観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

三体(テンセント版ドラマ 2023)

いわゆるテンセント版と呼ばれている中国のドラマ。Huluで視聴。ネタバレ注意。

おおよそのストーリーはほぼほぼ小説版に準拠しているため、あらすじは以前書いた下記の小説版感想を参照のこと。

 

三体の魅力の一つに、話の筋や人々の感情・思想・考え方が中国人っぽいところ、があるのだが、それを表現するにはやっぱり中国で制作されたドラマじゃないとね、と思わせてくれる雰囲気が濃厚にあってよい。
一番象徴的なのが史強(シー・チアン)。小説のイメージではもっといかつくて鬼瓦みたいなイメージだったのだが、于和偉(ユー・ホーウェイ)の整っていながらも腕白坊主のような野趣あふれる風貌と演技がマッチしていてよい。
葉文潔(イエ・ウェンジェ)の若い頃もよかった。美人でありながら飾るところはなく芯の強さを全面に出した王子文(ワン・ズーウェン)の迫真の演技が重厚さを醸していて見ごたえがあった。
また、紅岸基地の古めかしい機械がとてもカッコよい。あのダイヤルやら数字のボタンやらで、いったい何をどの程度操れるのだろうかという疑問はあるにはあるのだが、雰囲気の勝利と言ってよいだろう。
「三体」のゲームも、全部実写化して特撮かCGを部分的に使うという選択もあったと思うが、敢えてオール3DCGでちょいぎこちない動きを加え、敢えてゲームっぽさを演出しているのはアリだと思った。
そしてこの第一部最大の見せ場である汪淼(ワン・ミャオ)の写真や眼に映るカウントダウンは、完全にイメージ通り。ホラー的な恐怖が具体的に映像化されたわけで、改めて「こんな目にあったら頭がおかしくなるわな」と思わせてくれた。
最後のタンカーのくだりも、情け容赦なくすべて描写しつくされており、観ていてちょっと気分が悪くなったほど。こういうの苦手なんだよね・・・でもストーリー的にはあり。
問題なのは、第一部だけで40分前後のドラマが30本も必要で、これでも小説のエピソードを端折っているということ。第二部と第三部はもっとボリューミーなのだが、これ、続編もドラマにしてくれるんだろうね?
どんどんSF色が強くなりお金もかかるようになるので、ハードルは高そうだが、ここまで観せてくれたんだから、頼むよ!
そしてNetflix版も観ないとな~。

 

www.hulu.jp