観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2019)

だいぶ前からアマプラで無料になっているのを見ており、なんとなく観た。
たまたま選んだのが字幕版だったのだが、吹替版も無料であることを見た後に知った。山寺宏一版もちょっと見たかったが、字幕は字幕でなかなかよかった。

裏稼業「シティハンター」でその筋では知られるスイーパー(掃除屋)、ニッキー・ラーソン(吹替版では原作通り「冴羽瞭」。
嗅いだ者を嗅がせた者の虜にしてしまう「キューピッドの香水」を警護する仕事の依頼を受けた瞭。しかし、開始早々何者かに香水を奪われてしまう。
そして強奪された際、カバンがすり替わり、平凡なサラリーマンの男性が香水の入ったカバンを持って行ってしまった。
彼の行方を追いつつ、香水を狙うマフィアとの攻防が繰り広げられる・・・

フランスでは「ニッキー・ラーソン」の方が通りがいいのだろう。分かりにくい日本の固有名詞は置き換えられる一例か。古くは鉄腕アトムが「アストロボーイ」だったり、超時空要塞マクロスが「ロボテック」だったり。
とにかく監督の原作愛がすごい。原作に忠実であるのと同時に、さらに盛り込んでやろうというサービス精神が旺盛。たまに行き過ぎてシティハンターとは関係のない「聖闘士星矢」や「らんま1/2」などがちょいちょい出てくる。効果音も聞きなじみのあるのがちょこちょこ入ってきてニヤッとしてしまう。
ちゃんと香がハンマーを振り回すし、後ろにカラスも飛んでたりするのも芸が細かい。
ストーリーも原作をなぞりながらも、実写化に即したアレンジが加えられており、丁寧な仕事ぶりに好感が持てる。
それにしても登場人物が原作に似すぎで笑ってしまう。作りこみがすごい。
原作に似た人を引っ張ってきたのではなく、メイクや小道具で寄せていっている努力が感じられ、これまた好印象。
主演・監督・脚本のフィリップ・ラショーは、顔立ちはそれほど瞭な感じではないのだが、雰囲気で似ている。wikiの知識しかないが、本作に向けて8か月に及ぶトレーニングで筋肉を大幅増量したとのことで、瞭のシルエットに似ているのもうなずける。
そもそもがラショーが原作好きで、原作の北条司に映画化を直談判で勝ち取ったとのことなので、愛があふれているわけだ。
しかし、香役のエロディ・フォンタンがまた絶妙だな~。そんなに美人ではないけどもすらっとしていて、細身ながらスタイルが抜群に良いといういいところを突いている。
もともとラショーとコメディーグループを結成しているとのことで、その点で抜擢されたのではないかもしれないが、本作をぐっと原作に近づけている一因。

フランス流のお色気やブラックユーモアはやっぱり独特な感じがする。日本より大人な感じがしてよかった。