観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

だが、情熱はある(2023 日本テレビ)

いつもドラマはそのクールが終わってから感想を書いているが、現在10話まで放映され、残すところあと2話。オードリーのファンとしては、放映中の盛り上げに少しでも貢献するために今書く。

本ドラマはお笑い芸人・オードリーの若林正恭と、南海キャンディーズ山里亮太を主人公にした、事実を元にした半伝記的なドラマ。
存命中かつ、どちらも売れっ子とはいえ中堅芸人が主人公のドラマというのは寡聞にしてあまり聞かない。
それであれば、オードリーだけとか南海キャンディーズだけを、コンビ誕生~ブレイクのエピソードをやればいいのでは、というのが素人考えだが、それだとただの再現Vのようになってしまうし、そもそもはこの二人が「たりないふたり」というユニットを組み、ライブを行ったり漫才をやったりしていたのが元になっていることもあり、ユニット誕生秘話として、若林さんと山里さんの若いころからの苦悩や、性格のねじ曲がりっぷりを深く掘り込むには、「じゃない方芸人」二人にスポットを当てるという本作のやり方があっていたように思う。
普段オードリーのオールナイトニッポンを聴いたり、若林さんのエッセイを読んだりしている身からすると、「お~、あの話を盛り込んでくれた!」と思わず喜んでしまうエピソードがてんこ盛りとなっていて、元々ファンだった方が執念深く細部を抉って本作を作り上げているのだろうなぁ、とその熱に頭が下がる。
山里さんのエッセイ「天才はあきらめた」も、数年前になんとなく手に取って読んだことがあるのだが、そちらのエピソードも同様に盛り込まれているようだ。

また、本作は主要キャストの役の作りこみがすごいというのも話題になっていて、若林さん役の高橋海人(King & Prince)、山里さん役の森本慎太郎SixTONES)をはじめとして、春日さん役の戸塚純貴、しずちゃん役の富田望生など、外見はそんなに似ていないのに、演技でゴリゴリと寄せてくる迫力がすごい。みんな若いのにほんと芸達者だなぁ。
オードリーや南キャンがひたすら売れなくて苦しい時期が延々と続くので、見ていていたたまれなく、心が痛くなってくるのだが、それだけ彼ら彼女らの演技が迫真に迫っているということだろう。
また、本物の方の若林さんと山里さん、それぞれが自分たちの番組でドラマのことを大いに語り、盛り上げてくれているところが頼もしく楽しい。若林さんは「午前0時の森」で、ドラマに何を差し入れとして持っていこうか、というテーマで一枠使ったりしている。新鮮なかかわり方だなぁと感心した。

なお、当初はドラマでは漫才を丸ごと演者に行わせる予定ではなかったそうなのだが、演者が熱心に練習し、高いクオリティで再現できたことから、ドラマ内の相当な時間を割いて漫才パートを入れ込んだとのこと(2023/6/10 オードリーのオールナイトニッポンで聞いた)。ドラマ部分を見てから演じられた漫才を見ると、鬼気迫る壮絶さを感じる。
何気なく見ている漫才がこういう過程で出来上がっているということを理解してしまったので、今後は気持ち的に正座して漫才を見ようと思う。

最終回へ向けて、ますます目が離せなくなった。観るぞ~!

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