観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

劇場版 機動戦士ガンダム(1981)

 今さら説明の必要もない。なのであらすじは省略。

小学3年か4年の頃、おそらく再々放送くらいだったと思うが、周りの少年たちの間でブームになり始めていた。
そのころは推理小説を読むのが好きなこまっしゃくれたかわいくないガキだったので、ガンダムって何なの?ダム?くらいにしか思っていなかった。
だが、1~2年後、いとこのたーちゃんと弟と一緒に、おばあちゃんが連れて行ってくれた映画館で見た劇場版第三部を見て衝撃を受けた。
なんじゃこりゃすげ~!
そこから改めて再々々くらいの再放送を見たりしてハマっていった。
友達たちともようやく会話できるようになったころには、「やっぱりザクは量産型がいいよね」とか言う、やっぱり可愛くないガキになっていた。

本作はテレビ版の後に作られた劇場版三部作の一作目。
テレビ版と違うところは、当然ながらストーリーがはしょられている以外に、出てくるモビルスーツが違うところ。
テレビ版地球連邦側のメインモビルスーツガンダムガンキャノンガンタンクであったのに対して、劇場版はガンダムガンキャノンガンキャノンという布陣になっている。
小学生のころから、「無理もないな、だってガンタンクってのろのろとキャタピラでしか動かなくて、いい標的だもの。棺桶だよこりゃ」と思っていたので、致し方ないところ。
もちろんテレビ版も劇場版も何度も何度も繰り返し観ているが(テレビで放映するたびに観てしまうので)、どちらかというととっつきやすい劇場版の方が回数こなしているかもしれない。
こういうことを言うと「劇場版には『ククルスドアンの島』がない」とかいうひねくれ者がいるが、あれは箸休め的な話であり、メインストーリーに関係ないので放置してよいのである。

初めて観たときは、とにかく量産型という概念にしびれた。一話完結で毎回違うロボットが出てきてやられておしまいという子供向けのアニメばかりを見てきた身には新鮮だった。
ストーリーは非常に難解で、敵味方はあっても善悪はなく、双方それぞれの立場があり戦争に挑んでいる話だし、人は無意味に死んでいくハードな展開で、子供には正直理解ができなかったが、それがまたよかった。子供って背伸びしたがるから、これくらいの方が却って惹きつけられるんだよな。
そして何よりも、ミノフスキー粒子
これの存在がガンダム世界を成立させているといっても過言ではない。
レーダー探知を不可能にするチャフ的な散布物で、攪乱目的でこの粒子を散布することが常道となった戦争では、主にレーダーで位置を特定する戦闘機が無用の長物と化し、目視で戦うためのモビルスーツが発達した、という理屈。
やっぱり皆「戦闘機で飛んで行って爆弾落とした方が早くね?」と思うわけで、それに対する理由付けだが、子供心に感心したのを覚えている。
また、大気圏突入が非常に難事であり、それだけでワンエピソードできてしまうというのも新鮮。
ガンダムに大気圏突入機能がついているのはやりすぎだけど・・・いちモビルスーツにそんなもんいらんでしょ。でもそれがガンダムの腹にヒダヒダがついている理由なわけで、デザインに機能と理由があるというのがよい。
そして、そんなにSF的な理屈付けを入念に行っているにもかかわらず、戦争の趨勢を大きく左右するのがニュータイプという超能力みたいな概念って、振り切ってんな~!とちょっと呆れて、でもかっこいいと思っていた。

主人公がネクラでオタクで愚痴ばっかり言っているというのもツボ。アニメを好んでみるような少年は多かれ少なかれこういう子たちばかりなのに、アニメの主人公はイケイケドンドンなイケメン陽キャばかりだったことについて、みんな違和感を感じていたのだ。それを可視化してくれた功績は大きい。

本作はサイド7~大気圏突入~ガルマ~ランバ・ラルまで。半分はシャアの出自や復讐の目的が絡んでいるのも渋い。設定上はこの時のシャアが20歳。マジかよ・・・それを言い出したらブライト艦長まだ10代だし。今現在の自分より頼れる男な気がするなブライトは。

劇場版 機動戦士ガンダム

劇場版 機動戦士ガンダム

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video