観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

ジェレミー・クラークソン 農家になる シーズン3(2024)

トップギアでおなじみのジェレミー・クラークソンが農業経営するディドリースクワットのシリーズ第三弾。AMAZON ORIGINAL。
改めてカテゴリをみると、ドキュメンタリー·コメディ·リアリティショー って書いてあるのね。そういう前提で見てねということで。

前回の終盤では、地区評議会と対立して物々しい雰囲気で終わっていたが、その結論が出て、レストラン等の封鎖を余儀なくされる。また、イギリス全体が悪天候によって不作となる年でもあった。また、ケイレブの叔父・ジェラルドががんで入院するなど、最初から波乱含みでスタートする。
ジェレミーはほかの収入源を得ようと、新しい試みをいくつかスタートさせる。
豚の飼育を始め、繁殖を開始するが、生まれた子豚が何匹も母親によって圧死させられてしまい、大きな悲しみに暮れる。
キノコの栽培を始め、次から次と驚きのスピードで生えてくるキノコをほくほく顔で収穫。
一方、従来の作物については、ケイレブを農業長に任命して一任し、新事業を非耕作地で開始したジェレミーと、一年を通して利益対決を行うことにした。
ケイレブは辛子やアブラナなどの新しい作物も導入して利益を上げようと苦心する。
また、従前の施設もあちこち不具合が出てくる。用水路のメンテナンスをしないと下流の別の農家の土地が洪水になってしまうため、苦心して修理するがうまくいかない。
レストランや直売所については、チャーリーが異議申し立てを行い、それが通ったためまた再開することができた。これによって販路が開け、農作物の利益を出しやすくなった。
ジェラルドも復帰して石塀の修繕やトラクターの運転を買って出てくれる。
しかし、天候不順による不作の波はここにも押し寄せてきており・・・

相変わらず、どこまでが脚本でどこからがほんとの話なのか判然としない。すべてリアルならそもそもこんな作品は成立しえないので、いかにもジェレミーが自分で考えた体で話が進んでいるのはすべてAmazonないしは制作会社の優秀なブレインによるものだと思うが、よくできているなあと感心する。
今回のシーズン3が、シーズン2と比較してもわかりやすく面白くなったのは、従来の耕作地をケイレブに任せ、ジェレミーが非耕作地での新規事業を行って、それらで利益対決をしたというところ。
これで今何をやっていてどれくらいお金がかかっているか、もしくは利益が出たかが定量的に分かるようになり、全体像が見渡せるようになった。
これまでは行き当たりばったりに新事業を始め、いつの間にかうやむやになっている印象だったが、ちゃんとすべての新規事業に白黒つけているのが潔くわかりやすい。
そしてジェレミーとケイレブがケンカするシーンが倍増しているのもよい。ここがやっぱり一番面白いと思う。
ケイレブはまだ若干25歳の請負農家だが、経験豊富で自信家。
還暦を過ぎていて、芸能界では大御所のジェレミーに対しても物おじせずに対等に話をし、バカにして、ズケズケとモノを言うのだが、素のところでは素直で純真。それがかわいいんだよね。
ジェレミーも年齢や別の仕事の経験による圧をかけたりせず、ちゃんと対等に話をし、ケンカをして、バカにしあっている構図は相変わらずなのだが、より仲が深まっており、芯のところではジェレミーがケイレブを暖かく見守っているのが伝わってきて、微笑ましく観ていられる。
ジェレミーのパートナー、リサも活動の幅を広げており、直売所の運営以外にも重機を使ったり、豚の飼育を手伝ったりと活躍している。この人綺麗だな~と思ったら女優さんだった。2017年からジェレミーのパートナーになったとのこと。そこはほんとなんだな。インスタグラムを覗いたらほぼディドリースクワットの写真だった。
顧問のチャーリーが隣の農家の顧問もやっているとは知らなかった。優秀で引っ張られたというよりはこの土地に根付いた人なんだということが分かった一幕。
ジェレミー「山羊を有料で貸す」チャーリー「向こうの土地の立場としては、いい牧草地だからタダでいいですよね・・・こちらの立場としては、1頭5ペンスで」的な会話を、土地の境界線をまたぎながら、両方の立場の発言を交互に言うのはベタすぎるが笑ってしまった。
あと、ケイレブの叔父のジェラルドは相変わらず何を言っているのかジェレミーに伝わっていないという設定だったが、ラストでは感動的なスピーチをしており、それはちゃんと訳字幕がついていて、一気に知的で穏やかな紳士感が増した。
この場面ではケイレブがまた素直なことを言って泣かせるんだよね・・・いい奴だなぁ。
最終的なこの年の結果が最後に出るわけだが、その内容を通して、イギリスの農業が抱える問題点、関わる人々の不安や不満をきちんと説明しているのがよい。派手にお金をかけて破天荒な農業をぶちまけた感もある番組ではあるが、そう言った問題提起が、この作品の主張なのだろう。
今までのシーズンの中で一番面白かった。願わくば次シーズンもありますように。


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