観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023)

アマプラで見た。言わずと知れた「ジョジョの奇妙な冒険」第四部に登場する岸部露伴のスピンオフ作品が、更に独立した話となっているコミックの実写映画版。
NHKのドラマは好きで全話観ていたが、そちらも本作もまだコミックは未見。

岸部露伴は少年週刊漫画誌で連載を持つ売れっ子の漫画家であり、人の心を本のように読むことができる「ヘブンズ・ドアー」のスタンド使い
漫画執筆にかける情熱はすさまじく、他のあらゆることを優先し、スタンドも躊躇なく使うほどである。
新しい作品を執筆中、漫画家としてデビューしたての時に居候していた祖母の家で出会い、淡い恋心を抱いた女性・奈々瀬に聞いた「この世で最も黒く、邪悪な絵」のことを思い出す。
それに関連すると思われるモリス・ルグランの黒い絵をオークションで落札した露伴は何者かの襲撃を受け、絵を盗まれるが無事取り返す。
そして大元と思われる山村仁左右衛門の「黒い絵」を探しに、ルーブルへ行く・・・

ルーブルに行くことありきのストーリーだが、ルーブルからのオファーによるプロジェクト参加作品なのでそうなるのは致し方ない。
ルーブルの支援を存分に受けていて、普段は入れない内側も存分に取材して、物語後半の主軸となる倉庫も見せてもらったそうなので、それを漫画でリリースするのはとても贅沢で素敵。
それだけではもったいないよなぁ、ということで映画化したのは自然の成り行きともいえる。
これだけ傲岸不遜で自己中な岸部露伴も、17歳の青少年の頃は大人の女性にドキドキムラムラする普通の男の子だったのだなぁとちょっとほっこりした。
それにしても高橋一生がはまり役。演技がうまいからというのが一番だと思うが、キャスティングの妙でもある。
コミックの露伴はもっと若くて20代後半の設定だが、元々原作でも妙に老成している部分もあったので、ちょうどいい雰囲気になっている。
そして泉京香の飯豊まりえもかわいくてよい。というか泉くん有能すぎるだろう。普通なら露伴の担当編集なんてメンタルやられて終わりなような気がするが、漫画家につく担当編集さんはみんなこんな苦労をされているのだろうか。だとしたら本当に大変なお仕事だなぁと尊敬申し上げるしかない。
もっと最初からルーブルへ飛んで、中の紹介がてらストーリーとどっぷり絡むのかと思っていたらそうではなく、露伴の若かりし頃の思い出と黒い絵のエピソードがうまいことからんでルーブルにつながっていくのは凝ったストーリー展開で感心した。
後半はだいぶ怖いホラーだが、きちんと救いがあり、各々が役目をはたして綺麗に終わるのは後味がよかった。
ルーブル職員のエマ野口、どこかで見たことがある役者さんだなぁと思ったら、「有閑倶楽部」で悠理をやっていた美波さんでした。観てました~!