ULTRAMAN(2004)

 ウルトラマンのオリジナル劇場版。

突如宇宙から飛来した青い発行体。それは海上自衛隊の隊員と融合し、「ビースト・ザ・ワン」へ変貌を遂げ、ゆっくりと成長・巨大化していくのだった。
一方、同じ空中から来た赤い発行体と衝突し、同化した航空自衛隊の真木舜一は、そのうちに秘められた巨大な力にまだ気づかずにいた・・・

1966年に発表された「ウルトラマン」の第一作、「ウルトラ作戦第一号」が現代で起きたらどうなるか、その時人類はどのように対応するのか、という点をリアリスティックに描くというのが本作の趣旨。
完全に大人向けに作られており、ある意味グロテスクで残酷で、容赦も妥協も救いもない。
ザ・ワン」(=ベムラー)へと変貌してしまった海上自衛隊の有働は、自身は悪くないのにビースト因子に取り込まれてしまった、ただそれだけの理由で巨大怪獣へと姿を変えてしまい、その後戻ることはないというのはとにかくかわいそうなのだが、実際に人類が怪獣被害にあったとしたら、そういう非道な現実が待っているということを示唆している。
そしてウルトラマンと同化した人間は、そんなに簡単にその能力を発揮して戦えるはずもなく、体の使い方の同調は手間取るだろうし、そもそも空を飛んだり破壊光線を出せるというのを肌感覚でとらえなければならないというのはなかなか無理難題もいいところである。
主人公はパイロットだったので、空を飛ぶという感じを喜びとともに会得しており、それまでのウルトラシリーズでは見たことのないような壮麗且つダイナックな空中戦が描かれていて目を見張った。
本映画では、テレビ版が持つ制約が一切取り払われていて、各描写に時間はたっぷりと使われているし、セットにもCGにもたっぷりとお金がかけられ、一切の妥協がない。
ウルトラマンの造形がまた見事で、よくもまあこんなかっこいいウルトラマンを一から作り出すことができたなと感心するしかない。
そして登場人物たちの焦燥感や絶望、そして希望といった感情が色濃く描き出されており、がっつりとその面白さとスケールの大きさ、高揚感を味合うことができる大変な良作、名作だと個人的には感じるのだが、それほど話題にはならなかったのが不思議でならない。

そして初見の時は全然意識していなかったのだが、後年放映されてドはまりした、異色のウルトラシリーズである「ウルトラマンネクサス」の、この映画が前日譚だったというのを後で知って鳥肌が立った。
やっぱり「俺はこれが好きじゃ~!」と理屈なく感じてしまったのには理由があったのかぁ、と得心がいったのである。
ウルトラマンネクサス」こそ、評価はあまり高くないが、おおきなお友達がハマる要素満載の大人向けウルトラマンで、もうとにかく大好きで何度も何度も見返している傑作なので、近日中にここで改めて取り上げたい。
そして「ULTRAMAN」も、また観返そうっと。