観たり読んだり備忘録

片端から忘れてしまう観たものや読んだものを、記憶にとどめておくためにちょいちょいと走り書きとして残してます。それ以外もちょこちょこと。

PC-8001はるみのプログラミング・レッスン (1982 高橋はるみ)

強烈に懐かしい。当時のベストセラーパソコンであったPC-8001の主要言語であるN-BASICを使ったプログラミングの勉強本。 と言ってもただの勉強本ではなく、著者が女子高生なのである・・・どど~ん! そもそも女子高生が講師という時点でちょっとソワソワし…

トリガーマン!I(1987 火浦功)

まだ今のようにラノベが一般的ではない時代、「ライトSF」というジャンルが1980年代の日本の世の中にはあった。その中でも印象深い二人が、火浦功と岬兄悟である。岬兄悟の本は手元にないし、今どき図書館にもないので、残念ながら取り上げることができな…

最後のアジアパー伝(2004 鴨志田譲)

鴨ちゃんのアジアパー伝、最後の章。 前半は師匠であるジャーナリスト、ハシダさんとの出会いの頃のエピソード。ゲリラに脅されてカメラを取られてしまった話、ハシダさんがお手伝いさんに金盗まれて逃げられた話など。戦場カメラマンと言えば聞こえは良いが…

渦動破壊者(1960 エドワード・エルマー・スミス レンズマンシリーズ)

レンズマンシリーズ第7弾だが、主人公はレンズマンではなく、外伝のさらに外伝的な扱い。この時代でも原子力エネルギーは主要な発電力として使用されていたが、突如制御不能となり、破壊できないエネルギー過流として新たな公害化していた「原子渦動」。こ…

三惑星連合(1934 エドワード・エルマー・スミス レンズマンシリーズ)

レンズマンシリーズ第六弾。 といっても書かれたのは本編第一弾の「銀河パトロール隊」より前で、レンズマンシリーズの元となる前日単の中編が「三惑星連合」であり、それ以外にアリシアとエッドールの邂逅の話、そしてキニスンの血筋とマクドゥガルの血筋が…

もっと煮え煮えアジアパー伝(2003 鴨志田穣)

アジアパー伝の第四弾。 本作のハイライトは中国。最初は北京に渡り、そのあと父親のルーツがあるというハルピンへ。ハルピンでは度数の高い酒を飲み、極寒の外を歩き、耐えられなくなってまた酒を飲むという毎日。辛いだけの50円くらいのラーメンをすすり、…

煮え煮えアジアパー伝(2002 鴨志田譲)

鴨志田譲のアジアパー伝シリーズ第三弾。 本作のハイライトは何といってもミャンマーで出家するところだろう。出家と言ってもだいそれたことではなく、ミャンマー人は一生の間に数か月、誰もが一度は一時的に出家するとのことで、鴨志田も3週間ほど体験出家…

アクロイド殺し(1926 アガサ・クリスティ)

ミステリ(推理小説)が好きな人でこれを知らない人はいないと思われるほどの古典的名作。といっても僕自身はミステリはほとんど読まない。というかミステリを読まなくなったきっかけとなった作品でもある。 ある村で起きた殺人事件。被害者の友人であり、村…

ファースト・レンズマン(1950 エドワード・エルマー・スミス レンズマン・シリーズ)

レンズマンシリーズの外伝的な作品の一つで、レンズマン誕生秘話的な話。 地球人類は原子力による第三次世界大戦で消耗・疲弊した後、残った国々により復興を成し遂げていた。その後、他惑星人たちとの邂逅を果たし太陽系文化圏が形成された。しかし、知的生…

バブリング創世記(1982 筒井康隆)

本を読む人であれば、10代のころあたりに必ずと言っていいほど通り過ぎる作家だったが、最近はどうなのだろうか。もう古典扱いなのかな? 筒井康隆はカテゴリーこそ日本SF御三家とも言われSF界の重鎮と目されているが、その作品はあまりSFの風味は濃く…

さよならジュピター(1984)(総監督・脚本・ノベライズ:小松左京)

いつもここで取り上げる際は本か映画か区別しているが、本作は両者が密接に絡み合っているので一緒に取り上げる。実際には映画の企画が先にあり、ノベライズしたのが小説版となる。 西暦2125年、エネルギー問題の解決のため、木星太陽化計画が進められていた…

狼のレクイエム 第二部(1974)(ウルフガイシリーズ)平井和正

「狼の紋章」「狼の怨歌」「狼のレクイエム 第一部」から続く第四弾。内調のエージェントとして暗躍する西城恵と沢恵子、インディアンのチーフスン。彼らはドランケの後釜となるCIA極東センターの新センター長であるハンター宅を襲い、不死鳥作戦についての…

狼のレクイエム 第一部(1982)(ウルフガイシリーズ)平井和正

ウルフガイシリーズの「狼の紋章」「狼の怨歌」に続く第三弾。 犬神明の血清を打ったCIAのエージェント・西城恵は、CIAが不死鳥計画という有色人種絶滅計画を狼人間の特性を利用して実施しようとしていることを知り、CIAと決別し、内閣情報操作室へ…

ロジャーズ クライエント中心療法(1983)佐治守夫・飯長喜一郎

一時カウンセリングの勉強をしていた時期があり、その時最初に読んだ本。 カール・ロジャーズはアメリカの臨床心理学者。カウンセリングの手法として「クライエント中心療法」という技法を確立した人で有名。この技法はカウンセリングの基礎と言われており、…

国井律子のハーレー日本一周 20代最後のひとり旅(2006)國井律子

エッセイスト・國井律子のフォトエッセイ。 会社を辞めた國井律子がハーレーを駆り、日本のあちこちへ旅して、そこでしばらく沈没して、現地の人々や同じ旅人と親交を深めつつ、人の生き方や自分の生き方に思いを馳せる。だがおいしいものはやっぱりおいしい…

レンズの子供たち(レンズの子ら)(1947 エドワード・エルマー・スミス レンズマンシリーズ)

中学生の頃に読んだ創元推理文庫版では「レンズの子ら」だったが、その後の改訳版では「レンズの子供たち」に改名されていた。 キムとクリスが結婚して20年が過ぎた。彼らは一男四女の子供たちに恵まれ、キムはランドマーク星雲の調整官として責任ある仕事に…

第二段階レンズマン(1941 エドワード・エルマー・スミス レンズマンシリーズ)

レンズマンシリーズ第三弾にして、キムボール・キニスンが主体となるボスコニア戦争最後の戦い。タイトルは「第二段階レンズマン」なのだが、実際のキムは「銀河パトロール隊」の作中で第二段階やグレーレンズマンになっており、それぞれタイトルだけ後追い…

狼の怨歌(1972 平井和正)

「狼の紋章」に続く、ウルフガイシリーズ第二弾。 前作で羽黒獰と死闘を繰り広げた狼人間・犬神明(いぬがみあきら)。彼はとある病院に収容されていた。その病院の院長は彼の持つ狼人間の特異性に気づいており、様々な人体実験を行い、その不死身性を検証し…

幼年期の終わり(1952 アーサー・C・クラーク)

SF御三家の一人、アーサー・C・クラークの代表作のうちのひとつ。 地球にやってきた異星人の宇宙船が世界中の主要都市の上に停泊して、何十年もの間、巧みな地球管理を行っていく。それは人類にとってプラスと思えることばかりだったが、そのため人類はま…

宇宙の戦士(1959)ロバート・A・ハインライン

新訳版出てたの知らなかった。中学生の頃に矢野徹訳版を読んだだけだわ・・・そのあと何度も読み返してるけど。 SF御三家の一人、ロバート・A・ハインラインの代表作であり、いろいろな創作物に影響を与えた大元とも言える、SFの古典的名作。 人類が宇…

狼の紋章(ウルフガイシリーズ)(1971)平井和正

平井和正の日本SF小説。 私立中学校・博徳学園はその名とは裏腹に不良だらけの荒れた学校だが、そこに一人の転校生がやってきた。彼の名は犬神明。不良だらけのこの学園で、どんなに絡まれても音をあげない謎の少年である。 夜の街で不良に絡まれている彼…

どこまでもアジアパー伝(2001)鴨志田譲・西原理恵子

アジアパー伝の続編。 引き続きアジアの各地で、ダラダラと沈没したり、橋田さんにこき使われたりする話がちりばめられている。 序盤ではタイのスラム街にある激安居酒屋で飲んだくれる鴨ちゃんと水商売の女の話。 現地の人からもクズ扱いされており、その立…

アジアパー伝(2000)鴨志田譲・西原理恵子

もともと大学生の頃に西原理恵子のエッセイ漫画にドハマりし、単行本が出るたびに買っていたが、その連れ合いである鴨ちゃんのエッセイ。 一部漫画パートを西原理恵子が書いている。 鴨志田譲は戦場カメラマンに憧れ、アルバイトでためたお金を握りしめてタ…

とり眼ひとの眼(1989)とり・みき

漫画家とり・みきのエッセイ集。 エッセイ集と言いつつ、この本のかなりの割合が原田知世で占められている。 当時、とり・みきを含む若手SF業界の関係者の間で、「時をかける少女」という大林宜彦監督作品がめちゃくちゃ流行った時期があり、彼らはみな原…

第二次脱出計画(1988)かんべむさし

徳間書店が月刊誌として発行していたSFアドベンチャーで連載していた半自伝的小説。 主人公はペンネーム「なんのぼうし」。大学で広告研究会に入り、広告業界に入りたい入りたいと学生時代から念じ続けており、なんとか入れる広告代理店に就職したのだが、…

超芸術トマソン(1987)

みなさんも一度や二度、見たことがあるのではないだろうか。 壁の真ん中あたりに扉があり、どう考えても出入りできなさそうなやつ。 もしくは、壁に向かって階段が上がっていき、どこにも行けないやつ。 または、庇(ひさし)だけあって窓が存在しないやつ。…

あしながおじさん(1912)

知らない人はいない普遍的な作品。 孤児院で育ったジルーシャ・アボットは、その文筆の才能を見込まれ、とある匿名の慈善家の厚意によって、定期的に手紙で報告することを条件に、大学へ進学させてもらえることになった。 一瞬だけ見かけた彼のシルエットか…

グレー・レンズマン(1939 エドワード・エルマー・スミス レンズマンシリーズ)

レンズマンシリーズ第二作。「銀河パトロール隊」の続編。 前作でボスコーンのトップであるヘルマスを倒したレンズマン・キムボール=キニスン。倒れる寸前のヘルマスが指令室にある謎の球体に意識を向けたのを察知したキニスン。、そこから発せられた通信ビ…

銀河パトロール隊(1937 エドワード・エルマー・スミス レンズマンシリーズ)

スペースオペラ(宇宙を舞台とした冒険活劇SF)のパイオニアにして至高のシリーズ開幕編。 SF沼に引きずり込まれたきっかけになった作品でもある。 時ははるか未来、人類は太陽系、果ては銀河系の知的生命体との邂逅を果たし、彼らとともに一大銀河文明…

アンドロイドお雪(1969)

平井和正の初期単発長編。 近未来世界で、アンドロイドが人間の従僕として日常的に使われ始めた時代、主人公の若い刑事・野坂のもとに一体のアンドロイドがやってきた。 彼女の名はお雪。昔野坂が助けたことのある犯罪者が死ぬ間際に、彼のもとへ行けと雪へ…