トゥルーマンは明るく正直でまじめな普通のサラリーマン。少しだけ他と違うとすれば、その生活が24時間365日、隠しカメラで撮られて全世界に放映されていること。
そのことに気づかないトゥルーマンは一所懸命人生を生きていくが、そのうち何かおかしいということにうすうす気が付き始めた・・・
ジム・キャリーが若くてはつらつとしていて、でもすでに奇演・怪演の片鱗が見えている素晴らしい演技で引き込まれる。
それにしてもトゥルーマンがけなげでいじらしい。ただただ頑張っているだけなんだよなぁ。
それを見ている総視聴者の悪趣味さが際立っており、もちろんそういう点を強調したい映画なのだから当たり前ではあるのだが、それでもこういうことをアイデアとして発想してしまうところがすでに相当悪趣味。
なのでますますトゥルーマンの善人ぶりが際立ってくるというよくできた構図になっており、お前ら全員最低だな!と言いながらも続きが気になって観てしまうんだなこれが。
それにしても最後のシーンが張りぼてだとは思わなかった。あんなリアルな海の果てがぺらっぺらな張りぼてというのはなぁ。まあこの時代のSFXの限界というか、そもそもリアルに見せる気もなかったんだろうけど。
そしてそのペラペラ扉を出ていくトゥルーマンが幸せをつかんでくれたことを祈りたい。