原作は児童書だが、ジブリのアニメ映画で有名。そちらの方ではなく、実写版の映画を観た。
ストーリーの大筋はアニメと同じ。修行のため1年間他の町で暮らすこと、キキは箒(ほうき)で飛ぶ魔法しか使えないこと、猫のジジが一緒に行ったこと、パン屋さんの夫婦の元で居候し、空を飛びたいメガネの男の子と知り合いになり、スランプで飛べなくなって・・・あたり。
だが、違う点もある。
一番大きな違いは、キキが訪れる町が日本の離島ということだ。小豆島がロケ地だったとのことだが、ちょっと南国テイストもある日本という絶妙なロケーションが物語によく合っていた。
また、最後のエピソードもオリジナル。ネタバレはやめておくが、キキがスランプを脱するまでの心の葛藤と決意をよく表しているいい話であった。
登場人物はもちろん全員日本人なのだが、やはり日本のアニメのイメージが濃く、逆に欧米の人が出てきたらかなり違和感があるので、これもまたよし、であろう。
キャスティングについては、当時かなり批判があったことを今でも覚えている。
主演の小芝風花がオーディションで選ばれた素人だったということもあり、「キキはこんなんじゃない!」という声が多かったのだろうが、のちに朝ドラに出たりして、その美少女っぷりを目の当たりにしたので、キャスティングした人の目利きはさすがとしか言いようがない。今になってやっとこの映画を観た身からすると、逆に小芝風花に風格さえ感じられる主役ぶりだった。
唯一ちょっと…と思ったのは、猫のジジがCGだったこと。なんかCGの猫って気持ち悪いんだよな・・・実写だとまたちょっとおかしい感じになってしまうのは否めないし、だからと言ってぬいぐるみだとどっちらけなので、致し方ない選択なのはわかるが、ちょっと違ったなぁ。
まあでも、小豆島の美しい風景とファンタジーはよくあっていたし、やはり小芝キキはとても頑張っていてよかった。いい映画だったな~。