし、今回適用してもらった端末の割引にちょっとした落とし穴があり、その価格で販売する代わりに「auスマートパス」と「故障紛失サポート with AppleCare Services」の契約が最低1か月必要、とのこと。う~む。
もちろんこれらは次月解約可能なので、とのことだったのだが、こういう面倒なのがなくてよいから格安SIMなんだけどなぁ・・・まあ仕方なし。
そして、解約時は日割りの清算と聞いていたのだが、実際はAppleCareの方は月割りというオチまでついた。ここは窓口の方から丁重なお詫びをいただいた。

 

そしてやっと手に入れたiPhone12mini。ぱっと見の印象としては「小さい!」だった。iPhone6Sより筐体が小さい。
でも画面は大きい。ホームボタンが廃止されてその分も画面になっていることで、全体は小さくなっている。へぇ~!
ホームボタンがないのは最初戸惑ったがすぐ慣れた。フリックで全然いける。
そして、FACE IDが便利すぎる。子供のころから「手のひら多汗症」なので、常日頃から手に汗をかいており、汗のおかげで指紋認証はほぼ通らない。iPhone6Sも9割がたパスコードロックをポチポチしていたのだが、生体認証ってこんなに便利なの?!すげえなぁ。
後日になるが、iOSのバージョンが15.4になったことを受けて、マスクをしていてもFACE IDが使えるようになった。正直、素の状態でのマスク時認識率は5割程度なのだが、鼻を少し出してやり直せばたいてい行けるので、外でも問題なく使えるようになった。便利だね~。
そして注目の写真。最近のスマホを使っている人はこのくらいの画質は当たり前なのだろうけど、6Sで撮った写真と比べると違いは歴然。あ~買い替えてよかった。
ディスプレイの美しさもまるで違う。まあこのスマホで動画を観たりすることはほとんどないと思うが、それでも手持ちがこれしかない時は重宝しそう。
しかし噂には聞いていたが、背面のカメラがえぐいな。眼が3つある。ボトムズと揶揄されるのもわかるわ。
これのおかげでカバーをかけても大きな穴が開いてないと成立しない。もっともIP68等級の防沫性能、耐水性能、防塵性能なので、多少のことがあっても問題なさそう。

 

期せずして、それまでiPhone7だった会社支給のスマホも交換されiPhone12miniになった。やっぱりこれ、不人気機種なのね・・・
まあでもかわいそうな子ほどかわいいものだ。どちらも大切にしよう。

 

www.uqwimax.jp

ホビット 決戦のゆくえ(2014)

ロード・オブ・ザ・リングの前日譚である「ホビット」三部作最終章。ネタバレあり。
前作「竜に奪われた王国」で邪竜スマウグを自国エレボールから追い出すことに成功したドワーフたち。スマウグはその腹いせに、ふもとの人間の町エスガロスをブレス(火炎息)で報復攻撃する。
街は壊滅的なダメージを負うが、住人の一人であり、昔スマウグに一矢を報いた弓の達人の子孫であるバルドの黒い矢により、邪竜は打ち倒されるのだった。

一方、ドル・グルドゥアで捕らわれの身となっていたガンダルフガラドリエル・エルロンド・サルマンの手で救い出され、行きつく暇もなく、闇のオークの軍勢がエレボールに向かっていることを知らせるために馬を急がせる。
トーリンは邪竜の怨念がこもった財宝に心を曇らされ、それに心を痛めたビルボは、手に入れたドワーフの至宝アーケン石をトーリンに渡せずにいた。
トーリンの元に財宝の分配を督促するために集まった闇の森のエルフスランドゥイルの軍、スマウグに街を滅ぼされて行き場のなくなった港町エスガロスの人々はエレボールにやってくるが、トーリンは約束の宝の分配を拒む。
そこに現れたトーリンの従弟ダインが率いるドワーフ軍。三つの軍に緊張が走ったその時、闇のオークの軍勢が押し寄せてきた・・・

三部作の最後にふさわしく、主要登場人物がそれぞれ見せ場をいっぱいもらって大活躍している。その圧倒的な映像美は見事というほかなく、この地味で整合の取れていないストーリーでも有無を言わせず楽しめてしまう力技はすごいの一言。
ここに来るともうビルボは右往左往している当初の世間知らずで田舎者なホビットの面影はみじんもなく、機敏かつ賢明に動く戦国武将のような立ち位置となっており、見た目との乖離がはなはだしい。よくぞそこまで立派になったのう。
それにひきかえ、トーリンが宝への欲というかスマウグの呪いというか、そんなもので身の回りの人たちを大切にしなくなっていくくだりは、もともと頑固で人の意見を聞かない系だった人なだけにちょっとわかりづらく、もうちょっと演出が欲しかったところ。でも最後の立ち回りはかっこよかった。
レゴラスのタウリエルの好意もちょっとよくわからないままボヤっとしていた。まあキーリとタウリエルの絡みを際立たせるためにはあまり目立ってはいけなかったのだと思うが、本シリーズ最強イケメンだけに惜しい。まあオークとの戦いは素晴らしかったのでよし。
そして毎回思うのだが、ガンダルフ、お前魔法使いだろ。ファイアとかベギラゴンとかそういうの使えよ。なんで杖と剣振り回してるんだよ!

 

ホビット 竜に奪われた王国(2014)

ホビット 思いがけない冒険」の続編。ネタバレ注意。
旅を続けるドワーフたちとガンダルフとビルボ。途中、オークたちに追われるが何とか逃げつつ、ガンダルフと一行は魔の森の前で別れ、ガンダルフはネクロマンサーの噂を確認するために別行動をとる。
真の森に入った一行は、巨大蜘蛛たちの罠にかかり網にとらえられてしまうが、森に救う巨大蜘蛛を退治しにやってきた森のエルフたち、王の息子レゴラスと守備隊長タウリエルによって助けられる。
もともと、ドワーフの国エレボールが邪竜スマウグに襲われた際、あまりにも強力な敵にひるみ、エルフたちはドワーフへの助力をしなかったことからお互いに仲が悪い。ドワーフの王子トーリンは、エルフの王でありレゴラスの父であるスランドゥイルと会談。スランドゥイルは、スマウグからエルフの宝を奪い返すことを条件に助力を持ちかけるが、過去の恨みを忘れていないトーリンはこれを拒否。そのためドワーフたちは全員投獄されることになった。
投獄されたドワーフのうち、若くてイケメンなキーリとタウリエルはお互いに意識し始める。
その後、指輪の力を使って牢屋の鍵を盗み、脱出用の樽まで確保してきたビルボによって、ドワーフたちは川へ脱出。しかし、待ち伏せしていたオークたちに襲われ、キーリは足に矢を受け負傷し、一行は危機に陥る。
そこへ弓の達人であり湖の町に住むバルドが現れ、一行を助けてくれた。
かましくも彼にさらに助力を乞うドワーフたち。いろいろ悪態をつきながらも彼らに協力し、自分の町に招き入れるバルド。
ドワーフたちは山の宝を分配することを条件に、湖の町の支持を得た。しかしバルドはスマウグが報復に来ると考え反対。彼はかつてスマウグと戦い追い詰めた、谷間の国の領主の息子であった。意見は割れたが、最終的には王国を取り戻す戦いに赴くドワーフたち一行。
ビルボの観察力で入り口と鍵穴を見つけ、エレボールに入ることができたドワーフたち。そこでビルボはスマウグが抱え込む地下の宝物の中から、ドワーフの秘宝「アーケン石」を取ってくるようトーリンに依頼される。しかし地下はまさにスマウグが眠る危険すぎる場所・・・

っていうかさぁ、みんなビルボに頼り過ぎじゃね?
要所要所で何度も挫折しそうになり、その都度ビルボに助けられている。
もうちょっとビルボのことを崇め奉ってもいいんじゃないかという頼り具合。
まあ、ほぼほぼ指輪の力であるところも大きいのだが、邪悪な意思に支配されがちである割には、ビルボは指輪を適度に良く使いこなしていると言える。
第一部「思いがけない冒険」では、相当最後になるまで役立たずかつ足を引っ張るメンバーと思われてきたのと対照的。
そのパターンがワンパターンで、さらにみなその成果の割にはビルボを尊ばない(少しはするが)ので、見ていてイライラする。トーリン!お前のことだよ!

そして今回ガンダルフはあんまり出てこない。途中でネクロマンサーの噂を確かめるために「ドル・グルドゥア」なる場所へ向かうのだが、そこで何やら恐ろしいものにとらえられ、身動きが取れないまま映画が終わってしまった。

完全に次作「決戦のゆくえ」への引きで終わってしまい、本作単体でのカタルシスはほとんどないまま。ハリウッド映画ってこういうの多いよなぁ。映画一本一本にお金やスケジュールをかけているのだから、それなりなお得感は醸してほしいのだが。

そしてベネディクト・カンバーバッチが出ていたのは知らなかった。スマウグの声とモーションキャプチャ、そしてネクロマンサーまでやっていた。でもそんなの見た目でわからんわ!

とにかく絵が綺麗だったなぁ。ストーリーは雑だけど。次回も映像のために観よう。